こるておに影響されてとかそんなんじゃ無いけどとある道化師の過去と現在。
オリジナル捏造一杯
一人の若い男がとある街の公園で膝を抱えて泣いている。
彼の恰好は道化師のそれ。
人を笑わせる為にその世界を目指し誇り有る道化の道を選んだ。
だが彼は己の度重なる不幸に心身が疲れどうしても心から笑えなくなってしまっていた。
恋人に振られたと思った矢先両親が不慮の事故で亡くなってしまったのだった。
余りにも突然自らを襲った不幸に絶望した彼はそれでもサーカスの公演を行い終えるといつも此処に来ては泣いていた。
このまま消えてしまいたい…ふとした拍子にそんな気持ちに取り付かれてしまいそうな時が有った。
その気持ちに気付く度に自重気味に彼は思う。
『私はもう誰にも必要とされて無い』
なおさら泣きたい気分になった彼の耳にか細い泣き声が聞こえてきた。
顔を上げ辺りを見回すと小さな男の子が泣きながら母親を探していた。
その子供の姿に何故か体が先に動く。
立ち止まり泣く男の子の後ろから肩を叩きしゃくり上げ見上げて来るその子に自分が出来る精一杯で笑わせたいと心の底からそう思った。
泣き顔から一転、その子はあどけない表情を浮かべ笑ってこちらを見詰めていた。
道化師としてこの世界に居て良かったと思えた程に嬉しかった。
彼は泣きそうになるのを必死で抑えその子の為の公演を続ける。
いままでに無い至福の時。
ふとその子に駆け寄って来た一人の女性。
「ママ!」
その子は満面の笑みでその女性を見上げると女性も笑い掛け抱き上げた後彼に頭を下げ礼を言い帰ってしまう。
抱き上げられた子供はそのまま彼に手を振って別れを告げた。
彼は満たされた思いで一杯になりながらその子へ手を振り返し、いつの間にか笑えていた自分に驚いた。
いつか、この気持ちを教えてくれたあの子供にもう一度会おう。
月日は流れ何度も場所を移りいつしか彼は知らない者は誰一人としていない程有名な道化師になった。
心から人を笑わせる道化師として。
彼も随分歳を取り、最後の公演にと選んだ場所はあの時彼が公演していた街。
彼の最後の道化師姿を見ようと観客は世界中から集まった。
中盤彼は一縷の望みに掛けあの日から演じる様になった人気の演目を演じた。
それは一人の泣き虫な道化が泣いている子供を四苦八苦しながら笑わせるといったまさにあの日の彼と子供の話だった。
あの時の子供が覚えているとは限らない。
けれど彼にとっては大切な事を思い出させてくれた素敵な出会いだったから。
公演が終わると一人の男性が彼の元へ訪ねてきた。
あの子が成長したらこの位だろうかと思いを馳せていると男性は口を開きました。
「いや、驚きました。まさかむかし見たままの化粧をしてらっしゃるなんて…。」
「むかし…ですか?」
もしかして、もしかすると逸る心を抑え聞き返す彼はいつも以上に手汗をかいている。
「小さい頃に一度だけ貴方の公演を間近で見せて頂いたあの時の子供です。貴方がその子供を探していると聞き出て来ました。」
核心を話す男性も興奮した様子でその話を聞いた彼は感動の余り泣きそうになりました。
「小さい時に見た貴方がとても印象に残っていて今回最後の公演が此処だと聞いて見に来させて貰いました。」
男性は自分の記憶と母親の証言を頼りに図書館などで来歴したサーカス団を調べ数年前から彼の公演を観ていたと言うのです。
彼は嬉しくて仕方が有りません。
この後二人はあの日を思い出しつつ酒を飲み語り合いました。
「「再び出会えた奇跡に乾杯!」」
それから先二人は彼が亡くなってしまうまで仲の良い二人で有り続けました。
あとがき
年齢設定の都合上
道化師23〜26少年6〜8
道化師45〜50男性28〜35
になってしまうためなかなか二人が発展しませんでした。
元々は青年×道化師で引退後は俺と一緒に暮らしてくれませんかっていう愛の告白付きのつもりの話でした。
でもそれだと青年は20代前半じゃ…と思い自重。
変な所で自重してたら余計ぐちゃぐちゃになってた。(つд`)
にゃんこ企画すっ飛ばしてこっち書いてごめんなさい…でもいま書かないと書けない気がして…。(´・ω・`)