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歪アリ

【繋いだ指に思う】


「亜ー莉子!帰ろ」

「あ、雪乃。待って、これバッグに…よし、と!」

終礼のチャイムと共にざわめき出す教室に。
帰り支度をしている亜莉子の前には、当たり前の様に雪乃が居て。
教科書をバッグに入れる亜莉子を柔らかい眼差しを浮かべて見ている。

「忘れ物は無し!うん…帰ろう、雪乃!」

(忘れ物も、時には大事なのよ、アリス?)

その眼差しにニコリと笑顔で返す亜莉子は、きっと気付く事は無いのだろう。

否、気付いて欲しくなど。

オカアサンニ
キミノセカイヲ
キヅツケラレルノナラバ

ソンナセカイ、ワスレテシマオウ。

「…そうだ。亜莉子、たまには手を繋がない?」

「へ?」

「ふふ、良いじゃない。何と無く繋いでみたかったの。嫌?」

「嫌、じゃないけど」

「なら決まりね、ハイ。手を貸して?」

そう云って亜莉子の腕を取り、雪乃の白い手が指を絡めた。

(アア…アタタカイ。アリス、僕ダケノアリス。キミノソノタイオンヲ)

僕のモノに出来るなら。

絡めた指の一本一本さえも恋しい、愛しい。

嗚呼早く。
君がもう二度と傷付かない世界に誘えねば。

君の笑顔も、声も、

イノチも。

「…早く行こ?アリス」

「うん!」

教室のざわめきは未だ静まらず、雪乃の呼んだ名前すら亜莉子は間違いに気付かなかった。


◆◆◆◆◆
ぬー…どうしよう、素人の書いた微百合的な仕上がりだよorz
百合じゃないんだYo!

雪乃のままで僕、と呼ばせたのはその抵抗です(笑)

僕少女と勘違いした人は歪アリをプレイしてみれば良いよって軽く宣伝←

バイハOB

【お返しのススメ】


「ケビンさん、アリッサさんにバレンタインのお返し、あげたんですか?」

「はぁ?」

シンディの一言に思わずビールを吹いてしまった。
ポタポタとジョッキから手へ、手からテーブルへと溢れたビールにあらあらとシンディは眉を寄せて水を絞ったタオルをケビンに渡した。

「汚さないで下さいよケビンさん」

「馬鹿、シンディが変な事云うからだろっ!!」

手を拭いて、そのままテーブルを濡らしたビールをも拭き取りながらケビンは云い返す。

「変な事だなんて。ホワイトデーは過ぎてるんですよ?折角アリッサさんからバレンタイン頂いたんですから、ちゃんとお返ししないと!」

「ば…っ!そもそもバレンタインなんてアイツから貰ってねぇ!!」

「嘘。私ジョージさんから聞いたんですよー?アリッサさんがケビンさんにお菓子をあげてたって」

「あれはアイツが貰ったサンプルだ!」

何時だったか。

空腹で腹が減ったと繰り返し云っていたらキレたアリッサが煩いと一喝して顔面に投げつけてきたのだ。

因みにチョコレートではない。
投げつけられたせいで割れたクッキーだ。

新商品の広告で仕事で貰ったらしく、パッケージにサンプル、と書いていたのを憶えている。

弁解するとシンディはあらまぁ、とにこにこ笑った。

「ケビンさんも頑固ですけど、アリッサさんも素直じゃないですねぇ」

「アイツが素直なんて見てとれる顔かよ」

「またそんな事云って。だから何時まで経ってもラブラブ出来ないんですよ」

「!?おい待てシンディ!今何つった!」

「アリッサさんは花とかジュエリーより実用品が好きみたいですからね、ペンとか喜ぶんじゃないですか?仕事で使えるし」

「無視すんなシンディ!こら!」

「あ、私こないだヨーコさんからオススメの雑貨屋さん教えてもらって行ったんですけど割引券頂いたんであげますね」

「シンディ!!お前誤解してないか!?アイツとはそんなんじゃねぇぞ!!?」

「あーハイハイ、今日の分はツケておきますから、早く買いに行って下さい、閉店まで時間ありますから、ほら!」

勝手にテーブルの上を片付けられ、手に割引券を持たされるとドアまで押された。

こうなっては文句のひとつも通りゃしない。

「違うっつってんのに…ビールくらい飲ませろよ…」

バタン、と閉め出されたケビンはボリボリと頭を書くと、券を胸ポケットにしまい雑貨屋へと向かっていった。

「別にお返しじゃない、嫌がらせで変なモン送りつけてやる」

そうブツブツ云うケビンの後ろ姿をバーの窓からチラリと眺めるシンディはくすくすと笑みを浮かべた。





‡‡‡‡‡
ホワイトデー過ぎたけどーって思いつつ久々BHOB(笑)

過去に書いたバレンタインの奴とは関連してません。
クッキーって書いたし←

やっぱケビアリ大好きww

後日談は時間ある時書きますー!(アリッサを出したい為)

ティアクライス

【JOB】


「団長さん団長さん!また新しい依頼来てるよ!!」

エントランスに足を踏み入れた途端に響きわたるモアナの声。
ばさばさと紙の束を振っているが、恐らくそれが新しい依頼の束なのだろう。

「おう、どれどれ…?お、ヤディマじーさんからまた畑の依頼だ」

「あの人結構依頼するよねぇ…まぁ採れたての野菜くれるのは有難いけど」

「うーん、しっかし今度は誰に行ってもらおうか…」

「あれ、クロデキルドさんとかダイアルフさんに何時も頼んでなかったっけ?」

誰を派遣しようかと悩む相手に、モアナは不思議そうに首を傾げる。
云った二人の名前は、この度々依頼される仕事で固定になりつつある者だったからだ。
つい先週も依頼の紙に二人の名前が記入されていたのを覚えていた。

「あー、それなんだけどよ…」

ポリポリと頬を掻く少年。
団長という肩書きを背負う彼の表情は曇りがちだ。

「アスアドやロベルトに姫さんに何させまくってんだって怒られるわオータから王様を休ませてあげてって泣かれるわ…周りがうるせぇんだもん」

「あぁ…ナルホド。そういやヤディマさんがこの依頼をしに来た時、フレデグントさんがじーって見てたんだよねぇ…」

今思えば目が怖かったなぁ、と呑気に云うモアナ。

大好きな姉との時間を畑に取られたのが原因だろうか、最近やたらと彼女の機嫌が良くなかった。

「本人達は平気だって云ってんだけどなー…まぁ仲間の意見は大事にしなきゃだし、たまには別の奴をだな…んーと…」

ペラペラと他に派遣してる仲間の状況をメモした紙を捲りながら適切な人材を探す。

「おい団長!俺にさせてくれ!!」

「ん?ヨベル」

「頼む!体力作りにもなるし、アンタみたいに強くなりたいんだ!そして何より姉ちゃんの傍から離れたい!!!」

「うわ、明らかに最後のが一番の理由って感じ」

モアナがはっきりと突っ込む。

「そっかーヨベルねぇ…まぁ良いんじゃねぇ?早寝早起きの長時間作業だけど頑張れよ」

「おう!」

名前の記入を済ませると手を振って去っていくヨベルを見送った。

「後は誰連れてく?」

「そうだなぁ…ジェイルとマリカに頼んでみ」

頼んでみようか、と云い切る前にその声を遮る甲高い声がエントランスに響いた。

「アナタの為ならどんな小娘よりも尽してみせるわ!!私を連れてってよ!!」

「うっわメイベル!?」

ずい、と突然現れた相手に驚く団長。
今にも別の意味で襲いかねない勢いのメイベルはモアナからパシン、と依頼書を奪い取った。

「ちょ、ちょっと!」

「マリカですって…!?ふん、あんなミニスカ田舎娘、独りで穴でも掘ってれば良いのよ!」

「そういうアンタはキテレツ娘…って!何勝手に書いてんの!!!」

奪い取った依頼書にヨベルの名前の下に無理矢理自分の名前を書き足すメイベル。
モアナの台詞を無視して唖然としたままの団長にニッコリと微笑んだ。

「待っててねダーリン、美味しい野菜で美味しいご飯作ってア・ゲ・ル!」

行くわよー!と云い捨てるなりダッシュで外へと向かって行った。

「ご飯って…畑耕す仕事って分かってんのか…?」

「っていうか今行くんじゃなくて明朝からなんだけど…」

跡形もなく去ったメイベルに、団長とモアナは深く溜め息を吐いた。

「ヤディマじーさん悪ィ…」

「畑無事だと良いねー…」

結局残りのメンバーを決めて、クエスト派遣は終わった。

後日。

「団長さん団長さん!こないだの畑仕事のだけど」

「お?…ああそうか、もう終わったんだ?」

「うん、でね?ヤディマさんからの伝言なんだけど…」

「手紙か?何…『もさもさに荒らされた方がマシじゃったわい!あの小娘は二度と寄越さんでくれ、頼む!!』って…」

「あちゃー…やっぱ荒れたかー」

「ヨベルに関しては感謝してたみたいだな。…メイベルは全くもう…」

「ダーリン!!只今貴方の元に帰ってきたわー!!寂しかった!?逢いたかった!?」

「いや別に」

「んもー、ダーリンったら照れちゃって!あのねっ、お野菜沢山採って来たから今からご飯作ってあげるわね!!」

「採って来たんじゃなくて盗って来たんじゃないの?」

「失礼ねモアナさん!ヤディマさんが『好きなだけ持っていけ、もう来なくて良いから』って云ったんだもの!」

「ヤディマじーさん…!」

この時団長は次は必ずクロデキルドら騎士団とダイアルフらヒューリーロアに頼もうと決めた。

「さぁて遊んでる暇は無いわ!早速厨房貸してもらわなくっちゃ!」

云うなり走り去るメイベルに唖然としつつ、次なる被害者はワスタムか、と痛くなる頭を二人で抱えた。

余談だが姉・モーリンから離れて清々しく自由に汗を流せたヨベルは、畑仕事に目覚め始め、以後も積極的に畑に参加しようとしたらしい。



◆◇◆◇◆
無理矢理終われ!!(笑)

書き途中で放置しまくってたので、久々読み直して続きをどう書きたかったのか忘れてたとか内緒内緒!←

団長名はデフォがあれば良かったんですが…当方命名は趣味に走り過ぎるので自重ww

ポプ

※小説お礼文
For 烏丸さん

かなり趣味に妄想突進←
気分害されても自己責任でお願いします(笑)


【犠牲を有意義に】


「おいジズ!此処にロキが来なかったか!?」

「おやまぁこれはこれは…ヴィルヘルム卿ではありませんか。どうしたのです、そんな血相変えて」

「どうしたもこうしたもないっ!!私の城を蜘蛛の巣だらけにし、コレクションを破壊し、何より私の仮面を…っ!!」

「ひょっとこ面に変えたのでしょう?」

煎れたての珈琲をこくりと喉に流して、ジズは悠々と相手の台詞を継いだ。

「…何故知ってる」

「先程ロキが来て自慢げに話してましたから」

くすくすと笑って答えたジズは椅子から立ち上がると昼下がりの空が覗く窓に寄った。

「持ち去った貴卿の仮面は誰かにやろう、と愉しそうに云って直ぐ何処かに行きましたが…」

多分風の精霊にまたちょっかいでも掛けに行ったのでしょう、と窓の外を眺めて云う。

「く…っ!ロキめ…」

「ふふ…貴方の一途な想いはあの魔女には届くどころか蹴落とされてばかりですねぇ」

「うるさいっ!」

一方その頃。
ご機嫌な表情で蜘蛛に乗ってとある森に来たロキは、すうすうと寝息を立てて木の上で昼寝をしている精霊の姿を見付けるなり口許に妖しげな笑みを浮かべた。

「ん…何……?暗い…」

誰かの気配を読んだか、風の精霊――フィリは閉じていた瞼を開けて、しかし視界が少し闇を被っているのに眉をしかめた。

(何か被されている?)

そう、と手で触ると確かに頭にスッポリ被されている。

頭上を指で辿ると何やらくるくると渦巻きの突起も感じた。

「何処かでこう云うの見たような…ってか仮面が外れないんだけど」

「当たり前だ。私が手で押さえているからな」

「……ロキ!?ちょ、何やってんだよ!」

「じっとしてないとバランス崩して木から落下するぞ。待て、もうすぐ終わる」

「何がだよ!…っ!?アンタ、何縫い付けてんだ!」

「ヴィルヘルムの仮面」

「ちょ…!」

首下でもそもそとロキがしているのは仮面と服を糸で裁縫してるのだ。
チョキ、と静かに糸が離れたのを聞くも、仮面はしっかりと縫われた様だ。

「今直ぐ外せ!!」

「嫌だ。折角縫ったのに。…ふふ、似合わないが面白いぞ、フィリ」

「面白がるな!!」

何気に翼に似た髪型が仮面に収納されたも同然なので苦しい上暑苦しい。

「ヴィルヘルムの仮面なら相手も困るだろ!!」

「心配するな、旅帰りのブラウンからニホンの土産を貰った奴を渡しておる」

「…とてつもなく酷い予感がしてヴィルヘルムに同情するよ」

云いながら力を入れて千切りとろうとするフィリ。

「おやフィリ…別に止めはしないが服が裂けてそのまま力入れると大変だぞ?」

「………」

ゆっくり裂目を辿って気付く。
これ以上は流石にヤバイ。

裂目は腰の下まで来ていた。

「おや?もうしないのか?」

ニヤニヤと笑うロキ。
確信犯だ。

「っ…誰かー!!」

今日も魔女の有意義な時間は誰かの犠牲を踏んで作られていくのだった。







終われ!(笑)


‡‡‡‡‡
ぅわーん!滅茶苦茶にgdgdすぎてごめんなさーい!

萌え小説のお礼として小説返しさせて頂きました!

ポプ

【熱】


冬の雨は冷たい。

太陽は雨雲に拐われ、頻りに体を濡らしていく。

そこまで体温を奪って、どうして熱を嫌うの?

「うわ、硝子ずぶ濡れじゃん!!」

「傘忘れちゃったの?」

はたと顔をあげるとそこにはよく知った顔触れ。

「…翔君、空君…」

部活の帰りなのか、翔君は肩からエナメルバッグを提げている。
空君は何時も大事に持ち歩いてる望遠鏡。
しかし彼等の片手にはそれぞれ傘をさしている。

それはそうだ、だって今は雨が止む気配無く降り続けているから。

しかし私は傘を持っておらず、こうして雨に濡れて黒く濡れたアスファルトを歩いているのだ。

「そう、傘を…忘れちゃったの…」

こうして雨に濡れると思う。
体温が無くなったらどうなっちゃうのかな、って。

「馬鹿だなー硝子は!風邪ひくぞ?」

翔君に笑いながら云われた台詞にあぁそうか、と気付く。

体温無くなったら風邪をひくのか。

「うわぁ…濡れたね硝子ちゃん…タオルタオル!ほら、僕の傘使いなよ」

翔君がバッグからタオルを出そうとして空君に「君のは汗臭いでしょ!」と怒られている。
傘を渡された私は空から降り注ぐ冷たい雫がこの瞬間遠のいた事に肩を震わした。

傘の外からはパタパタと雫が当たり落ちる音。

「……」

不思議だけど、体温を奪われると体は熱を生産しようと活動する。

ただそれはじっくりと体温を戻すのに時間は掛るけど
「あ、あった。はい硝子ちゃん、タオル」

頭にポフ、と乗せられたタオルが頬に、手に触れると「あったかい」と直ぐに感じた。

「ありがとう、空君」

「どういたしまして…あ、この雨が上がるの夜なんだけど、その後の空って凄く星が綺麗に見えるんだよ」

望遠鏡で見るんだ、と笑う空君。
翔君はエナメルバッグをパン、と叩いて不満げな声を出した。

「お前今日そればっか云ってるじゃん。俺雨の日の体育館って湿気で超汗かくし気持悪いんだよなー、ユニフォームも生乾きだし」

「生乾きって臭うしねぇ」

「…ふふ」

なんだろう、独りで歩いてた時はひたすら雨に濡れてばかりだったから何も感じる事無かったのに。

誰か居るだけでこんなにも心が暖まるの。

雨雲一面の空の遠く向こうには、太陽が見せた白い光が見えた。




*****
スランプって治療法は無いのですか。orz


丁度雨に濡れてガタガタ震えてたので硝子ちゃん代理に書いてみたのです。

まぁ何と云うか…gdgd仕上がりでごめんなさい(泣)

雨は嫌いじゃー!!
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