政府は認知症対策の強化など高齢運転者の事故対策を進めているが、昨年の80歳以上による死亡事故は235件と前年からわずかに減ったものの、全体の7.2%を占め、増加傾向は依然続いている。

 警察庁によると、昨年の死亡事故について、ドライバーの年齢層別に免許保有者10万人当たりの件数を調べたところ、75歳未満の平均が3.7件だったのに対し、75〜79歳は5.7件で約1.5倍、80〜84歳は9.2件と約2.5倍だった。85歳以上は14.6件で、4倍近くに達した。

 政府は昨年、80歳以上のドライバーによる事故の死者数を2020年までに200人以下とする数値目標を設定。警察庁も80歳以上の実車試験の導入などを検討しているほか、高齢運転者に対する運転適性相談の強化や、運転免許証を自主返納しやすい環境整備を推進している。