南オセチア紛争、第二次チェチェン紛争との絡みを中心に
もちろん、アナちゃんとの話もつなげますよ そこで下の短編が肝心になってきます。
サム・バーライド率いる特務小隊は『極秘裏』にチェチェン領に派遣される。時間軸は1999年9月
ちなみにサムは当時「ゴーストリコン」所属。もちろんだが同部隊については公表されて居ないので逆にプロットが組みやすい(ほぼ想像でいける)のです。
オセチアといえば5デイズウォーですね。
ということでチェチェンにも展開してますよ。皆殺し師団こと死の部隊を登場させています。グルジアにムスリム同盟、チェチェン軍各勢力のカラミも出そうかと思います。
それに対峙するのはロシアの正規軍、海軍特殊部隊スペツナズも出します。(なんかてんこ盛りだ)
ネタバレ気味になるので詳細に関するデータは出しておりませんがそれにストーリーを大きく左右する重要な兵器である、アンチマテリアルライフルなども登場させますよ。あとは本編でということで
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短編 「rear side war(直背の戦争)」
それはチェチェンでの戦いも終わらない最中に起こった。まさに戦争のプレゼンテーションのようなそれの陰湿さを表した闘いだ。
『南オセチア』
何のことはない。よくある民族紛争だ。この地域は複雑でナチの統治後から度々紛争が散発的に起きている場所だ。周辺部でも戦争ばかりやらかしているような場所。そんな所に俺たちは展開された。正しくはオセチアではなくさらに良くない状況の場所だった。こんなカフカスの山中にナゼいるのかは判らない。でも、この森は殺気に満ちていた。しかも陰湿な大人(オス)どもの雰囲気ではなく もっと無垢な野獣がここにいる気がしていた。
同地はこの五十年間全くの『平和』を得たことは一度もなかった。大国の大局にいつでも左右され続けていた。だが、ここの民衆も平和嫌いでも戦争大好きであったわけでもなかった。仕方がなかったのだ。政治屋どもが無能で宗教家どもが政治に介入し国は分列していた。
大カフカス山脈とも云われる山地その北側
カスピ海からはかなり離れた位置にある森深く、俺は居た。
(2008年、5月某日)
戦局は流動的だった。圧倒的な火力と兵力で無理やり押し切ろうとするロシア軍、無慈悲にもゲリラ的な戦いをするグルジア軍、それが意味するのは最悪のシナリオだった。
「ジェノサイド(大量殺戮)か……」
森の中、ひとり呟いていた。そこにはまさに地上に「地獄」が引っ越してきたように見えた。場所はチェチェンと南オセチアの国境地帯。非武装地帯と謳っていたが何のことはない、戦場はどこにでもあった。そこには簡単な塹壕のような溝が掘られておりその泥水の中には無数の「非武装市民」の遺体が無造作に積み重なっていた。どう見ても戦闘中に殺られたものではなかった銃撃はすべて正面からしかもかなりの至近距離から乱れ撃ちされているのは弾痕からみても明らかだった。だが、解せないのはその周囲にいたハズの兵士たちまでもが『撃ち殺されていた』のだ。
「こいつは…スナイパーライフルの痕? しかもすべて一発ずつで?」
かなりの腕を持った狙撃手だ。兵士たちは逃げ惑った事は確かだった。バラバラの方へと倒れ等間隔でもなかった。しかし、射角はほぼ同じ、…いや、横に走りながら常に陣地変更している。こいつはこの俺もただじゃ済まないかもしれない。
そう思った矢先だった。
弾丸が俺の横を掠め飛んでいった。これは警告射撃以外の何物でもなかった。
「待て! 俺はイワンでもグルジアでもムジャヒディンでもないぞ! アメリカ人だ!!」
殺気を見えないほどの距離が離れているのに感じていた。
調定し直し撃鉄を起こし、引き金を引く感覚が分かった。2射目が来る!! 本能的に走り出していた。
そして、その予想は当たっていた。今までいた場所にそのライフル弾が石交じりの土をえぐった。その時すべてを理解した、こいつは俺と同じサーバーガー(狂戦士)だと。冷静に無慈悲な戦いを続けるだけの狂った駒だ。だが、この場合は問題がある。向こう側にいるのはおそらくは 『軍人』 ではないだろう。
つまりは国軍兵士はすべて敵としているところから見ると 武装民間人 に違いなかった。
「やれやれ こいつは厄介だ。これからどうするかだな」
上手いところ倒れた木の影に隠れることが出来た。だが、追撃は止まないらしい。奴は移動している
間違いなくその殺気がこちらへと来るのが判った。マズイことになったと吸わずに持っていた葉巻に火をつけた。どうせ死ぬなら思い残すこと事が少ないことに越したことはないからだ。
スナイパーがスナイパーに追い詰められるなんてお笑いものだ。まぁ、ずっと昔の戦争でも狙撃手同士の戦いがあったがそれよりも状況は良くなかった。一方的に狙われていた。
そこにいただけだ。何もしちゃいなかったのに…いや、それが激怒させたのかもしれない。あと、死体を足でいじったこととかも・・・・・・ 考えてもしょうがなかった。今はピンチを切り抜けるしかなかった。
「アイツらまだか?」
そう、
仲間が近くにいた。それも通常の兵ではない。全滅してている訳がない、奴らに限っては…
まだ、近くにいたらしい。散発的な発砲音が2,3発ずつ聞こえてきた。
それは俺の周囲でしていたが何かの気配が俺に近づいてきた。すでに元いた倒木から離れ生えている幹に身を任せていたがそいつはこっちを見ているようだ。
「よう、相棒。死んでいないようだな」
俺のその言葉に
「お前こそ、まだ生きていやがる どんな死神が付いているだか」
それは同じ特務隊のメンバーのひとりだった。しかし、こいつらに借りを作りたくはなかった。
「すまないがここは俺に任せてくれ。こいつは『倒しちゃいけない』やつだよ。どうにか無傷で捕まえたい
この野獣をな!」
「正気かよ…まぁ、言っても聞かないだろうがな」
そう、この先にいるのは獲物を捕食しようとしている獣であり、ハンティングを狩りを楽しんでいるビーストだ。
「あぁ、至ってまじめだよ」
そう、部下にいった。
本編へと 続く