「おぅい、兄ちゃんよ?」
そう声を掛けられた男は無視した。
この通りに来る前の酒場で「面白いモノに会える」と聞いてやって来たが、その歓迎は随分と荒いものだった。
…もっとも男にしてみれば望むところ。手近なパイプを掴むと無造作に振り回し、歓迎会を楽しんだ。
「無視してんじゃネェよ!俺ァは無視されるのが一番キライなんだ!」
「…手前ぇが面白いモノか?」
「面白いかどうかは兄ちゃん次第だなぁ…兄ちゃんのカッコは面白ぇがよ?」
そう言われた男の格好…蛇柄のジャケットにレザーパンツ…鋭い目付きも相まって正に「蛇」そのものだ。
「イカれた紫のスーツを着たヤツが人のジャケット、どうこう言うか?…イラつくぜ…」
紫の上下に緑のシャツ、毒々しいコサージュを飾った男…ジョーカーはその言葉を聞くと狂ったように笑いだす。
「イーヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!ホーホホホホホホホホホー!!」
「何笑ってやがる…鬱陶しい!!」
蛇男…浅倉威は手にしたパイプを振り回す。
「消えろ」「消ィえなァ♪」
2人の間に爆発が起きる!!
爆風に煽られてジョーカーが転がり出てくる。
「ヒヒヒヒヒヒー♪ちょーっとばかり近すぎたかー?…まぁいい」
自身も傷を負っているのにジョーカーは爆炎に近づく。
「どれ、どうなった?」
「…ふざけやがって…」
「おーおーおー…生きてやがる。手品師か兄ちゃんは?」
「手品が望みなら見せてやるぜ…代金は」
「俺の命かぁ!?止めろよ古くせぇ!もっと気の効いた殺し文句を…っとっと!?」
煙が薄れてきた中から現れた浅倉は姿が変わっていた。蛇柄のジャケットが肩口からズルリと落ちる。
「おいおいおいおい!!脱皮かよ!?しかも紫だと!?人のパクってんじゃネェよ兄ちゃん!」
「その口、どうしてほしい…?」
「あん!?口?俺の口がどうだって?」
「縫い付けるか更に裂くか…好きな方、選べ」
「へっ!どっちもお断りだね!俺のチャーミングな口に文句なんか無ぇだろ!?ギャハハハハ!」
「縫った後で裂くか…」
「ぶつぶつ言ってんじゃネーよ根暗パクり蛇がぁ!」
最悪最凶の対決が始まろうとしていた。
毒蛇か道化師か…どちらが勝っても街に取っては良いニュースになどなろう筈もないだろう。
バットマン×龍騎その2
王蛇×ジョーカー編
この2人ならこうなるのは分かりきった話ってことで。
ちなみにジョーカーの声は青野武さんVer.想定です。
うちが小学生の頃、朝やってたアニメのバットマンを見て青野ジョーカーがスゴい好きだったのを思い出す
やっぱりジョーカーの声は青野さんでないとね〜。
コメントミスはたまにあるから気にしないよ〜。