「おぅい、兄ちゃんよ?」

そう声を掛けられた男は無視した。

この通りに来る前の酒場で「面白いモノに会える」と聞いてやって来たが、その歓迎は随分と荒いものだった。

…もっとも男にしてみれば望むところ。手近なパイプを掴むと無造作に振り回し、歓迎会を楽しんだ。


「無視してんじゃネェよ!俺ァは無視されるのが一番キライなんだ!」

「…手前ぇが面白いモノか?」

「面白いかどうかは兄ちゃん次第だなぁ…兄ちゃんのカッコは面白ぇがよ?」

そう言われた男の格好…蛇柄のジャケットにレザーパンツ…鋭い目付きも相まって正に「蛇」そのものだ。

「イカれた紫のスーツを着たヤツが人のジャケット、どうこう言うか?…イラつくぜ…」

紫の上下に緑のシャツ、毒々しいコサージュを飾った男…ジョーカーはその言葉を聞くと狂ったように笑いだす。

「イーヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!ホーホホホホホホホホホー!!」

「何笑ってやがる…鬱陶しい!!」
蛇男…浅倉威は手にしたパイプを振り回す。

「消えろ」「消ィえなァ♪」

2人の間に爆発が起きる!!