また拾って来ました。
この間のやつの第二弾。


*前から紡ぐも後に続けるも、好きにして下さい。
*大意の変わらない言葉の変更は自由。
*順序入れかえも自由。
*テーマは【窓】。

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「はなみち」
小さく名前を呼ぶとあれはゆっくりと振り返って虚ろに笑った。
綺麗だった飴色は今は真っ黒になっていてまるで穴があいているような気分にさせる。
はな、ともう一度名前を呼んでもあれは笑うだけだった。
もう長い間声を聞いていない気がする。
声を聞かなくなってどれくらいたったのだろうか。
今の花道にはまっすぐに切り取られたちっぽけな世界しか残っていない。
はじめからこうすれば良かったと思う。
だって向こう側に広がる世界なんてはじめから要らなかったのだから。
あんな世界があるから花道の瞳にいらないものが映るのだし、あんな世界で翼を手に入れたから遙か遠くへ飛び立ってしまいそうになるのだ。
だから内に閉じ込めた
こちら側には俺とおまえとたった一つの小さな窓。
そこから見えるちっぽけな世界が花道のすべてで、そこから見える狭い空を花道はいつも飽きること無く見つめている。
「飛行機雲だ」
突然、花道が言った。
久しぶりに声を聞いた。
思わず、え?と聞き返す。
「見て」
花道がたった一つの小さな窓から見える狭くてちっぽけな景色を指差して笑った。
寒気がする程綺麗に笑った。
瞬間、世界が染まる
あれはああやって全て俺の全てを赦すのだ。

*****

ありがとうございました。




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今回はちゃんとテーマに添えていますでしょうか。
このバトン好きかも知れない。
でもどうしてもSSになってしまう。