炎豹コンビでSSをば。
騎馬訓練ネタです。ちょっぴりシリアス、かな?
アネットはすぐに無茶苦茶なことをするので、
アレクは多分心配がたえないだろうなぁ、と思って。
そんな彼のことも少し理解しなさいね、アネット(何)
というか、最近本当にこのペア書くのが楽しいです。
元気で無鉄砲で、でも仲間思いな子…書くの楽しいんです。
でもどんどんアネットの口調が崩れてる罠←
ともあれ、追記からどうぞー!
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主に創作について語ります。 バトンをやったり、 親馬鹿トークを繰り広げたりします。 苦手な方は、どうぞ戻ってやってくださいませ! (私のサイト「Pure Rain Drop」) → http://id35.fm-p.jp/198/guardian727/
炎豹コンビでSSをば。
騎馬訓練ネタです。ちょっぴりシリアス、かな?
アネットはすぐに無茶苦茶なことをするので、
アレクは多分心配がたえないだろうなぁ、と思って。
そんな彼のことも少し理解しなさいね、アネット(何)
というか、最近本当にこのペア書くのが楽しいです。
元気で無鉄砲で、でも仲間思いな子…書くの楽しいんです。
でもどんどんアネットの口調が崩れてる罠←
ともあれ、追記からどうぞー!
雲一つない青空の下。
広い広い丘の上に並ぶ、白馬の群れ。
その上に乗っているのは、白い騎士服を身につけた騎士たち。
「皆揃ったな?」
そう声をかけるのは、炎豹の統率官。
今日は炎豹の騎馬訓練の日だった。
普段でこそ、自らの体だけで戦う彼らだが、
遠方の任務に赴く時には大概馬に乗っていく。
その途中で魔獣や盗賊に襲われればそのまま戦わざるを得ない。
馬に乗ったまま戦う技術を持つことも、騎士たちにとっては重要なことだった。
殊更、普段はあまり馬に乗らない炎豹の騎士たちにとっては。
「とりあえず馬に乗ったまま、剣をぶつけ合え!
俺たちの馬はちょっとそっとじゃ傷つかない。
思い切り体ごとぶつかって行ってもいいが、魔術はなしだ!
じゃあ、始めろ!」
大きな声と同時に馬たちは駆け出す。
そのまま各々目についた相手に斬りかかっていった。
カンカンッと響き渡る金属音。
ぶつかり合う金属の音の大きさに、アレクは目を細める。
と、その時一人の騎士が目に映った。
「こらアネット!お前また無茶苦茶な馬の乗り方しやがって……!」
アレクは思い切りそう叫んだ。
彼の視線の先にいるのは赤髪の少年。
馬に乗って丘を駆け回っている。
ほかの騎士たちも同じように馬に乗っているが、
彼ほど派手に動かしている者はいない。
手綱を強く引き、鞭の代わりに足を使い、素早い方向転換をさせる。
片手で手綱を握ったままもう一方の手で剣を握り、相手に斬りかかる。
その勢いに負けて数人が剣を取り落としていた。
「おい、あんまりスピードつけっと落ちるぞ!!」
落馬は騎士でも怖い。
落ちた時に打ちどころが悪ければ命に関わるし、
走り回るほかの馬に踏みつけられる危険性だってある。
それに、今は訓練だから大丈夫だが、実際の戦場であれば落ちたところ敵に襲われる。
それなのにもかかわらず、あの赤髪の少年は落馬を恐れず、
広い高原を勢いよく馬を走らせているのだった。
アレクはロデオのごとく馬を操るアネットを見て溜息を漏らす。
風のように。
嵐のように。
草原を駆け抜ける、アネットの馬。
アネットは彼の声が聞こえたらしく、顔をあげる。
大丈夫、とその口が動くと同時、ぐらっとアネットが乗っていた馬が傾いだ。
勢いをつけすぎた挙句、あまりに勢いよく手綱を引いたからだろう。
よく訓練されている魔力を有した生物である馬は直ぐに体勢を立て直す。
しかし、その上に乗っている人間には一溜りもない。
勢いよく体勢を戻した馬に振り払われて、アネットは勢いよく落馬した。
「ぐ……っ!」
アネットは落馬した際に体を打ち付けて、小さくうめき声を上げる。
馬は割と背丈が高い。
挙句、あのスピードで振り落とされたようなものだ。
アレクは"あのバカ……!"と呟くとほかの馬の間を抜けて、彼に駆け寄った。
地面に叩きつけられた彼は痛みに顔を歪めてはいるが、意識はあるらしい。
「アネット!大丈夫か!?」
「っいってぇ……」
アレクはほっとした顔をしつつ、小さく呻くアネットの頭を強く小突いた。
「痛いに決まってんだろバカ!
おまえはどうしてそうやってすぐに調子にのるんだよ」
「う、すんません……」
アネットは苦笑して、体を起こした。
アレクはそれを支えてやりつつ、"何処をうった?"と訊ねる。
少し首をかしげてから、アネットは苦笑した。
「わかんねぇっす……落ちたな、って思ったら全身痛かったんで」
「おいおい……頭うったりしてねぇだろうな?」
心配そうな顔をするアレク。
もし頭をうっているようだったら、命に関わるおそれもある。
今大丈夫でも、後ほど異常が起きると言うこともありうるからだ。
しかしアネットは苦笑を浮かべて、言った。
「これ以上俺がバカになったら困るからっすか?」
「や、そうじゃねぇだろ」
アレクはアネットのとぼけた発言に呆れ顔。
でも、そんな返事をした段階でそこまで大事にはなっていなさそうだ。
とはいえ、ほうっておくわけにはいかない。
「腕は動くか?足は?捻ったりしてねぇか?」
「大丈夫っすよ。ちょっと打ち付けたとこはいてぇけど」
「頭痛いとか気分悪いとかはねぇか?」
「平気っす」
ぐるぐる、と首を回して見せるアネット。
ひとまず大丈夫そうだな、と息を吐いてから、アレクはアネットを立たせた。
「とりあえず、ジェイドのとこいくぞ」
「え!?俺、平気っすよ」
「平気じゃねぇかもしれねぇからだろうが。
何かあってからじゃ遅ぇんだよ。ついでに俺がジェイドに叱られる」
そう言いつつ、アレクはアネットを引きずっていこうとする。
アレクは"平気っすからぁ!"と暴れるアネットを見て溜息を吐いてから……
「よ、っと」
「!?な、何するんすか、アレク様……!?」
ひょいっと軽くアネットを持ち上げるアレク。
アネットは驚いた顔をして目を見開く。
そうして抱き上げられることなどそうそうないからだろう。
「何って、お前が暴れるからだろうがよ。こうしねぇとお前逃げそうだからな」
に、とアレクは笑う。
アレクなりの仕置きのつもりだった。
アネットはすぐに無茶をする。
これくらいの羞恥を感じさせれば少しは懲りるだろう、と思って。
「アレクさ……」
「うっせー、行くぞ!」
アレクはそのままスタスタと歩き出した。
流石は炎豹統率官。
ほかの騎士よりずっと力がある。
アネットは暫く文句を言っていたが、やがて黙った。
その理由は、唯一つ。
―― 自分を抱き上げているアレクの腕が僅かに震えていたから。
心配は、通じた。
自分の無茶が彼を心配させたことにも、気づいている。
アネットは小さな声で"すんませんでした"と謝った。
―― 無茶と謝罪と ――
(そう、心配したんだよ。
お前らは全員可愛い可愛い部下で、可愛い可愛い仲間だから)
(事情を聞いたジェイド様の説教よりも
アレク様の心配そうな表情が俺にとっては大きな反省材料だった)
性 別 | 女性 |
年 齢 | 29 |
誕生日 | 7月27日 |
地 域 | 静岡県 |
系 統 | おとなしめ系 |
職 業 | サービス |
血液型 | AB型 |