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ムカついたから主足(意味不明)

46度ずれた兄妹…妹編・三十

『モスキートウイルス』
5年程前に一時期流行ったコンピューターウイルス
感染するとデータを吸い出しネット上に無作為にデータが流出してしまう物
しかしウイルス自体は脆弱でワクチンプログラムはすぐに配布され大規模な感染には至らなかった

表面上では、の話しだが…
『モスキートウイルス』の本当の恐ろしさは感染、駆除した後だと気がついた時には既に遅かった



仔鞠が部屋に閉じこもって早三日
食事は用意してあるがまともに口をつけた形跡がない
そして部屋から聞こえてくるのはひたすらキーボードを叩く音
いつもピアノを弾くようなテンポの良い音じゃない
ガチャガチャと少し乱雑に叩く音
モスキートウイルスが流れてからというもの怖くてネットを見ることすら出来ない
勿論携帯からもだ
モスキートウイルスは確かに脆弱なウイルスだが感染力は計り知れない
ウイルスとはほぼ無縁の携帯にすら感染してデータを吸い出してしまう
そしてそのモスキートウイルスの本当の意味で恐ろしさを知っているのは現時点で僕と雅弥だけだと思う
そしてモスキートウイルスを作り出したのは…
どうこうしてるうちにマグカップに入れたコーヒーは温くなっていた
雅弥は今仕事でいない
が、やはり今回の騒動が引っ掛かったようで何度もこちらに連絡がきた
仔鞠にも連絡をしてるようだが携帯は電源が切られ
PCメールも返答なしだそうだ

モスキートウイルスは確実に仔鞠が作っていると断言していい
なによりもあんなえぐいウイルスを作れるなんてたかが知れている
モスキートウイルスの本当の恐ろしさは駆除した後に起こる
吸い出されたデータがネット上に流布されるのはもちろん
ウイルスが駆除された後に発動する別のプログラムで
じわじわとPCをクラックしていく
そして最終的には全てのデータが飛んでPC自体二度と使い物にならなくなる
所謂ただの箱に成り下がると言うことだ
世間的にはモスキートウイルスと呼ばれているが
プログラマーの間では『マラリアウイルス』と呼ばれた
確実に死に追いやるコンピューターウイルス史上最悪のウイルスだ
これがもし世界中に蔓延したらと思うとぞっとする
仔鞠は平気でそういう事をしかねない
ただ、そういう事をするのは自分自身を守る為だけにしかしないが
ということは何かがあったのだろう
仔鞠自身を傷つける何かが
ぼんやりと思案しているとインターホンが鳴った
液晶画面に映ったのは仔鞠が愛してやまない人
沈痛な面持ちで仔鞠と話しがしたいとだけ言った



8月から書いてなかった…
もう三十も書いてたのか…

46度ずれた兄妹…妹編・二十九

日野神紅煉(ひのかみ こうれん)
パッと見それなりに調った顔立ちに
それに釣り合う身長と体格
所謂『イケメン』と言われる部類に入る方だ
物腰は柔らかく性格も紳士的であり
まるで漫画やアニメに出て来そうな『いかにも』といわざるおえないほどのいい男である
そんな彼にも弱点はあった

女性恐怖症で腐男子という普通の人間には言えない弱点が

仔鞠と出会ったのは5年程前で男友達からの紹介だった
第一印象は普通の子
いや、出会いの場所がコスプレ会場の時点で既に普通ではないのだが
大人しくて控えめで、珍しいと感じたのを覚えている
この空間に入ると女子はいかに目立つか、いかに人に良く見られるかと必死になるものだとばかり思っていた
美人や綺麗処、カッコイイと思われる者の周りには自然と人が集まってくる
紅煉もその例に漏れず気がつけば壁際に追い詰められ
見知らぬ女子達からの黄色い悲鳴が聞こえてくる
連絡先を一方的に押し付けられ媚びより擦り寄ってくる
いい加減ウンザリだと何度思ったか
ただ自分はただコスプレをしたいだけなのに
好きでもない所在の知れない女子とくっついたり
所謂BL絡みの写真を撮られなければならないのかと
こんな事を同性に言ったら嫉妬の言葉が返ってくるのは火を見るより明らかで
いっそ辞めてしまおうかと思った程である
仔鞠もそんな感じで自分に擦り寄ってくるだろうと思っていた

だが反応は予想外の事だった
彼女はイベントが終わるまで始終仲間と一緒には居たが自分のピン写や
作品のイメージにあった写真しか撮らなかった
その上こちらから連絡先を渡さなければ連絡先を教えてくれなかったのだ
後から仲間から聞いた話で若干の男性恐怖症であって
二次元と三次元をきっぱりと別けて考えているという事を知った

何度か交流を交えて二人だけで遊びに行ったりもした
その時も仔鞠は大人しくて今までの女の子とは違っていた
今までの子は嫌と言うほどアピールをしてきた
(勿論全部お断りしたが)
思い切ってある日仔鞠に聞いた
仔鞠にとって自分はどういう存在なのかと
告白?と返されたのであたふたとなりながら事の経緯を話して
仔鞠はふむとミルクティーのカップを置くと一言

ただのイケメンには興味ないんだよ

ある種強烈な言葉であった
辛辣な言葉にとられそうだが
それは彼女いわく人は見た目で判断しないという意味もあった
そこから急速に関係は進み、彼氏彼女…ではなく
性別を越えた親友という男女間に友情は存在するのかなどと論議はまるで意味を持たない程に仲良くなった
まぁ街中歩いてるとカップルに間違われたりするが
互いに説明がめんどくさいという事でそんな風に認識されている
(後で私の彼氏は立貴君だとぼそりと呟いているが)
それが仇となったのは暫く経ってから
ネットの利便性は良いものだが良くない一面もある
仔鞠が運営していた個人サイトが酷い荒らしにあった
言われのない誹謗中傷に彼女のなりすまし等吐き気がするほど気持ちが悪かった
そしてサイト閉鎖と仔鞠の精神を破壊する程に酷くなった
犯人はおおよそわかっていた
自分のファンだと追いかけ回してくる胸糞悪い女子連中だと
人を見た目だけで判断し、自己願望を人に押し付け、
気に入らない他人を簡単に蹴落とし踏みにじる最低な奴ら

大丈夫
仔鞠が小さく呟いた
慣れてるから、平気 だと
光を失った精気の無い虚ろな目で仔鞠自身の痕跡をネット上から淡々と消していった
紅煉君は、何も悪いことしてないから、
気にしなくていいから
全部あたしが悪いから
うわごとの用に繰り返し言う仔鞠に何も言えなかった
それから仔鞠のコスプレはぱたりと見なくなった
イベント会場にも来ることが無くなった
なんだかぽっかりと穴が空いた気分だった
男女としての付き合いはまったくなかった
一緒にご飯食べに行ったりゲームしたりしただけなのに
暫く経って仔鞠を叩いたのに我関せずと擦り寄ってきた女達に
大勢の人間の前でマジ切れして泣かせたのは別の話
別になんと言われようとよかった
大事な親友を傷つけられたのはどうしても我慢ならなかったから
その後女達の悪事がバレて逆に叩かれるハメになっていたが
それは俺の知った事ではない、因果応報だ

同人活動を再開した仔鞠の新しいサイトは驚くほど何もなかった
サイト説明にオフライン情報、素材サイトへのリンク
そしてイラストが一枚だけ
本当に情報だけといった感じで
掲示板も、日記も、プロフィールも、連絡先も
仔鞠だとわかるものは何もなかった

SNSだけが仔鞠とコンタクトを撮れる場所になっていた



ここまで書いて疲れた←
というか私の文章の最後、『た』が多過ぎる…
ちょっと本読んで勉強せななー…
あ、サイト炎上とか叩きはフィクションですよ
紅煉(こうれん)にモデルは居ません
紅華(べにか)、深紅(みく)と紅が名前に入ってるキャラで三紅にしたかったので作りました←

46度ずれた兄妹…妹編・二十八

終わった…長い戦いだったように思えた
仔鞠のスペースで出していた既刊、新刊は綺麗に掃けて買えなくてしょんぼりとしながら帰って行く子が結構居た
かなりの部数を持ってきたが流行りのジャンルだったらしく
開場からお昼過ぎには殆ど無くなっていた
仔鞠は買い物をしつつ次のイベント参加の申し込みと
売れ切れてしまった本の増刷を印刷所に頼みながら
ベッドの上に戦利品を並べて読んでいる
ちなみに何故か紅煉君も一緒になって読んでいた

紅煉君は僕が仔鞠に出会うより昔から付き合いのある親友だと聞いた
男女間の友情は成り立たないと思っていたが
仔鞠と紅煉君はそれが成り立っていた
仔鞠はただのイケメンには恋愛感情を抱かないし、
何より他人との関わりを嫌う
紅煉君はイケメンの部類に入るそれで迫ってくる女の子は後を絶たない
顔だけで迫られてくるうちに次第に女性に嫌悪感を抱くようになったらしい
そんな中顔だけでなく一人の人として仔鞠が紅煉君と付き合って行くうちに二人の間には友情が生まれたそうだ

部屋の一角には白い大きな花弁の芙蓉の鉢植えがある
あたしのおじいちゃんが好きだった芙蓉の花
スペース名も芙蓉と何年も続けて使っている
菊の花も好きだったなぁなんて思いながらカレンダーを見る
そういえばお盆だったなぁと思いつつ芙蓉の花弁をそっと撫でた
鑑賞用の菊を育てていたおじいちゃん、
その側をぴったりくっついて離れなかった子供時代
菊は嫌いではないけどあまり好きではない
菊の香りは死者の臭いがする
友達の親族のお葬式の時、棺桶の中に敷き詰められた菊の香りは
手について暫くきえなくて、背筋がぞくりとしたのを覚えている

「小さい頃、植物人間とは人がお花になる事だと思っていた」
仔鞠が突然突拍子もない事を言い始めた
なるんだったらチューリップやたんぽぽがいいななんて考えてた時期もあった
でも違うのね
酸素や栄養やお手入れが無ければ死んでしまう、
それが植物人間だと知ったのは中学の頃
つぅ、とか細い手が頬を撫でる
もしハルから私という栄養と酸素とお手入れを取り上げたら
ハルは植物人間になるの?
光を映さない瞳が僕の目を見つめ…

「アホくさ…」
読んでいた本を整理しながら
ガシガシと頭をかきながら仔鞠が呟いた
「どうかしたの?」
サイドテーブルに冷たい紅茶を置いて仔鞠に尋ねる
「ちょっとコミケ後に起こる病気だよ」
それだけ言って仔鞠は紅茶をぐびぐびと飲み始めた



仔鞠は妄想で自分×ハルを想像してしまったようです←

46度ずれた兄妹…妹編・二十七

「サマーウォーズいいなー劇場で見ればよかった」
旅行用の大きめなキャリーケースに着替えやお土産
その他もろもろを詰め込みながら仔鞠はテレビで放送されてる映画を見ていた
「大分人気だったからねぇ」などと相槌をうちながらせっせとハルも旅行の支度をしていた
ブルーレイ買おうと携帯片手に予約注文
カズマ可愛いよカズマと萌え萌えしている
終いにはカズマのお姉ちゃんになりたいとか騒ぎ出してるし
「しかしOZか…あったら便利だよね」
SNSは多々あれど現時点でOZ程のSNSは存在しない

「作れない事もないよ」
ぎゅうぎゅうに詰まったキャリーケースをなんとか閉じて仔鞠は平然と言った
「おにーやんの創造とあたしの想像とあんたの操像がありゃできる」
「いくらなんでも無理だろ」
ため息をつきながらバタンとケースを閉じた
「うんにゃ、出来る。ただ問題をあげるとするならば…」
「するならば?」
「管理がめんどくさい」
「…さようですか」
管理くらい下請でも頼めば出来るかもしれないが
自分の物は自分で管理するという主義故か

テーブルの上にメモを残し
「いざ、合戦の地へ出陣!!」
荷物のキャリーを僕に押し付けてさっさとエレベーターホールへと行ってしまった
ちなみに仔鞠がいう合戦の地とは年に2度
国際展示場で行われる巨大同人即売会の会場の事
この時期になると仔鞠は会場近くの会員制マンションというなの別荘に移る(ちなみに年会費は最低700万から)
突発本出そうかなぁとか車中言っていたが
また徹夜で肌死ぬから止めなさいと釘を刺しておいた

仔鞠は同人作家としても知られている
仔鞠はスペースに殆ど居なく、買いあさっては戦利品を箱にしまって別荘で見るのだ
売り子は毎回僕と仔鞠の友達の紅煉君
今回は壁際で助かった
前は炎天下の下でやって次の日日焼けで死んだ記憶がある…
紅煉君に居たってはコスプレしたままだったから熱射病になりかけてたし…
また地獄の季節がくるのか…
そう思いながら車を運転していた



会員制マンション型別荘がビックサイト付近にあるのも
年会費も実話だよ!!
しかし私は会員でもないし同人作家でもないよ!!←
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