皆さんどうもこんにちわ、こんばんわ。


引っ越してからずっとフローリングに直座りしてダンボール箱の上でご飯を食べている筆者です。


今日はちょっと日帰り旅行の話しでもしてみようかと思います。


写真が多いのでPC閲覧推奨。






《プロローグ》


編入試験を受ける友達に御守りを買おうとしたら、『その前に、なんかお前は呪われてそうやから滝にでも打たれてきてくれ(笑)』と言われた僕。


もちろんその友達は冗談でこう言ったわけなのだが、額面通りに受け取って滝行してみるのもオモロいかも的発想が僕の頭に浮かび、早速別の友達に連絡。計画を練りに練って、遂に計画を実行に移す日がやってきた。






《本編》


神戸に引っ越してから二週間近く経ちましたが、まさかこんなに早く姫路に帰ってくることになろうとは思ってもみませんでした。


それほど懐かしくない駅に降り立ち、それほど懐かしくないロータリーに向かい、それほど懐かしくない面子を見つけます。


この日に予定が合ったのは、突出した才覚があるのに怠け癖のせいで京大に滑りまくる2浪生と、ミュージシャンを夢見て就職一年で脱サラした現在無職と、単位が足りないと良いところに就職できないからといって積極的に留年したプロ雀士でした。


いやはや、こんな計画に嬉々として参加するコイツらは本当にわけのわからない阿呆だと思います、はい。


僕を含めた4人は車に乗り込み、播但線を通って北に向かいます。


尽きることない馬鹿な会話に笑い声をあげながら車を走らせること数時間。ど田舎の風景のなかで迷いつつ向かったのは、神鍋高原付近にある八反(はったん)の滝というところでした。


ようやく看板を見つけ、路肩に車を止め、荷物を持って滝へと向かいます。どうやら八反の滝は、看板の先の半ば崖になったようなところを下っていった先にあるみたい。


看板の先のずっと遠くに、八反の滝がちょこっとだけ見えました。





あれー、デカくね?



(予想外の大きさに笑うしかないメンバー)


実は滝行というのは意外に危険なもので、水圧で首を痛めたり、下手すると骨折したりもするので、たいてい滝行をする滝の落差は2〜3メートルで、水量もそれほど多くないのが普通なんですが。


ともあれ、はやる気持ちを抑えきれず、険しい道を若干転びそうになりながら下っていくと、ようやく滝の全貌が見えました。




一同、堪えきれずに大爆笑。


どう見ても滝行とかいうレベルの滝ではないです。あの暴力的な水量に巻き込まれたら最後、水圧で全身総骨折か、滝壺に沈められて死んでも浮いてこられなくなりそうです。


しかし、僕らは諦めませんでした。とりあえず着替えを済ませ、滝に近付けるところまで近付いてみることにしたのです。


でも近付くにつれて、波で体が強く押し戻され、水しぶきのために呼吸困難になり、また、ある境界線を越えると水が急激に冷たくなることが判明し、さすがに命の危険を感じ取った僕たちは、残念ながら挑戦を断念することにしました。


『くそー! けどアレは流石に無理すぎるわぁ』というのが4人全員の見解でした。けれど、長い道のりをはるばるやってきておいて、このまま引き下がるのは悔しすぎます。


もはや受験生の友人のために身を清めるという当初の目的は半分忘れられていました。意地になった僕らは、八反の滝の上流にある別の滝に向かって車を走らせました。


しかし今度は八反の滝よりさらに無名の滝なようで、看板がなかなか見つからず、やっと見つけた看板も嘘八百を書いていたりしたので、ようやく目的地を見つけた僕たちの顔には随分と疲労が現れ、体が鉛でできているかのように重く重くなっていました。


お墓の前に車を停めさせてもらい(幽霊さんゴメンナサイ)、椎茸畑を抜け、鬱蒼とした森を進んでゆくと、あったあった、俵滝です。


滝の前の中洲に降りられる人工の道がなかったので、僕たちは鹿かと思うくらいの不安定な岩場を飛び跳ねつつ進み、中洲に辿り着いて真正面から俵滝を眺めました。





いけるかも。


水量はどう控えめに見ても多すぎなんですが、でも八反の滝なんかよりは随分ましです。


僕らは再び着替え、滝壺へと進軍していきました。すると、たしかに滝壺からの波と水しぶきはすごいものの、水の中に足場があるし、どうにかうまくいきそうな感じがしました。


後ろ向きに進みながら、思い切って滝の下に入ってみます。





あ痛たたたたたたたた!


水の塊が、まるでヘビー級ボクサーの連続パンチの如く、雨あられと僕の頭と体に打ちつけます。


でも耐えられる。大丈夫!


水の壁に息ができなくなりながらも、なんとか数分間滝の下で足を踏ん張りました。





滝行を終え、中洲に生還した一同の感想は『コレ気持ちいいやん!』でした。どうも水パンチがマッサージのように機能したらしく、水から上がった僕らの体は羽のように軽くなっていました。


みんなが『俺もっかい行く!』といって身を翻し、喜んで滝に打たれに行く始末。しまいには『この企画はシリーズ化すべきやな』という意見まで出てくるほど、僕たちは滝行の虜となっていたのでした。


身も心もすっかり癒やされ浄化された僕たちは(若干一名がソッコー泥に片足を突っ込み『滝なんてクソや!』と叫びましたが)、行きで見つけた温泉に立ち寄って温かいお湯にため息をもらし、晩ご飯を食べて、人生において最も清らかな精神で帰路に着いたのでした。


(帰りの車中で、煩悩の塊のようなSEX談義に花が咲きまくったのは秘密です)






《エピローグ》


僕たちが姫路にたどり着いた頃には、この小旅行が実は受験を控えた友達のためのものであったことを、すっかり忘れていたのであった。


ちゃんちゃん。






《おまけ》



(八反の滝のあまりの迫力に心が折れかける筆者背影)















P.S.



我々チームメンバーは特殊な訓練を受けています。


死にたくなかったら決してマネをしないでください。