原題:Notes on a Scandal
監督:リチャード・エアー
脚本:パトリック・マーバー
撮影:クリス・メンゲス
音楽:フィリップ・グラス
製作国:2006年イギリス映画
上映時間:1時間32分
配給:20世紀フォックス映画

ジュディ・デンチ、ケイト・ブランシェット、ビル・ナイ、トム・ジョージソン、マイケル・マロニー


たまたまWOWOWでやってたのを見ただけだけど、面白くてどんどん引き込まれた。

最初からジュディ・デンチの視線で、ずっと心の声みたいなものが語っていて、なんとなく作品全体に不気味さが漂ってる。
「このおばさんなんかあるな‥」って思っていたら案の定怖い人だった!
ジュディ・デンチ視線だから、狙われてる女の人の気持ちとか恐怖はあまり描かれてないんだけど、それがかえってなんとも言えない不気味さを生んでる気がする。
観客はずっとジュディ・デンチ側で見ていて、ある時、「自分が見ているこの女はもしかして危ないんじゃないか」と気付かされてハッとする。
普通だと思って見ていた女に突然生まれる疑惑、それまでは孤独な彼女の気持ちに少し同情すらしていたのに、騙されたような感覚、狂人に同情していたという恐怖、ずっと作品を漂っていた不気味さはいきなり爆発する。
そして完全におかしい彼女には何を言っても無駄で、また悲劇は繰り返される。

スキャンダルはたいした問題ではなくて、そのスキャンダルに関わるもっと他の事が重要だった、っていうね。
いい意味で期待を裏切られた作品だった。
こうゆう何気ない中に潜んでいる恐怖が一番怖いと思う。
ホラー映画よりも怖い。

でも若い綺麗な女の人ばかり狙うのはなんでなんだろう。
そこにもジュディ・デンチの心の闇というか、病んでる感が出てる。
自分が憧れている女性、妬ましい女性に近づいて、自分無しではいられなくしようとする。独占しようとする。
ジュディ・デンチの不気味な演技はさすがだった。
音楽もずっとひかえめで感情がない感じで、不気味さを際立ててた。

偶然にいい映画に出会うとすごく得した気分。