いやよ いやよ と 首を振る


君の肌を 舐め回す


私のざらつく 舌の上


君の濡れた 声が乗る


朝焼け 鈍く 背を照らす


宵の月は 水面下


嗚呼


鳴いたのは 朝告げ鳥


啼いたのは 君の咽


私の腕を かいくぐる


飛び出た先 あるのは


空か 大地か 海か


飛べるのか 風切り羽根を失った翼


走れるのか 歩くことを忘れた脚


泳げるのか 尾鰭を無くした体


逃げろ 逃げろ


お前の本能 消え行く前に


私の爪 再びその背に 傷を付ける前に