話題:二次創作小説
妄想って素晴らしい…ありえない設定ですが、了承お願いします!
追記にSSです!
あきれるくらいに大きくて、あきれるくらいに小さくて……あきれるくらいにバカな人。見てても飽きない変な人。
大きいっていうのはおかしいかもしれないわ。背だって私の回りに居る人達みたいに高くは無いし、結構つまらない事ばかり言ってるし。
「俺ァ壊すぜ。例えお前がここに居ようともな」
大きいけど小さい人。小さい事ばかり言うバカな人……私の平凡を奪おうとする変な人。
「銀さんや桂さんとお友達だったんですね。言ってくれれば良かったのに」
「言ってどうなるってんだ?それに奴等とはもうなんの関係もねェさ」
真っ暗な夜に同化する彼は、やっぱり私の手の届かない人だと改めて感じる。
いつ会っても最初の頃と何も変わらない。絶対に届かない距離に彼は居る。静かに、静かにそこに立っている。
「いつもいつもこんな橋に立っていますけど、アナタ暇なんですか?」
独特の笑い方で私を見下して彼は笑う。
答えは言わない。言ってくれない。自分で考えなくてはいけないみたいだ。
「どうしてそんなに寂しそうなんですか?」
この答えに彼は笑ってはくれなかった。寂しそうに見えるのは私の気のせいでは無かったようで、よりいっそう目が冷たくなるのが良く分かる。
触れてはいけない境界線を私は今、飛び越えようとしている。
「どうして私を見てはくれないんですか」
最初に会った日に一度だけ振り向いてくれた。夜中の橋の上で、明るい街頭に照らされる彼に声をかけた……あの日だけ。
あれから橋の上に彼がいるたびに声をかけているのに、振り向いてくれたのは……。
「こうやってようやく横に立てたのに、アナタは私を見てくれない」
二人で橋に手をかけて、川を眺めて、特にこれといった内容の会話もしない。
何も彼は答えずに、今日も彼は帰って行く。何も言わずに、去って行くはずだった。
「いつも見てるさ。いつも川を見てる」
驚いた。いつも彼と私を照らす光は川に私と彼の姿を映していた。そんな事あり得ていいのかしら。
次会う時は、私も川越しに彼を見よう。そしたらきっと……目が合うわ。