「土方さん。ちょっと抜けます」
「何が"抜けます"だ!ちょ、こら!いい顔して行くんじゃねぇ」
毎日同じ時間に川の見えるベンチに座る。理由は特に無い。誰かに会うって訳でも無いし、何か決まった事が起こる訳でも無い。
「お前また来てるアルか。暇人だな、税金ドロボー」
「毎日毎日良くも同じセリフ吐けるな。ガキの相手は疲れるから嫌なんでィ。早く消えな」
誰かに会うって訳でも無いし、何か決まった事が起こる訳でも無い。
「うるさいネ!毎日毎日同じセリフを吐かされるコッチの身にもなれヨ!今日こそお前が消えるネ!」
「おま!いきなりパンパンパンパン発泡してんじゃねぇ!今日こそ決着つけてやらァ!」
何か決まった事が起こる訳でも無い。
「総悟のヤツ今日も楽しそうにチャイナと遊びやがって」
「沖田隊長と本気でジャレれる相手なんてあの娘くらいです。見逃してあげましょうよ、副長」
「…何かお前に言われっとスゲー腹立って来た。そこに立て、山崎。斬ってやる」
「えええ!そんな自分が沖田隊長に相手されなくなったからって八つ当たりはせんでください」
「お前いっぺん死ねばあああ?!」
「神楽ちゃんまた遊びに行っちゃいましたね。遊び相手があんな教育に良く無い人でいいのかなぁ?」
「まだ若いだけいいんじゃね?長谷川さんに会いに行ってるよりは教育に良いだろ。SだのMだのってのはそういう遊び相手から学んでいくもんなんだよ」
「いや、その点はもう銀さんから学びきってると思うんですけど」
「んな事ねーよ?アイツすでに初登場時には下ネタバンバン言ってたから。俺覚えてるし」
「それ記憶改ざんされてますよ。神楽ちゃん初登場時は今の数倍大人っぽかったですし」
「人なんて雲みてーに変わって行くもんさ」
「何いい顔してんですか。オチつけれてませんよ、オチ」
「今日も決着つかなかったネ。肩擦りむくは、逆剥けむいたら身取れるは最悪ヨ」
「逆剥けはお前が今引きちぎったんじゃねーか。適当な事言ってんじゃねーぞ、チャイナ」
「あー!もう喋りかけんな!傷口に石入ってると痛いんだゾ?いくら治りの早い夜兎でも痛いんだゾ?!必死に取ってんのが見えないアルかコノヤロー」
「……」
「何じっと見てるアル。気持ち悪い。しばらくその視界に私を入れないで」
「悪かった、な」
「……」
「取ってやるから出せよ。腕」
「熱でもあるアルか?何か変なモン食ったアルか?私が変なトコ殴っちゃったアルか?」
「なんでもねーよ。ただ」
「キモチワルイ。しばらく私に近づかないで」
「ただ傷口に石が入った気持ちが良く分かっただけでさァ」