ふと思い立ち
隣町を気まぐれに歩く
厳しく差す斜陽に思うは
じりじりと焼かれる我が身のこと

見知らぬ風景に重ねた
薄れつつある記憶たち

夕日が顔を隠すまで
飽くことを知らないままに
誰もいない家に帰ったあの頃は
世界のすべてがぼんやりとしていた

とてつもなく長い夜と
遊び疲れることのない昼間

輪郭のない不確実なあの日々を
今はただ
愛しく思う













話題:詩