楽しいのでついつい書いてしまってます。大正時代パラレル第三話。
いきなりここで兄さん視点になりますがキニシナイ!(・▽・)b
若干、動き始めていますがやっぱり告白には至っていません。
環さんの素敵な、いちゃらぶイラストに辿り着けるまでは……頑張ります!
追記よりどうぞ♪
※原作とは一切関係ない妄想文です。
※大正時代をモチーフにした、パラレルSSとなっております。そのため、若干家族構成や生い立ちなどを都合よく捏造しています。あしからずご了承ください。
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高永ひなこ先生作「恋する暴君」の感想ブログです。
楽しいのでついつい書いてしまってます。大正時代パラレル第三話。
【初戀〜戀文篇】
俺の名は巽宗一。進学のため上京し、遠縁の親戚を頼って下宿させてもらっている。
下宿先の森永家には、陸軍士官学校に通う哲博という息子がいた。官僚の長男は独立して家庭を持っているらしく、家にいるのは次男坊の哲博と母親、下働きの夫婦が二人。家主である軍人の父親はたまにしか顔を合わせない。
俺の部屋は、亡くなった父方の祖母が使っていた離れにある。離れは平屋で、部屋が三つと納戸、小さな水屋、便所もついているから、食事と風呂以外は母屋に行く必要もない。そう思っていたのだが、森永家の次男坊が何かにつけ顔を出し、落ち着かないことこの上ない。
大体あいつはなんなんだ。俺はただ静かに勉強をしたいだけなのに、いつもあいつがくっついてくるからなかなか進まない。
それだけじゃない。実家の弟と妹に珍しい菓子を送ってやりたいと思っていたところへ、「ちょこれーとがある」と言われたので部屋へ行ったら鼻血を出しやがるし、無理矢理部屋へ連れて行って鍵までかけておきながら寝こけてしまうし、訳がわからない。
……まあ、あいつの部屋にある本は魅力的だがな……。
「お帰りなさい、宗一さん」
「……ただいま……」
相変わらず帰ってくると俺の部屋にやってきて、何が楽しいんだかにこにこしながら今日あったことを勝手に喋る。普通はそういうのは母親に報告するもんじゃないのか?
「そういえばこの間試験だって言ってましたよね。結果、どうでした?」
「あー、まあ、なんとかうまくいった。さすがに一番じゃなかったがな」
「やっぱり優秀なんですね、宗一さんはすごいなあ」
自分のことでもないのに、目を細めて嬉しそうにしているこいつを見ていると、なんか胸のあたりがむず痒くなってくる。居心地が悪い……。
「お前こそ、毎日遅くまで勉強してるだろう。成績もいいって聞いてるし」
話題を変えるつもりで、そう言い返したら驚いて聞き返してきた。
「え?」
「……え?」
……なんで赤くなるんだ?変なこと言ったか?
「宗一さん、俺のこと気にしてくれてるんですね……」
「はあ?いつも灯が点いてるから、遅いんだなと思っただけだ」
寝る前、障子越しに灯が見える。母屋の二階の角部屋の、窓際に置かれたランプがいつまでも灯っているのだ。気になるといえば気になるのかもしれないが、寝不足じゃないかと心配なだけだ。
「それでもいいです。嬉しいです」
そう言って、にっこり笑うこいつは本当に嬉しそうで、ますます居心地が悪くなる。この空気がたまらなくなって、俺は立ち上がった。
「……ほ、本借りる」
「はい、どうぞどうぞ。じゃあ、お茶入れてから行きますね〜」
結局こいつもついてくるからあんまり変わらんが、少し気分を変えればいいと思って母屋へ行くことにした。
あいつの部屋に入ると壁一面が本棚で、羨ましくなるほどだ。その中から本を選んでいると、少し毛色の違う一冊が目についた。
『はつこい』と題された、他よりも判型が小さく薄めの本。他に紛れて気付かなかった。
「……あいつもこんなの読むのか」
棚から引き出して、少女趣味だと笑ってやろうと頁をめくる。その、頁の間に挟んであった紙片がぱらりと落ちた。
拾おうとして、手が止まる。それは封筒だった。封がされておらず、宛て名も差し出し人も書かれていない。
他人の手紙を盗み見るようなことはできない。しかし、気になることは気になる。
難しい本ばかりの棚に、一冊だけ忍ばされた本。その中の意味あり気な封筒。逡巡して、俺は封筒を開けてしまった。
中にあったのは小さな紙片が一枚だけ。そこにも宛て名はない。
『貴方をお慕いしています 許されるならこのまま 一緒にいたい』
一瞬、息が止まるような気がした。たったそれだけの、何か詩でも写したのだろうかと思ったが。
これはもしや恋文というやつでは?誰が、誰に宛てて書いたものだろう。気になったが、二階へやってくる足音がしたので慌ててそれを仕舞った。
自分の部屋なのに律義にノックをしてからあいつは盆を持って入ってきた。
「はい、宗一さん。お茶どうぞ」
「……ああ、ありがとう」
湯飲みを受け取りながら、俺は目線を彷徨わせた。人の手紙を読んでしまった罪悪感が募る。
「母様に、宗一さんの試験のこと話したら喜んでました。今日はおかずを豪華にするって言ってましたよ」
「えっ…。申し訳ないな、気を使わせてしまって」
「何言ってるんですか!宗一さんは家族の一員なんですから、お祝いするのは当たり前ですって」
「いや……俺は」
「遠慮しないでください。兄が家を出てしまってから、母はずっと寂しそうにしていて。俺も出来るだけ話をしてるんですけどね」
そう言われると、俺は何も言えなくなった。俺の母親は少し前に病で亡くなっていたから、孝行しようにも相手がいない。俺が母を想うように、こいつも想っているのだろう。
「あ……それ」
手に持ったままの『はつこい』を見咎められた。ここは正直に手紙を見たことを謝ろう。
「お前のか?」
「……俺のっていうか……人にあげたんだけど、いらないって言われて。捨てるのももったいないから置きっぱなしなんです」
今まで笑っていた顔が、固く暗く翳った。じゃあ、あの文はこいつが?
「すまない、中にあった手紙……見てしまった」
「ああ、別にいいですよ。あれは失恋の思い出です」
自嘲するような笑顔を浮かべて、やがてそれも消えていった。じっと、真っ直ぐに俺を見つめてくる目は、初めて見る真剣な眼差しだった。
「宗一さんは本気で恋をしたこと、ありますか?」
「……え?」
恋なんて、知らない。
誰かを好きになったこともない。
本気の恋ってなんだ?
こいつはそれを知ってるのか?
こいつに、こんなつらそうな顔をさせてるのが、本気の恋だっていうなら……
俺は恋なんか、知りたくない。
戀文篇、終。
ーーーーーーーーーーー
ちょっと意識してるかな〜、っていうのを書こうとして暗いほうへ行ってしまった……。
実は勢いで告白しちゃう流れも書いたんだけど、兄さんの心の準備が全然ない状態なのでこっちにしました。
ふふ、twitterでCコさんにコマンド選んでもらって、踏ん切りつけて書きました!ありがとうCコさん!
性 別 | 女性 |
誕生日 | 12月14日 |
地 域 | 東京都 |
職 業 | その他 |
血液型 | A型 |
でもまさかこのような使われ方をされるとは。
さすがsyuyuさんですね。
そのまま宗一さんにあげるのだとばかり思ってたので。
山場ですね〜(笑)
森永くんの初戀の相手が気になる様子の宗一さん。
この後の心の動きがとても楽しみですv
森永くんからのラブレター欲しいな〜。
告白まで、ずっと待ってます。
ありがとうございました!
ってか、今回も純情だ。大正だ。あまずっぱいってこういう時使うんだ・・・って思いますよ。マジで。
つぎどうなるか気になる。自分のブログの動向より気になる・・・
また伺います。
PS、森の恋文のセンス、ぶっちぎりで素敵でした!
注目の大正暴君第三話‥
今回も素敵でした〜v
意識し始めた兄さんが
なんとも言えず可愛いですv
ワンコの如くまとわりつく
森永くんも可愛いです(笑)
『手紙見てしまった』って
正直に謝るのがものすごく
兄さんらしくてキュン(*´Д`*)
真っ直ぐだな〜兄さん!
素敵なお話ありがとうございます!次回も楽しみです♪お邪魔しました(^^)
いらっしゃいませ〜♪
やっと出せました!なんかお借りしていた本を返したような感じw
まずは兄さんに意識してもらわないことには始まりませんからね〜。森永くんに、兄さん宛の恋文書いてもらおうかな。
続きもゆるゆる参ります。よろしくお願いします♪
いらっしゃいませ〜♪
いやあ、多少引っ張らないと読者様に飽きられてしまうぞという……
森永くんが無理矢理襲うにも、もうちょっと兄さんに意識してもらわないと逆効果なので超ぴゅあぴゅあ展開でお送りしております。楽しいです。
kimさんのブログ、楽しいですよ!頑張ってください〜w
森永くんの恋文、褒めてくださってありがとうございます。個人的には「許されるなら」ってところで禁断色を出しております。
コメントありがとうございました!
いらっしゃいませ〜♪
可愛い兄さんはもっと書きたいです!もっとぐるぐるさせたい♪
森永くん、次はまたちょっとブラックかな?わんこのが書きやすいけど、あっけらかんと失恋を語らせるわけにもいかないので(^^;)
謝る兄さん、まさにそこ今回悩んだところです。
手紙読まないと進まないし、でも手紙を読んじゃう兄さんてキャラ的にどうなの!?と思って……でもとりあえず書き進めたら、兄さんが自分で謝ろうとしてくれたので「これだ!」とw
やっぱ兄さんは可愛いです〜。
コメントありがとうございました!
初心い!甘酸っぱいよ!
いいな〜。この空気が…。
兄さんは、嘘がつけない人ですものね。
真っ直ぐで、優しい。
意地っ張りだけど。
そこがイイ♪
惹かれはじめてきているのかな〜?
続き続きっと!
ありがとうございました♪( ´▽`)
コメが入れられずで、すみませんでした!
本の間に手紙…
syuyuさん天才です!
何でこんなの考え付くのでしょう…
何か宗一さんがちくって来てますよね…
少しずつ哲博君に惹かれていく宗一さん…
この続き!早く読まなくちゃ!
急げ!!
いらっしゃいませ!
こんな初心な二人で大丈夫か、と思います。だってみなさん官能的な何かをお求めでいらっしゃるような…一人称で書くの非常に恥ずかしいです!(自爆)
宗一さんは気になり出している様子です。このまますり込まれてしまえ。
続きもどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました!
いらっしゃいませ♪
せっかくのモチーフをもっと効果的に使いたいなあと思って、本にプラスアルファしてみました。天才ではないです!
嫉妬の始まりですね〜。多分自覚は全然無いと思います。
コメントいっぱいありがとうございます♪
いらっしゃいませ♪
大正パラレルにもコメントありがとうございます(^^)。
環さんの素敵なイラストがそういう雰囲気だったんですよね〜。
恋愛ものの醍醐味、徐々に恋に落ちて行くのがうまく書ければと思ってます。
大正の森永くんはそれほどブラックじゃないので、余計ぴゅあぴゅあなのかもしれません。
ありがとうございました!