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葛藤

忙しい。
そんなこと、出来ることなら言いたくないし思いたくないし、もっと大変な人だっているんだからこんな私がそう思うのはおこがましいなって思わなくはないのだけれど、1つ言わせてほしい。
私は今、忙しいんだ、とても。



リディア・ヴィンスは、電気の消えた夜中の談話室のソファーに身体を預け、ゆっくりと深呼吸を繰り返した。誰もいない、シンとした談話室。唯一、月明かりがリディアに付き合ってくれている。

「私だけじゃない。みんな大変なのよ」

そう呟いた言葉は、見えない誰かに向かって体を守ろうとしているだけなのはわかっていた。もしくは、自分の中に渦巻く“醜い感情”を綺麗事にしたいだけのくだらない意地。誰に言うわけでもないが、理想の自分になりたい…こうあるべきだ、とでもいうような…欲望に忠実に動いているだけの自己満足でしかない、偽りの言葉なのである。

「ダメよリディア。これ以上はいけない」

人知れず夜中に勉強をしていることも、魔法の練習をしていることも、様々な悩みを抱えていることも、それをストレスに感じていることも、誰にも知られたくなかった。誰にも知られないようにしたかった。しなければならないと思った。

「ダメ、ダメ。ダメだってば」

自分的には、すっごく頑張ってると思う。でも、よくよく考えれば、ただ当たり前のことをしているだけだった。リディアは学生で、未だ未熟な子供なのだ。勉強も練習も、問題を解決させるために悩むのも、リディアの立場ならば当たり前のことなのに。

「こんなことで頑張ってると思うなんて…」

そんな自分が、ちっぽけでどうしようもなく恥ずかしく感じていた。信じていた自分と現実のギャップは、思っていたより大きい。

認めてほしい、と思う。誰かに頑張ってるねって言われたい。褒めて欲しかった。根底にあるこんな欲を自分が持っていることに、リディアは本当に腹がたっていた。

「あーあ、言葉にしちゃった」

今すぐにでも叫びたかった。

「誰か助けて」











最近、傷ついたことがあった。大して親しくないけどそれなりに好意を感じていた人の態度に、心がひどく傷ついた。
勉強したい。練習したい。自分のすることで恥ずかしいことはしたくない。もう不誠実だと言われたくない。全部に全力を出さなきゃ。目一杯しなきゃ。
そんなしがらみに囚われた私は、人として評価されるより、女として評価されるより何より、仕事で評価されることに最も価値を見出だす人間のようです。
その仕事に対する私の思いを、信じてもらえなかった。
ただそれだけのことが、凄く心に傷をつけたようでした。
ようでしたって、今もなんだけど。

もう悩みの全部が叶わなくていいから、楽になりたい。


って、グチ。
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