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まさかアリスが神社に来ていたとは誤算だった。
霊夢に柄でも無いが恋愛相談を頼んだのはいいが、これじゃあ相談は無理だ。
「はぁ…」
私、霧雨魔理沙は魔法の森の大樹の木陰でため息をついていた。
「霊夢に呼び出されたって言ってたけど何だろう…」
私はアリスの発言に疑問を抱いていた。
…霊夢のヤツ、アリスに何の用だろう
「…まぁ考えても仕方ないよな」
恋愛相談へ向かうという目的を失った私は完全に暇になったので
適当に辺りを見渡した。
「ん?あれって…」
森は薄暗いので見辛いのだが、確かに遠くの方に歩く人影があった。
よく見るとその人影は私の知っている人物のようだった。
「声をかけてみるか」
そう決めた私は、立ち上がり、その人物に目掛けて走った。
「おーい!」
私はその人物に近づきつつ、手を振って呼びかけた。
「え?」
私の呼びかけに相手は気付き、こちらに顔を向けてきた。
その顔を確認すると案の定私のよく知る人物だった。
「よう、パチュリーっ!」
パチュリー・ノーレッジ。紫の綺麗な髪と薄いピンク色のローブを纏った少女だ。
「魔理沙…っ!…こんにちは…」
パチュリーは私を見てピクッと肩を跳ねて驚いた。
そして両手の人差し指を合わせて指遊びをしながらもじもじして、か弱い声で挨拶をしてきた。
「…ま、魔理沙…何か…用?」
続けてパチュリーは目を反らし、小さな声で聞いてきた。
「いや用はないんだけど、暇だから声掛けてみたんだ」
「えっ…!…あ、ありがと…」
パチュリーは何故かお礼をして顔を赤くした
「えぇ!?何か私、お前に良いことしたか?」
「えと…その…声…掛けてくれたから…」
パチュリーは安定の指遊びともじもじ二段重ねで顔をうつ伏せて言った。
声を掛けただけでありがとう…
いまいち意味がわからないけど…まぁいいか
「パチュリー、暇なら一緒にこれから昼飯どうだ?弁当作りすぎちゃってさ」
「えっ!?…い、いいの…?」
パチュリーは謎に申し訳無さそうな顔でこちらを見つめてきた
「いいも何もこっちからお願いしてんだし、…それとも私と昼飯は嫌か?」
「い、いえ!そ、そんな事ないです!…むしろ…その…すっごく嬉しいです…っ!」
パチュリーは謎の敬語で目をギュッとつむり、顔を真っ赤にさせながら言った。
相変わらず変なヤツだなぁホント、パチュリーは
…って、何か小さくガッツポーズしてるし…

… … …

私達は場所を改め、丁度私の家が近かったので私の家で昼を取る事にした。
私達は丸い机にサンドイッチの入ったボックスを置き
それを囲むように椅子に座って食事をしていた。
「うまいか?パチュリー」
パチュリーは私の作ったサンドイッチを両手で優しく持って小さな口でパクパク食べていた
「う、うん…お、美味しいよ」
声は相変わらず小さく、一瞬美味しくなかったのかと思わされたが
パチュリーの顔を見ると、まるで絶品料理でも食べたのかと思わせる程に幸せそうだった。
「ははっ、何でそんな幸せそうに食うんだよ」
あまりにも幸せそうだったので私は思わず笑った。
「えぇと…ご、ごめんなさい…っ!」
「何で謝るんだ?」
慌てながら謎に謝ったパチュリーに疑問を持って正直に質問した。
「えっ…あの…えと…ごめんなさい…」
「あはははっ、変なヤツ」
困りながら何度も謝るパチュリーを見て等々限界になり爆笑してしまった。
「あっ…」
パチュリーはうつ伏せて指遊びをしながら目をうるっとさせ上目遣いでこちらを見つめてきた。
なんだその目、可愛いじゃないですか
「あ、いやスマンスマン。パチュリーの仕草があまりにも可愛いもんだから、つい」
私は若干笑い気味にもなりながら謝った。

パタッ

突然パチュリーは手元のサンドイッチを机の上に落とした。
「どうしたんだ?…って…パチュリー!?」
サンドイッチを突然落とした事に驚いた私は無意識にパチュリーの顔に目をやった。
すると目の前のパチュリーは顔を真っ赤にして両手を頬に当て頭から湯気のような煙を放っていた。
「か、かわいい…って言われた…っ」
パチュリーは顔を真っ赤にし目をギュッとつむり「むきゅ〜」と奇声を発し始めた。
ちょっと!?これあからさまにヤバい…よね?
ど、どうしよう…
「パチュリー!大丈夫か!?まさか熱があるんじゃないか!?」
私は熱を確認しようと椅子から立ち上がり、机に手をついて前かがみになり、パチュリーのおでこと自分のおでこをくっ付けた。
「むきゅんっ!」
するとパチュリーはまた謎の奇声を上げた
「凄い熱じゃないか!ってパチュリー!?」
パチュリーの顔を見ると真っ赤にして目はぐるぐると回っていた。
「き、気絶してるっ!?」