「レイコのこと、すきなの」
そういってキスをするわたしにレイコはその大きな目をさらに丸まるとさせた。そして、どん。わたしをおもいきり突き飛ばした。はずみで眼鏡がどこかに飛んでいってしまったがそんなことどうでもいい。レイコは震えた声でこう叫ぶ。
「なに、するの、よ!」
語尾がやけに上がった。レイコの顔は真っ赤だ。もしかして、どきどき、してくれてるのかな。だとしたならば、わたしはすっごく幸せだ。
「だから、すき、なんだって」
「も、いみわかんな」
レイコはその場で泣き崩れた。レイコ、なかないで、わたしは手を差し延べる。しかしレイコはその手を素早く払った。レイコの顔は涙でぐちゃぐちゃだ。それでもなおレイコは綺麗だった。それはもう、わたしが欲情するくらいに。
20101218