・ネギま
・このあす?
・あすなたんじょうび
・ちょっとくらかった
・でもまきかえしました
たんじょうびからだいぶ遅れてるけど、書くのがわたしです。
SSは続きから。
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こちらは管理人タマによる、二次創作文章中心のブログです。 シリアスやパラレル要素、恋愛要素の強い百合が苦手という方は、ご遠慮ください。 また、閲覧は自己責任でお願いします。 現在取扱い:ネギま!、はやて×ブレード
・ネギま
・このあす?
・あすなたんじょうび
・ちょっとくらかった
・でもまきかえしました
たんじょうびからだいぶ遅れてるけど、書くのがわたしです。
SSは続きから。
おめでとう。
朝から何度も何度も、いろんな人に言われ続ける日。
いつも今日がその日がそうだと気付くのは、ルームメイトの、おはようの次にくる言葉のおかげ。
覚えられるはずがない。
一年に一度しかこない日。
しかも、私はそのことを覚えていないのだから。
毎年のように忘れている私に、ルームメイトはくすくす笑いながら聞いてきた。
「なんでアスナは自分の誕生日、覚えられんの?」
うちらのは、けっこう覚えてるのに、なんて少し痛いところをついてくる。
ほら、バカレッドだし、なんて言い訳が使えないじゃない。
普段おっとりしているくせに、この辺彼女は絶対に抜け目がないのだ。
「んー、覚えてないからじゃない?」
正直に言った。
どう説明しようかなんて考える前に、正直に言っていた。
どうせ、彼女には曖昧な答えは通用しない。
「うちかて覚えてないよ、自分の生まれた時なんて」
少し、ずれて意味をとられた。
でも、これはこのままにしておこう。
あまり深いところを突っ込まれると、私もわからないから説明のしようがない。
少し方向を変えよう。
どうせ今日は、このネタから逃れることなんてできない。
「……このかは、どやって誕生日覚えたの?」
「どうやってって……生まれた時から毎年のようにお祝いしてもらってたからかな」
ふーん、と流すような返事を返す。
私は、いつから誰かに祝ってもらえるようになったのだろう。
そもそも、15年前のこの日が、本当に私の誕生日なのだろうか。
「まぁ、別に正確な日付とかどうでもええと思うけどな、うちは」
「え?」
「最近、生まれた日とか時間によっては、日付前後して出生届とかあるらしいし」
「じゃー、ますます誕生日覚える必要ないじゃない」
ベッドに横になって呟く。
このかは、たたみ終わった洗濯物を箪笥にしまいながら、少し考える格好。
「んー、確かに、本人はあんま覚える必要ないかもしれんな」
「でしょ?」
「でも、うちらは覚えとかんとあかん」
くるりと振り返って、まっすぐな瞳が私に向けられた。
「やっぱり、生まれてきてくれて、出会ってくれてありがとうって、伝えなあかんから」
その頬笑みが、あまりにも柔らかくて思考が停止する。
気付くと、すぐ目の前に彼女の顔があった。
「でもこれも、誕生日当日に伝える必要はないかもしれん」
額に軽くキスされて、皺よってる、と指でつつかれた。
「うちは、その人の出生をお祝いする日、っていうより、生まれてきてくれたことに感謝する日って感じやな」
「感謝?」
「そ、感謝」
よいしょ、ってこのかは私が横になっているベッドに侵入してくると、正座で私の目の前に座った。
思わず私も体をおこして、正座で彼女の目の前に。
「アスナ、生まれてきてくれて、ありがとう」
その言葉と、体を包むぬくもりに、少しだけ、自分が考えていたことがばかばかしく思えてきた。
今の私があることに、感謝してくれる人が一人でもいるなら、今日くらいは前を向いておこう。
――――――――
あすにゃたんじょうびおめでとー!
くらくてごめーん(滝汗
いつものように、思うがまま書いてみた結果です。