・ネギま
・アスナ
・やさぐれ、風味
SSは続きから
「アスナ、よっぽど高畑先生のこと、『好き』なんやなぁ」
会話の途中、ルームメートがはっしたその一言。
瞬きをしながらポッキーを折った。
「好き?」
「あれ、違った?しょっちゅう高畑先生に会いに言ってるみたいやし、そんときむっちゃ嬉しそうやし」
うちの気のせいかなぁ、なんて首をかしげる。
好き?
好きというか、ただ一緒にいたら落ち着く。
昔からお世話になっているし。
好きか嫌いかと問われれば、好き、なのだろう。
「うん、まぁ好きだよ」
だからそう返したのに、このかは訝しげな表情をつくる。
「アスナ、好きの意味、わかる?」
「バカにしてんの?」
軽く睨むと、まぁまぁと宥められた。
「んー、likeとloveの違いはわかる?」
「それくらいわか……」
ああ、なるほど。
ようやくこのかの言いたいことがわかった。
「それくらい、わかるわよ」
「ほんで、どっち?」
なにが、なんてことは聞かなくてもわかる。
高畑先生に向いている想いが、likeなのかloveなのか。
「さぁ、どっちだろ」
「わからんの?」
聞かれて、改めて考える。
気付いたら、もう隣にいた。
振り向けば、いつも後ろで笑っていた。
呼べば、来てくれた。
もし、それが消えてしまったら?
仮定の、想像上のことなのに、ぞっとした。
「アスナ?」
「え?」
「顔色悪いけど、体調悪いん?」
「え、あ、いや、……大丈夫」
身体を這った嫌な感覚を拭うように、無理矢理笑った。
「ん、らぶのほう、なのかな」
いや、ちがう。
「ほんま!」
ぱっと明るくなるこのかの表情。
「ん、たぶんだけどね」
たぶんでも、loveなんかじゃない。
これは「好き」なんて一言だけでは表せないもの。
だけど、このかの反応から、ここはあの答え方が正解だったと思った。
好き。
like
love
いっそ、そんな一言で表せるような感情だったならば、こんなにも悩まなくていいのかもしれない。
いったいこの感情はなに?
―――――――――
「好き」っていう感情は、どんなものですか?
これの違う人verも書いてみたいな