「あ、満月ちゃーん!」
アクセサリーショップを後にした芳樹と満月、そして物吉は春花と再会した。
「春花ちゃん、売り子はもういいの?」
「ええ、おかげ様で完売しちゃって。従姉妹は他の同人誌を買いに。
別行動です。」
「そっか。」
「春花ちゃんは買いに行かなくていいの?」
「私そこまで腐っていないし……………。
それに18禁のものは買えないしで。」
「まあ、確かにそうだよねぇ。私も後1年と十数カ月の辛抱だし。」
「私だって同じようなものだよぉ!」
和気藹々と話をする満月と春花に芳樹はにこやかに笑った。
「女子っていいねぇ……………。華やかで。」
「そうですねえ。」
ちゃっかり芳樹達に同伴することになった春花と共に、4人は歩道を歩いた。
露店が幾つも並び、満月は目移りしていた。
「満月ちゃん、楽しそうだね。」
「そうですね。小さい頃、病み上がりで花火大会に行った時はおんぶされっぱなしだったんですよ。」
「そうなの?」
「はい。綾人様達が絶対におぶるんだとか言って若旦那様と喧嘩して花火どころじゃなかったです。」
「あったあった、そんなこともあったねぇ…………。
露店の皆から仲が良いんだねぇ、って言われたんだけど。」
「へぇ……………。」
続く。