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あたしは猫になりたい。
右斜め上の寂しかった空間に次元が腰掛けると私の寂しかった鼻孔は彼の微かなメンソールを欲する。
おつかれさま、なんて声をかけても返事をしない次元に痺れをきらし「ん、」と起き上がってもたれ込むように彼の背広に抱き着いた。革の椅子は悲鳴をあげるけど次元は抵抗しない。
私がキスを落としても、手の平を掻き乱しても、悔しくて泣いても、無抵抗のままだね。
だから、あたしは猫になりたい。
次元のどこまでも不器用な手は、ぜったいにあたしを撫でたりしないから。
遊びでもいい。私の爪なんかじゃないその鋭利な爪で傷をつけてやりたいの。
( 猫になりたい(ルパン/次元と) )