GISMONDA

そんな会話の中、店員が焼き鳥の盛り合わせと枝豆を持ってきた。


「はーい盛り合わせと枝豆でーす。」
「あ、ども。」



なんか学校で習った事がデタラメだった気がして、結構ショックだ。


するとアースィムさんは、目の前にある焼き鳥を一本摘んだ。


「真守さん、この肉もコーランによると禁忌なんですよ。」
「へ……?これ豚じゃないっすよ。」
「はい。鳥です。」
「……鳥は…、イスラムでも食べられますよね…?」



あれ、なんか俺の常識力不安になってきた。



「はい、食べます。でもこれだと厳格な人は口をつけませんね。」
「…へ、どして…?」
「屠殺する時、祈りを捧げていない肉だからです。」
「祈り……?」
「はい、祈りを捧げていない肉は、どんな肉でも食べてはいけない事になってます。」
「どんな肉でも…?」
「そうです。鳥も羊も牛も全て。」
「げ、めんどくせっ。」
「そうですよね、それに折角日本に居るのに、食を存分に楽しめないのも辛いですし、私は割り切ってますけどね。」
「へー。」

そういうものなのか……?


「私の周りにも居ますよ。豚カツ大好きなアラブ人とかビーフカレー作って食べるインド人とか。」
「あらぁー。」


そういうものなのね。