熊ブログ
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ガラスの仮面
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ガラスの仮面(美内すずえ著)といえば、往年の名作漫画。
その文庫版が何故か今、事務局の一画を占拠しているわけです。
位置的に言うと響子嬢のデスクの目の前です。

私はこの漫画を読んだことはなく、その昔妹がアニメを夢中になって見ていたような記憶がわずかにあるのと、ドラマ化されたのを一、二度見かけたことがある程度でして、持っている知識といえばヒロインが女優を目指しているらしいということと、『紫のバラの人』というのがいるらしい、ということぐらい。

そんな私を、この本の持ち主であるうおちゃんをはじめとする女性陣が一喝。
とにかく読んでみろ、というので、昼休みに一冊程度のペースで、先ほど10巻まで読み進めたところ。
陰謀に巻き込まれ、芸能界に嫌気の差したヒロイン北島マヤが演劇を辞め、引退することを決意し、最後の舞台に立つ。
ところがその舞台でもまた一つの陰謀が彼女を待ちかまえていた、、以下、次巻へ続く。

とにかくこのヒロインの身の上には様々な事件が起こる。
演劇をするために家出をしてまで入った劇団が存亡の危機に見舞われる、仲間の裏切りによってたった一人で舞台の幕を開けることになる、病の母親が行方不明になる、その母親が事故で死ぬ、、、
そんな馬鹿な、と突っ込みを入れたくなるほど次から次へと襲いかかってくる不幸をなんとか乗り切っていこうとする彼女の姿が女性陣の共感を呼ぶのでしょうか。

それとも、そんな彼女を常に見守っている、(実はハンサムな若い青年である)足長おじさん的役割の紫のバラの人の存在がいいのだろうか。
確かに「君の腕を見込んだ」などと言いながらバイクや車を買い与えてくれるような紳士が現れたらグッと来る、、いや、怖いな。
目的がわからない上に結果を出せなかったらどうなるのかと思うと恐ろしい。
自分の身に置き換えるには想定に無理がありましたが、あくまで二次元、と考えれば、常に自分を見つめ、味方をしてくれる人がいるというのは実に魅力的な話だと思います。

ところで、先ほど読み終えた10巻、個人的に一番の見所と思っているのは亜弓嬢によるマヤの敵討ち。
ライバルが脱落したことを喜ぶより、彼女を陥れた人間に仕返しをしよう、それも、陰謀に陰謀で返すのではなく正々堂々と"演技"で相手をやり込めよう、という亜弓嬢の心意気に感じ入ってしまいました。

北島マヤと姫川亜弓、どちらが女性により人気があるのかはわかりませんが、私としては亜弓嬢に一票入れたい。
ぜひ、彼女に紅天女の役を勝ち取ってもらいたいものです。