みんなで繋げていこう!リレー小説編。
第1回目は、恋か友情かで揺れ動く男女の話へと、流れが動いていきます。

ちなみに、何話かを示す赤い文字の横に、青い文字でカッコがあります。
このカッコの中にある単語はキーワードで、投稿者さんには、必ずこの単語を入れて続きの小説を書いてもらいました。

第一話(禁煙・デート)
ごく自然に煙草に火をつけてから、カオリは自分が禁煙中だと言う事に気がついた。
あ…やば。
と思ったところへ
「おまえ、煙草やめるんじゃなかったのかよ」
ヨウヘイが、非難の声をあらわにする。
しかしカオリは、動揺することなく言い放った。
「禁煙、やめたの」
ためらいもせず、深く吸い込む久々の煙草。
それを複雑な気持ちで味わいながら、カオリは今言った自分のセリフで今日のデートが台無しになることを予感した。
   

   
第二話(鍵・バッグ)
(イレブン・21才・男性)
ヨウヘイはを回しエンジンをかけ、何も言わずに車を発進させた。
その横顔からヨウヘイの心境は読み取れない。
カオリは短くなったタバコを消し、灰皿に捨てた。
その様子を見るわけでもなく、ヨウヘイは無言のまま車を走らせた。
ヨウヘイは怒っているのだろうと思い、タバコをバッグにしまおうとした瞬間、カオリはハッとした。
そのバッグは禁煙することを条件にヨウヘイに買ってもらったものだった。
思わずうつむくカオリ。
しかし次の瞬間
「よ〜し、どこ行こうか?」
予想もできない程の明るいヨウヘイの声が耳に飛び込んで来たのだった。
  

  
第三話(車・時計)
(нiяо・24才・女性)
「怒ってないの…?」そう口に出せずに、カオリは黙ってヨウヘイの横顔を見つめていた。
「なんだよ」ヨウヘイがその視線に気付き照れたように笑う。
ホッとしたカオリは手にしたままだったタバコをのダッシュボードにしまった。
ヨウヘイは黙って車を走らせる。
窓の外を流れる景色を見ながら他愛ない会話をして、カオリは幸せを感じていた。
会話が一瞬途切れ、ふと視線を足下に落としたとき、カオリの目に何か光るものが飛び込んで来た。
(…え?なに?)
カオリは目を凝らしてそれを見る。
カオリのそんな様子にヨウヘイはまったく気付いていない。
カオリの足下に落ちていたもの…それは女物の腕時計だった…
  

  
第四話(CD・携帯電話)
(gin・22才・女性)
今日は冷えるわね…。
季節が変わった事を報せる風をジャケットの襟に感じながら、ハルナはCDショップに入ろうとして時間を気にした。
(ん??)
腕に着けているいつもの時計が無い。
ヨウヘイから貰った大事な宝物だ。
もしかしたら・・・ハルナは綺麗に手入れをされた手で携帯を取り出しヨウヘイに電話した。
   
vol2