「……っやっと見つけた……!」
海にぽつんと浮かぶ小さな小さな島。地図にも乗っていない未踏の地に長年探し求めていた答えは眠っていた。
鬱蒼と茂る原生林を抜けて、島の中央へ向かう。かつてここには小さな社があり、神事の際のみ神主が来ることを許されたという。しかし、長い時間の後にその一族も途絶え忘れ去られていった。
人が訪れなくなった今、朽ちた柱が僅かに残るのみで、人が作った建造物はもはや影も形もない。島の中央には船からも見えた大きくそびえる大木が立っていた。
「……っ、」
焦る気持ちを抑えながら木の根本に立つ。
首をぐいっと後ろへ反らさないと見えないほど高く、枝の広がった大木だった。80メートルはありそうな高さと人が30人はいないと届かなそうな太さの幹。樹齢1000年は優に超えている。おそらくギネスに乗っているどの木にも引けを取らないだろう。風が吹くと青々と茂った葉が擦れてざわざわと音が周囲に響いた。ゾクッとするような感覚に思わず息を呑む。
「かいと……オレ、なんて言うかさ……」
「…………うん」
「初めて来た場所なのに、そんな気がしないんだ。なんでだろ……ああ、そうだ……アルカイドと似た感覚がする。でも同じじゃない。凄く……怖い。嫌な感じではないんだ。でも……なんていうかさ、」
「……アルの言うこと、なんとなく分かるよ」
恐怖や嫌悪ではない。真っ先に感じるのは畏怖の念だ。思わず後ずさりそうになる足にぐっと力を入れた。これより先に立ち入ってはいけないと本能が告げている。人ではないナニカがそこにはいるのだと誰に言われるでもなく分かった。
「……アルはここで待ってて」
「海人?」
肩に乗る相棒を手に乗せて地面に下ろす。見上げる小さな茶色い瞳にそっと微笑んた。
「……呼んでるみたいだ」
声がするわけでも手招きされたわけでもないのに、何故か理解した。引き寄せられるような感覚。だが、何があるか分からない。アルは置いていこうと離れた手。一瞬ムッとした表情を浮かべたアルだが、次の瞬間には足から器用に駆け登り元の定位置へつく。
「お、おい」
「なーに言ってんだよ、最後まで付き合う」
「アル」
「オレはその為に外の世界へ出てきたんだ」
澄んだ瞳と真っ直ぐな視線がこちらを向く。ぐっと手を握りしめると俯いた顔を上げた。
「…………そうだな」
「よしっ、行こう!」
気合を入れ、木の幹に手を合わせる。
何もしていないのに、大地のボンゴレリングから柚子色の炎が出た。それが合図かのように硬かった幹がぐにゃりと変化し、木の中へと招かれる。転がるように木の中へと飛び込んだ。
「……っ、」
「珍しいこともあるものじゃな」
「…………キミは……」
木の中へ入るとそこは、一面草原が広がっていた。遮るものがなくどこまでも続いているかのような、緑。目の前の巨木だけが、先程見たものと同様だと感じる。
そんな木の根本に腰をかけて座っているのは若草色髪をした幼き少女。海人に気づくと星のように輝く金の瞳がこちらを向く。外見は夏希と出会った頃の歳と同じくらいだろうか。見た目とはそぐわない口調で口を開いた少女は、そっと微笑んだ。
「お帰り、大地の子よ」
「っ……」
「ここまで辿り着くものがおるとは……久しいのう」
脳に直接響くような、優しく澄んだ声だった。微笑みを浮かべる顔は聖母のようで、絵画に描かれるように美しい。だが、近づくのは躊躇われる。人ではないと瞬時に悟った。
「……っ、アル……」
不意に先程まで共にいた相棒がいないことに気づき、周囲を見渡す。足首ほどの高さの草原ばかりで見落とすことはなさそうなのに、見つからない。
「ん?お主と共にいたリスであれば、ここへは入れぬ故に元いた場所におるじゃろう」
「……」
「なんじゃ、安心せい。島には植物以外の生き物は少ない。虫なんかはいるかもしれぬが、リスを襲うようなものはおらんよ」
「…………キミはいったい……」
「我か?そうじゃな……お主と近しいものだよ、大地の子。大地の神よりこの地に遣わされて、そなた達大地の子らを監督する責を受けておる。この場から動くことはできぬが、故にお主等の目を通して外の世界のことは大体把握しておるよ」
「……っ、」
ぶわりと風が吹いて、海人の髪を揺らして通り過ぎた。バクバクと心臓が鼓動を早める。緊張で握った手が湿っているのを感じる。
「ここへ来たということは、何か望みがあるのであろう、言うてみよ」
「……大地の波動を持つ者の、短命の呪いを解きたい」
「ほう」
「アルカイドから聞いた。大地の波動が使えるものは能力使用の有無に限らず短命だと。俺も30を超えられないと言われている」
「ふむ、また懐かしい名前が出たのう。そうじゃ、お主等大地の子は代々短命で間違いない。そなたも……見たところ残りは少なそうだ」
「…………っ」
「まどろっこしいのは嫌いでな。結論から伝えよう。解呪は可能だ。ふむ、そうじゃの……」
見定めるかのように、自身と同じ金色の瞳がこちらを向いた。心の奥底まで見られているようで落ち着かない。ごくりと知らない内にツバを飲み込む。
「……よかろう」
「!」
「呪いを解こう」
少女は立ち上がると、数歩前に出て海人へ近づく。無表情のまま両手のひらを上へ向け左右へ広げると、大きく手を打った。パチンと静寂な空間に音が鳴り響く。
「……っ、」
「大地の子よ。今この瞬間、短命の呪いは解かれた」
「……………っ…」
微笑みを浮かべて少女は話すが、呆気なさ過ぎて実感がない。ここにたどり着くまでの苦労や時間がかかっただけに、慎重になってしまう。だが実際短命でなくなったかどうか確かめる術はない。
(けど、本当であれば……あの子達はもっと生きることができる)
大地の波動を受け継いだ空。そしてまだ幼くて分からないがもし陽人や朔人が大地の炎を受け継いだとしても、人として当たり前の年月を生きることができる。様々な出逢いと別れを繰り返して、好きな人や大切な仲間を見つけて共に過ごす、そんな当たり前の人生を送ることができるはずだ。
「……よかった…」
ぽつりと言葉が溢れた。安堵からホッと息が漏れる。間に合った。自身の血を受け継いだせいで子供にまで呪いを背負わせてしまうところだった。それだけはなんとしてでも避けようと、子どもが生まれてからはそれまで以上に短命の呪いを解く手掛かりを探した。探して、探して、探して……ようやく辿り着いたのだ。
海人さん
優しく微笑む愛しい彼女とも、もっと一緒に過ごすことができるのだろうか。諦めていた先があるなんて、望んでもいいなんて……夢のようだ。ポカポカと心臓に温もりが染みていく。
「……こんな日が……くるとは思ってなかった」
「よかったのう、これも善行を積んだそなたの功績故じゃ。これからも精進することじゃな」
ほほ、と朗らかに笑う少女。名前も、何者なのかも分からないが敵対心がないのは伝わる。もっと話せば教えてくれるのだろうか。
「これから先、大地の炎を使う副作用はどうなる。寿命と関係するのか教えて欲しい」
そう問うと、少女は一瞬目をまん丸にした後、鈴を転がしたような声を上げて笑った。その姿は絵になるほど美しいのに、何故か背筋が凍る。嫌な汗がぶわりと沸く。
「ふふ、おかしなことを言うなぁ」
「……は、」
「短命の呪いは解かれたのじゃ。許しを得たそなたは、これより永久の時を生きる」
「え、いきゅう……?」
「いくら癒やしの力を使おうとも、老いることも、病むことも、死することすらない。そなた達人間が、古来より追い求めていた不老不死と呼ばれる存在じゃな。元より大地の子は永遠の命をもたない人間を憐れんだ大地の神によって、傷ついた人を癒やすという役割を与えられて産まれてきた。しかし人の身で大地の炎を扱うには、寿命が足りない。故に始めから不老不死であったのだ。昔の話になるがある大地の波動の持ち主が罪を犯した。罰としてそれ以降の大地の子どもらを短命に処したが、今そなたが許しを得て元に戻っただけのこと。短命にも関わらず更に自身の命を削って癒やしの力を使い、人々を救って我まで辿り着いたそなただからこそ許された。手に入れたのは輝かしい未来≠カゃ」
「……っ……ぁ……」
思わずその場に崩れ落ちた。
天国から地獄へ落とされたような絶望感。ポタリ、ポタリと涙が雫となって頬から流れ落ちる。そんな気持ちを梅雨とも知らず、少女は不思議そうに海人を見つめる。
「何故泣くのだ、愛しい大地の子」
「……っ、そんなものが……欲しいんじゃない。俺が探していたのは、大切な仲間や愛しい人と共に生きて老いて死んでいく未来だ……っ永遠なんて望んでない!」
「……分からんのう。短いより長いほうがよいじゃろう。まあ、人ではない儂には理解できぬことだな」
首を傾げて困ったように答える少女。言い争っても分かりあえないと悟る。見た目は可愛らしい少女でも、やはり人ではないのだろう。
「……ッ子どもは……俺には大地の炎を使える子がいる。子ども達はどうなる!?」
「子ども?……そうじゃな。大地の力をどれだけ受け継いだかによるが、遺伝から得た力であれば恩恵は半減するじゃろう。つまり、只人よりも長生きはするだろうが、完全な不老不死ではない。肉体の成長が止まるまでは普通に成長し、その後は徐々に歳を取らなくなる。うーむ……その場合は1000年もすれば死ぬだろう」
「…………っ」
突然の情報量に思考が追いつかない。少女の言葉を反復する間に、ふと空を見上げた少女が残念そうな表情を浮かべた。
「さあ、大地の子よ。別れの時がきたようだ」
「っ、まだ話は終わってない!」
「儂にはもうないのじゃ。それに、いいのか?」
「……っ?」
「ここで過ごす時間は外のそれとは異なる。外はここよりもずっと早いスピードで過ぎていく。お主の大切なものと別れを言う間もなく離れることになるぞ」
「なっ、」
「またな」
絶句している間にパチンと手を打つ音がして、気づけば元いた大樹の根本に戻っていた。
「…………っ、」
混乱する頭で、どうしたらいいのか考える。先程のように大樹の幹に手を当ててもなにも行らない。招かれていないということだろうか。
ここで過ごす時間は外のそれとは異なる
「っ、アル」
少女の言葉を思い出し、慌ててその場を探す。だが、何度呼んでも泥だらけになりながら探しても、相棒の姿は見当たらなかった。
「…………っ、」
一瞬、鏡を見ているのかと錯覚した。
「……っとうさん……」
見慣れた家の玄関。その前に立つのは、自身と同じくらいの背丈の青年。夏希のように柔らかな黒髪。金と黒のオッドアイの瞳が驚きと動揺で揺れていた。最後に見た姿は3才になったばかりの幼い姿。パパ行かないでと、泣いてしがみついていた記憶は新しい。だから、こんなこと……あり得ないはずなのに。けれど、目の前の青年が誰なのか答えを言われずとも分かる。
「さ…くと……?」
「……ッ」
呆然と名前を呼べば、キッと鋭い眼光がこちらを向く。
「……今更、何しにきた」
「……っ」
「今までずっと母さんを放ったらかして、どの面下げて来たんだって聞いてんだよ!」
ぐいっと胸ぐらを掴む手。記憶の中の朔人は自身の手よりもずっとずっと、小さくて。簡単に抱っこ出来るほど身体だって軽かった。こんなに……大きく、ましてや青年であるはずがない。
けれど、目の前の青年が朔人であることもまた事実。
(ああ……)
信じたくなかった。
けど、もう認めざる得ない。
「答えろっ!」
ここへ来る前に空港の新聞で確認した日付け。それは、大樹の中へ入った日から60年後≠フものだった。
「朔人?…………っ、」
騒ぐ声が聞こえてきたのだろう。玄関の奥から若い女性の声が聞こえてくる。パタパタとスリッパの音がして、長い黒髪の女性が顔を出した。朔人と同様にこちらを見ると驚きで言葉を失う。金と金の瞳が交差する。
「……父さん」
「姉ちゃん、こいつッ!」
「朔人、止めなさい」
「……っだって!」
「朔人」
「……ッ……」
言葉で制されて、俯く朔人。一歩前に出ると、真っ直ぐ海人を見つめた。大きくなった、そんな当たり前の感想しか浮かばない。外見は俺と酷似していたが、こちらを見つめる柔らかな視線は夏希と似ている気がした。
「……空」
「……入って、父さん」
「……っ、」
空に促されるが足が前に出ない。勢いのままここまで来たが、玄関の敷居を跨ぐ資格なんて俺にはないのではないだろうか。未だにこちらを睨むように見つめる朔人。朔人の言う通りだ。俺にはほんの少し前の出来事でも、家族にとっては60年ぶりの再会なのだろう。それまで放ったらかして、短命の次は長命なんて呪いを押し付けて。合わす顔がない。
「……っ」
「母さん、ずっと待ってたよ。父さんが行方不明になってからも帰って来るって信じてた。アルくんも、沢田さん達も最期まで信じてた。もう、母さんね長くないの。最期はここで過ごしたいって病院から帰宅してきた。このまま会わずにいなくなるなんて、酷いこと……娘の前でしないでね」
「ッ、」
「入って」
有無を言わせない圧力を感じた。促されるまま、玄関の扉をくぐる。家の中は、記憶の中の自宅と殆ど変わりなかった。幾分古くなって、使い古された家具や壁。リビングには60年分の思い出が可愛らしい額縁に入れられて飾られている。すんと鼻をくすぐる匂いは、夏希が気に入っていたアロマの芳香剤だ。
「…………母さん」
リビングから中庭が見える窓の近くにベッドが用意されていた。先を行く空がそっとベッドで横になる人物に話しかけた。
「……っ」
足が竦む。震える手と霞む視界。思わず俯く。知りたくない、受け入れたくない気持ちと葛藤する。夏希を見てしまったら、今度こそこの現実を受け入れないといけないような恐怖と絶望。
「…………父さん」
「……っ、」
空の声だけがリビングに響く。
一歩、また一歩と初めて歩く子どものようにゆっくりとベッドへ近づいた。
「……なつき」
共に笑い、泣き、最期まで一緒にいると誓ってくれたかけがえのない女性。怯えて拒絶しても諦めずにしがみついて、愛を教えてくれた。幸せのかたちそのもの。
「…………っぁ……あ……」
大粒の涙が零れ落ちる。
短命の呪いを解いた代償は、あまりに大きかった。
***
もし海人くんが背負う呪いが短命ではなく長命だったら……と想像したお話です。大地の波動に関してかなり想像で書いた部分があります。すみません。パラレルワールドの1つだと思って頂けたら……。
本当は過去の思い出を大事にしながら、何代目かのアルデバランくんと終わりのない旅を続けているお話のはすが、気づけば救いのないお話になりました……。あれ?
海人くんごめんよ……。
駄文失礼しました。
いつもお返事ありがとう御座います!
ファンパレ、今日から花御の討伐やレベル解放等々新しい要素の追加が来ましたね!新章もこの間追加されたばかりでは…?って思ってたんですけど、月末には公式放送もあったりと3月も楽しみが尽きません。
ファンパレって回復使えるキャラが家入さんか乙骨君、後は残滓頼みなので結構ジリ貧の戦いになりがちですよね…。イベントだと回復のバフも付いたりしますけど、今後回復持ちのキャラとか残滓とかも追加が来てくれると嬉しいなあなんて思っていたりもします。
圧倒的な力(主に五条先生)でぱぱっと片付けちゃうのも気分爽快で良いんですが、手強い敵が相手だと中々上手く進められないので其処がもどかしくもあります。五条先生、7ターンで帰っちゃいますし…(笑)
属性偏っちゃうの分かります!皆平等に育てたいけどスキルレベルを上げられる素材もレア度が高いものだと入手出来る機会も限られてますし、排出されるキャラもガチャだと均等にって難しいですもんね…。
既存キャラのガチャも回したくなりますよね!分かります!次に誰が来ても良いように貯めたいなとは考えてるんですけど、属性違いでも好きなキャラが来ると後先考えずに回しちゃって(笑)
今まで出たガチャで言えばやっぱり夏油さんをお迎えしたいですね!未実装で言えば冥冥さんとかキャラ自体も声優さんも好きなのでどんな感じの能力になるんだろう?とかは考えたりします。後は高専時代のさしすとか編成画面に並べて眺めてみたいです!
10章バランス調整入ったんですね!拙いもので分かり難いとは思いますが、ナギサさんがクリア出来る事を願っております!
悪ノシリーズも好きで、好きが行き過ぎてそれになぞらえた小説を当時サイトで嫌われものとして執筆していたりもしましたね…途中で挫折して未完で終わってしまいましたが振り返ればそれも懐かしいです。
GUMIちゃんの声も良いですよね!天ノ弱とか、独我論、シリョクケンサとか。ボカロってPの数だけいい曲が多いので推し曲も沢山になっちゃいます。私も当時ボカロだけのアルバムが欲しくて、レンタルショップに行けば良いのに電化製品売り場に行くと言う謎な行動をして入手出来なかった苦い思い出を思い出しました…(笑)
もしかしたらご存知かもしれませんがnikiさんがアップする曲を歌うLilyも良いですよ!そのカバーで別の方が使われている波音リツキレ音源は今もふと聞き返したくなってお気に入りリストに入れていたりもします。
花ちゃんも原作で了平君とのCPが示唆されてるっぽかったのでそれも選択肢にはならないし、本当に野球・友達一筋って感じです。そこが彼の良い所なんでしょうけど、そうなってくると夏希ちゃんに対しての気持ちに踏ん切りがつくような相手が思い浮かばず(笑)
無理にくっつけるものでもないんでしょうけど、報われてほしい、幸せにはなってほしいので山本君の未来が明るいものであるようなお話もいつか考えてはみたいです!
そう言われたら確かにあかりちゃん、面食いそうですよね(笑)
作中でも海人より山本君を夏希ちゃんにプッシュするような場面も言動もありましたし、人間的な信用や安定で言えば夏希ちゃんに選び取ってほしいのは圧倒的に山本君の方だと思います。ただ顔面レベルだけで言えば海人の事も嫌いではない部類…なのかなあ。どうなんでしょうか。
それでもあかりちゃんの良い所は「絶対こっちがいい!」とか「後悔するよ!」って過干渉になり過ぎない、おせっかいをやかない所なんですよね。夏希ちゃんが困ってれば相談にも乗ってくれるし、代わりに怒ってくれたりもする。だけど夏希ちゃん自身がどうしたいかの判断を委ねてくれるし、それでもちゃんと自分の意見はぶつけるし、それを応援出来るって友達だからってだけでは出来ない部分も多い。
類は友を呼ぶとは言いますが、夏希ちゃんも含め本当にいい子・人が多いです。
冒頭で海人が外で経験した旅のお話なのかな?とは思ってはいたのですが、まさかの短命の呪いを解く手に汗握る展開だとは思わず…!ナギサさんの書かれるアルにも会えてとても懐かしい気分になりました。
大地の神たる存在に出会う場所が忘れ去られてしまった孤島なのも、その入口が大木なのも読んでいるのは文字なのに光景が目に見えるようで。特に古く長くから続く神社には神木と呼ばれるものがあったりしますが、自分の知らない時代を生きて来た神秘と言うか、未知の印象を受けたりするのでそれよりも更に立派な大樹を目前にした海人やアルの気持ちはそれ以上だったんでしょうね。
そして今まで海人のして来た行いを善行だったとして認め、その報酬として短命を呪解してくれた。これで夏希ちゃんとも、これから大きくなっていく我が子の成長も傍で見守る事が出来る。海人が一番強く望んでいたであろう幸せの形に良かったなあ!と喜んだのも束の間で…なんだか口調からして雲行きが怪しくなって「もしかして何かの代償が…?」なんて構えていた所に永久の時・そして長命。あまりにも重過ぎる宿命ですよね…。
確かに神様の言った通りそれは人類が死物狂いで追い求めるような輝かしい未来なのは間違いないのですが、人の身として終わりたい海人にとっては到底許受け入れる事の出来ない輝かしい未来などではない。どうやったって元の存在として分かり合えない不条理さ、その乖離にゾクゾクとしてしまいました。
しかも外の世界と神や海人が居る世界で時間の流れが違う、驚きの三段構えが凄く…!やっと家に帰れたと思ったら60年もの時が経っている。
成長の止まる一定のラインが何処かにもよりますが、表記が「青年」の時点で呪解の弊害が既に出ている状態ではありそうですよね…。
最後に海人が目の当たりにした夏希ちゃんは姿のみでどんな様子なのかは明記されていませんでしたが、最期には立ち会えなかったけど生まれ変わりを信じて探す…なんて物語の続きを勝手に想像してしまう程に素敵なお話でした。
本当にありがとう御座いました!
ふと続きが書けそうだな〜となりキーボードを叩き始めたはいいものの、中々思ったように文字が続かず個人的にはとても手を焼いた話となりました。以前のやり取りの際に恥ずかしながらお話させていただきましたが、何分読書が出来ない性分なので本についての知識があまりにもふわっふわで。学校の図書室を利用した回数も片手で数えられるぐらい、しかも小学生の頃の記憶しかないのでネットの力を最大限に利用して「学校 図書室 借り方」とか調べたりしちゃいました…(笑)世の中って便利ですね。
個人的には圧倒的に不慣れな内容だったので書き上げてからお披露目するまでずっと不安しかなかったのですが、ナギサさんからの感想を頂いてほっと安心致しました。ありがとう御座います。
夏希ちゃんが海人へ絵本を勧める部分も本が読めないなりには上手く書けた方なのでは!?なんて密かに自画自賛していた所だったので、そこに気がついていただけたのも嬉しかったです!
今回は夏希ちゃんが海人への恋心を自覚する→告白するの流れまでを書きたいと思っていたので当て馬ちゃんにも登場してもらいましたが、山本君が居ないだけで二人の関係が穏やかに緩やかに進んでいくのは書いている身としてもなんだか面白かったです。自分の食指のせいで山本君が登場する=物事が拗れる事の方がやっぱり多くて。
一時は速読なんかが流行った時期もありましたが、あれもパラパラっと見ただけで内容が頭に入る人が居ると聞いて最早超人の域じゃん!と驚くばかりでした。
実は図書館へは行った事があるのですが、目的は本を借りる事ではなくビデオを借りる為に母と一緒に行っていた記憶があります。当時は子供向けのVHSも取り揃えている図書館で、地元のレンタルビデオ屋さんでは置いてないようなものがあったんですよね。ただ読めはしない大人向けの本もずらっと並んでいる光景は好きでした。小学生の中学年ぐらいだったので棚の前をウロウロしたり、こんなものが置いてあるんだ〜程度ですが。
後は図書館の下にジェラート屋さんがあって、それを帰りに食べるのがお決まりの流れだったのでそれ目的でついて行っていたなんて不純な動機もあったりしました。
盛大な自分語りになってしまいましたが、そんな接点の少ない世界だったからこそ、そんな小さき自分にどう本を勧めるか?を突き詰めた末に出て来た夏希ちゃんの言葉だったのかもしれませんね。
今回はメールの折り返しが非常に早くなってしまいましたが、ナギサさんのお時間がある時にでもお返事いただけたら嬉しいです。失礼致します。
いつもお返事ありがとう御座います!
本編外の任務の話とかを伏黒君や野薔薇ちゃんで見れてるので、いつか高専時代の「こんな任務や日常があったんやで〜」みたいな感じでさしすのお話とか見れたら良いですよね!
後は0の時に配布された真希さんみたいにイベント限定キャラとかも配布があれば尚嬉しいなあ…なんて最近思っていたりします。綺麗に描かれている残滓も残滓でゲット出来るのはそれはそれで嬉しいんですけど、やっぱり誰に何を付けるかって言うのは大体固定されがちですし…。コストとか容量の問題もあるのかもしれませんが、SSRだけじゃなく既存キャラ、既存キャラのみならずSRとかRキャラもこれから充実してくれたら良いですよね!
メイン画面は残滓に設定していて、ナギサさんが仰っていたように新規イベントでゲットした残滓を一番目に設定しています!始めたての頃はキャラが動いてるのが面白くてキャラクター設定にしていたのですが、虎杖君が東堂に感謝する言葉を毎回聞く羽目になったので止めました(笑)
それに残滓なら四枚ぐらい好きなものを選べるので、何も触らずにぼーっと画面を見てるだけで「こんなイベントだったよな〜」って思い出せるのも良いところですよね!個人的には季節的にも「いつかの願い」って順平君が高専に居たらifの残滓が結構お気に入りで。
ナギサさんの好き、若しくはお気に入り残滓があったら枚数問わず、教えていただけると嬉しいです!
小説を追うまではしませんでしたが、今でも根強い人気がある方達ですし、じんさんも精力的に活動されているのを見かけたりして凄いの一言に尽きます。
ダブルラリアット、曲名だけは以前Twitterで見かけた事はあったのですが未視聴で…。メールを頂いてから早速聞いてきました。おふざけ系の曲なのかな?って言う第一印象から打って変わった、心にそっと寄り添ってくれる歌詞とルカ姉の歌声が良いですね!
くるくる回り続けているシュールな感じも、この手が届く範囲って思うとまた違った見方が出来て面白いです。
確かにあかりちゃんは綺麗よりも、男前!頼りになる!って感じがタイプそうではありますね!
そうなんですよ!あかりちゃんって自分にはない女子力の塊みたいな子なので登場させる度に結構苦労するし悩むんですよね…。流行りとかにも敏感でおしゃれの旬を知ってるイメージがあるので「貴男の可愛いを教えて」とかちょくちょく夏希ちゃんとの絡みで発揮される会話のボキャブラリーが乏しく…。
なので以前ナギサさんの書いて下さった「誕生日」の話とかは二人の関係性だけでなく、女の子特有の雰囲気がとっても巧みに描写されていて「凄い!」と言いながら拝見しておりました。
話が途中で脱線してしまいましたが、ナギサさんの抱かれているあかりちゃんや山本君のイメージのお話が聞けて大変参考になりました!ありがとう御座います!
自分はある程度の年齢が経てば見た目も成長も止まるのに周りはどんどんと老いていって、いつしかその最期を見送らなければならない。自分も同じように老いる事が出来ていたならあの世での再会を期待出来るけど、その夢すらも見る事が出来ないっていう…。
自分の努力や行いだけではどうにも出来ない運命だからこその不条理さで言えばまだ短命の方が本人も、その周りに居る人達も希望を抱けるのかなって気がします。
実は今新しく考えているオリキャラ君が海人や寿命に関して何かと縁のある子でして…。なので今回ナギサさんが書いて下さった「一得一失」を読んで大変良い刺激をもらえました!
大地の炎や短命の呪い云々等、あやふやで朧な部分が多い中で此処まで素敵なお話を書いていただけた事、本当に嬉しいです。まだ確りと設定を練れていない箇所もちょこちょことありますが「これってどうなの?」って不明瞭な所があればいつでも聞いて下さいね!
勿論ナギサさんの思う、想像する設定のお話を読むのも好きなのでいつも後書きに書かれているような事は気にせずに海人と遊んでもらえたら自分としても嬉しいです!
うおおお…!?そ、そうなのですかっ!?それは、また、なんと!?殆どが自らの癖を巻き散らかしたような話ばかりなので、ナギサさんの琴線に触れる部分があると知って正直驚いております(この後滅茶苦茶喜びの舞を踊ってしまいました)。独り善がりと言いますか、読みたい話しか書いていないものでして…。
うああ…此方こそ毎回コメントしづらい話ばかりなのに丁寧なお返事を頂けて本当に有り難いです。
この先も話を書くとしても内容のアップダウンは激しいでしょうし、夏希ちゃんも海人も復活キャラも可哀想な事になるかもしれませんが、ナギサさんのお時間が許す限りお付き合いいただけたら幸いです。
本当にありがとう御座います。
海人も夏希ちゃんやツナ達と出会うまでに沢山の傷を受けてきた過去があるので、肉体的にも精神的にも「傷はつくけど、瘡蓋になればそれで終わり」だと自分の中で区切りをつけなければいつまでも痛いままで立ち上がれない、次へ進む事が出来ないんですよね…。
「がっかりした?」等の言葉もある種の自衛で、自分がどうしようもない人間だと自覚があるからこそ(親戚からの罵声含め)「がっかりした」と言われた時に諦めがつくように一線引いてる節があるんだと思います。
愛情を確かめる確認行為というよりもそうしなければ今日まで生きて来られなかった、自分がこの先を生きていく為に必要な生き残る術だった…みたいな感覚。
不良や血の気の多さの外面で海人は肉体・精神共に「強い」と勘違いされがちですが、案外一点を突けば脆くて「弱い」人間でもあるんですよね。それが悪い方に傾いてしまったのがダークサイドの海人なのかなって個人的な解釈をしていたりもします。
ただそんな中でそれでも「貴男と一緒に生きていたいんだ」と言葉や態度で示してくれる夏希ちゃんの存在や、傍に居て何かあれば味方になってくれる仲間が出来た事は海人の生涯において一生の財産でしょうし、周りが想像している以上に海人は救われているのだと思います。
だから自分もそれに報いたい、同じように助けてあげたい。似た境遇なのだとすれば寄り添ってあげたい強い思いが傍から見れば正体不明の異常過ぎる厚意に映る、それが時には勘違いを生む負の連鎖に繋がる。下心が一切ない故に本人が一番混乱してる、その繰り返しが永遠と続く。
海人の行いに性欲の一つでも滲み出てれば「もしかしてこの人が優しいのって…?」なんて警戒もされるんでしょうけど、それがないからこそ「この人に特別視されたい」思いが振り向かせたくなる程の魅力に映るものなのかもしれません。
あくまでも個人的な解釈ですが…。
ナギサさんから頂いたメールの言葉も含め、自分の中でも海人を深掘できるのはとっても楽しいのでこうして考えを聞かせていただけるのが嬉しいです。
此方こそだらだらと長く書いてしまい申し訳ないです。
自分の記憶が確かなら「海に住まう怪物」で気になった部分が夏希ちゃんと骸さんがどんな風に関わるのかが気になる、だったと思うので此方のエンディングの方で執筆させていただきました。ちょこちょこと加筆をして狡をしつつ、今まであまり書いてこなかった二人の話が書けて新鮮な気持ちでした。どことなく距離感のある中でどうやって骸さんなら声をかけるだろう?を考えるのが一番難しい部分で、ちょっと素っ気ないかな?とも思いつつ飾らない言葉の方が一番心には響くし骸さんらしいよなあっと。
夏希ちゃんも自分一人なら悲しみに暮れるゆとりもあったかもしれませんが、やはり守るべき家族・場所があるが故に自己を犠牲にしなければならなかった。悲しい時に目一杯悲しんで落ちる事が出来ないままだと変にずるずる行ってしまうというか、消化出来ないままシコリとして残り続けるなんて周りに居る人の経験を元にしていたりもしました。
死者の思い出話は実はTwitterで見かけた話で、素敵な考え方をする人がいるんだなと今回使わせていただきました。人だけでなく、愛したペットもそれは例外ではないそうです。亡くなった存在の話を語るのは勿論寂しさもありますが、故人の周りに花が咲くと思えば「今でもあなたを想っている」事を伝えられるんじゃなかろうかとも思います。人は肉体によって齎される一度目の死と、記憶から消滅する二度目の死があるとも言いますし、継峰海人の存在自体は現世にないけれど、形を変えてまだこの世に生き続けている。
そんなしっとりふんわりした話に仕上がっていたら良いなと思っております。
いえいえ!此方こそ貴重な機会をいただけて嬉しかったです、ありがとう御座いました!
それと番外編も気がつけば短編が35話?程度に増えておりまして…下に表示される今の形で読み難かったりはしていませんでしょうか…?
もし上に新しい話が表示される方が読みやすいかもって事があれば順番もいじれるので遠慮なく仰って下さいね!
此処最近は雨の日が続き、桜の開花はもう少し先になりそうだと連日ニュースで見かける度にちょっぴり残念な気持ちになっておりましたが…週末にはぽかぽか陽気に恵まれるとの事なので今から4月の訪れが待ち遠しいです。
イベント事も何かと重なる時期でもありますし、ナギサさんもどうかお体にはお気をつけお過ごし下さいね!