アイネクライネ

ちっぽけなこのひとりの人間を
この世界に存在させてくれた
ひとりの人間は
花とともに焼かれて消えた

顔も声もなにもかも
過去のものしか残らずに

いまを歩けない


昼下がりに出掛けた末にニコニコと
帰ってきたあなたの手には
大好きなぬいぐるみ
あの笑顔はいまはない。

いまはいない。

このちっぽけな存在があなたにできることはなにか。

毎日笑って生きることか。

それは結構難しい話。

でも、それがあなたの幸せなら
わたしは笑っていよう。

あなたが辛くても笑っていたように。


いつも笑顔をくれていたように。

小さな小さなたったひとりの人間が
ここで愛を叫んでも
届かないだろうけど、


愛してるから。


大好きな存在に、

ありがとう、愛してる。