今日も朝からバイとの筈、が
行ったら扉に張り紙が。
えーと…本日、機械の故障により…牛肉、豚肉を使用した商品は販売をお休みさせて頂いております…?
牛肉、豚肉…?
グ リ ル 死 ん だ ?
オペレーション要のグリルが死んだのか…?
急いで見に行くと、昇天なさっていました。フライヤーだけ元気だった。よかった、俺のフライヤーは生きてた。
とりあえず業者来て直してはいたが、ピーク来ても直らない。フライヤー必死。常にマックスで稼働しているにも関わらず、スレスレのオペレーションしかできない。
業者、申し訳ないが邪魔だ。
そして、配電盤いじられたせいでフライヤーもカウンターも停止することが度々。
お陰様でオペレーション止まってマネージャーに怒られました。じゃあお前らがやってみろよ。
お客さん待ってるのは分かる。ストレス溜まってるのもわかるさ。
けどな、動かないのは動かないんだよ。材料作れないんだから商品も出るわけ無いだろう。考えてみやがれ。
お客さん待ってるんだから!と言うマネージャー。
カウンターは人間を相手にしている。
オペレーションは機械を相手にしている。
人間はある程度応用が効く。
機械はそうも行かないんだよ。
設定されたとおりにしか動けないんだよ。
しかもそれを動かす電気がないと働けないのにさ。
心臓止まった状態で働けっていうんだ?
余りに酷いから、俺にもストレスがかかってしまったよね。
あんなの相手にしてもしょうがないから、今度から無視してやろう。
グリルは午後から三機中二機は復活したから、明日から使えるだろう。俺居ないけどな!
テスト上がりのバイトはかなり来るな。
歳だろうかまだ早いか。
しかし明日のコンテストに向けて練習せねばならぬ。
のに、だ
担当のマネージャーがコンテスト開始時間を知らないとか、今日の分のストックが足りないかもしれんとか、アリの駆除とか、問題起こしすぎだ。前日ぐらい大人しくさせてくれ。
マネージャー「sinさん、ジューシーあと3袋しか無いんだけど間に合う!?」
俺「あー…今日が出ない日だったらぎりぎり間に合いますね…」
マネージャー「やっぱり?もー発注信じらんない!!」
俺「出たらアウトですよ。出ないことを祈るしかないです。」
誰だ発注した奴。フライヤー殺す気か。
あれ無くなったら売り上げ伸びやしないぞ。
しかも、確認したら担当は知ってたみたいだし。探し回った俺の時間を返せ。10分はロスしたわ。だいたい、フライヤー管理してる俺に報告しろや。仕事しろ。
その後も、問題浮上の度に俺に聞いてきたり、報告するマネージャー達。
何だこの状況と思ったら、お局様からまさかのお言葉が。
お局様「いい?アンタオペレーションマネージャーになりかけてるんだから」
寝耳に塩酸。そんなこと聞いてないぞと反論したら
お局様「前にオペレーションマネージャーもどきしたでしょ?あれだよ、あれ」
ただの学生が、ここまでやってんのか。ここまでできるようになったのか。
感動なのか、絶望なのか。
取り敢えず脂汗はかいた。お局様、俺にオペレーションマネージャーは気の早い話です。
そしてあれだ。皆から「いつ辞めちゃうの?」とか切ない目で聞かれるのはかなり来る。頼む、俺を攻めるな。俺には就職というでかい壁が立ちはだかっているのだ。
別れを惜しんでくれるのは嬉しいが、毎日のように聞かないでくれ。夕食のメニュー聞かれている気分になる。
マネージャー「就職駄目だったら戻ってきていいんだよ!社員でもいいし!」
社員はあかん。死んでしまう。
死なないためにも就職頑張らねば。
マネージャー「待ってるから!」
待っていなくてよろしい。
実技テスト二日目。
今日はパンだ!愛しきパンだ! あいつら本当に可愛い。二次発酵以降の可愛らしさよ。
テスト中ですら癒しを与えるとか天使です。
今回は生地200g×2、50g×2の合計四個作成。俺は安定の出来 で、見学タイムへ
バーン
…なんぞ、この音は 周囲にはパンパンとか、ペチペチなど可愛らしい音しけ聞こえな いはずだが?
バーン
お 前 か
問題児が、まるで親の敵張りに殺意を込めて叩き伸ばしている。 鬼の形相とはこのことだ。
どうしたお前、パンになんの恨みが。 親でもとり殺されたか?お婆が喉につまらせたのか?
どちらにせよ何もそんな手に付くほど思い切って叩かなくてもい いだろう。可哀相だ俺のパンが。 悲鳴をあげているではないか。
そんな拷問を四回も見なくてはいけないのか。きっとあの生地 も、無念の思いだろう。
心の中で念仏を唱えながら、般若の如く睨みつけ、心の中で早く 帰りたいと願った午後のことだった