桜徒然


12月9日 22:26 :読書
『あの家に暮らす四人の女』

今日も朝から良い天気。
遅番なので朝寝坊できるはずだったのに、なんだか嫌〜な仕事の夢を見て、いつも通りの5時半に目が覚めてしまった…


今日の図書館は、図書館の入っている複合施設内でイベントがあったせいで、図書館利用者も多かった。
でも日没後は急に人がいなくなって静かだったなぁ。
冬の夜の図書館なんて、いつもこんな感じだけどね。
おかげで、カウンター業務の合間に自分の仕事が結構できて助かった。


担当の仕事は相変わらずバタバタと忙しい。
期限が迫っているのに思うように進まない仕事ばかりでつらいなぁ。
そんな時に限って、送られてきた書類にミスがあったり、来月の中学生の職場体験の準備やら事前打合せの予定が入るし、なんかもうぐったり。
ひとつひとつの仕事をなるべく丁寧にやりたいのに、なんだか自信なくなってきた。
愚痴ってもしょうがないので、とにかくやるしかないのだけど。
なんとか頑張ろう。




そんなこんなで、今日も本の話。







謎の老人の活躍としくじり。ストーカー男の闖入。いつしか重なりあう、生者と死者の声-古びた洋館に住む女四人の日常は、今日も豊かでかしましい。ざんねんな女たちの、現代版「細雪」。『婦人公論』連載を単行本化。






善福寺川の近く、古くからベッドタウンとして開発されてきた街にある、とあるお屋敷を舞台に、そこに住む4人の独身女性たちの春から夏にかけての出来事が描かれた物語。
登場する4人の女性は、世間知らずな鶴代と佐知の親子。彼女たちとは対照的に妙に世間ずれした雪乃。そして、ストーカーにあっているのに本人はほとんど危機感のない多美恵。



久しぶりの三浦しをん作品。面白かった!
でも、現代版「細雪」って感じはしなかったなぁ。
4人の女性たちの何気ない日常を描くっていうところはそうなのかもしれないけれど。
ちなみに、物語に登場する山田が著者の思い描く谷崎潤一郎のイメージらしい。
前半は4人の女性たちのごく普通の日常を描いていくのだけど、中盤である出来事が起きて、なぜか物語の視点が「アレ」になって、びっくり!
そこからは後半に向けて一気に、ぶっ飛んだストーリー展開。
ネタバレになっちゃうので詳しくは書かないけれど、前半と後半では印象が180度変わってしまう。


本の紹介文には「ざんねんな女たちの現代版細雪」なんて書かれていたけれど、全然残念な女たちじゃなかったなぁ。
個性が思いっきり強いけれど、チャーミングというか、それぞれが素敵な女性。
そして、鶴代・佐知母娘と雪乃・多恵美という血縁関係のない女だけの奇妙な共同生活がだんだん羨ましく思えてくるのが不思議。


物語中盤での「トンデモ展開」が受け入れられるかどうかで、好みが分かれそうな作品。
私は、意外と好き(笑)





話題:本の感想



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