空蝉の廻「結鶴」



●結鶴/ユヅル(cv田丸篤志さん)
鬼の一族の魂宮家の下働きの鬼。明るく元気だが、彼自身の存在は鬼の村では何故か浮いていた。






〜ネタバレ〜
(幸福エンド)
灯巌門の異変により、鬼の村へと訪れる主人公たちの前に現れたのは、まだ幼さ残り常に笑顔で明るい結鶴だった。
結鶴は人である主人公たちにも分け隔てなく語りかけてくれ、ただでさえ居心地が悪い鬼の村での滞在を穏やかなものにしてくれていた。
しかし結鶴と関わっていくうちに、鬼たちの結鶴への態度がおかしいことに気づいた。同じ下働きの鬼たちとは別の隔離された物置のような部屋、怪我をしても誰も心配してくれないどころか声すらかけないところ、そして何より長である魁の心のない態度。そして本人はそんな待遇にもただ笑ってる。異様なその空気に主人公が気になりつつも本人に聞かないでいると、聞こえてきたのは「半人半鬼のくせに」という言葉。
そう、結鶴は人と鬼のハーフだったのだ。
そんな頃、人の村に妖魔が出たと知り、主人公と共に妖魔を討伐にしきてくれた結鶴。半鬼にある彼は本物の鬼よりも力が劣るものの、妖魔への敵意が何故か物凄いため、いつも主人公たちを助けてくれた。
そして人の村で古祭りの書物を探し始めた際、事件は起こる。村に現れた一回り大きな妖魔、それを見た結鶴はいつもの何倍も怒りを現し、その妖魔に向かっていった。しかし深手の怪我を負わされた上、その妖魔に逃げられてしまい発作を起こしてしまう。そして発作が治ると一人夜中にその妖魔を探しに村の外へ出てしまった。あんな怪我をしていては絶対に勝ち目がないと思った主人公は心配をし、無理矢理結鶴について行く。
妖魔を探しひたすら歩く結鶴だったが妖魔は一向に見つからない。帰ったほうがいいと何度も語りかける主人公を無視し続けていたが、苛立ちがおさまらなくなったのか、振り返った結鶴の表情はいつもの笑顔ではなく、恐ろしい怒りの顔。そして一度口を開くと結鶴の言葉は止まらない。父は人で母は鬼、けれど両親が妖魔に殺され命からがら逃げた鬼の里では禁忌の子と疎まれた。邪魔にされ蔑まれ、取り入るために必死に働き媚を売り、常に嘘の笑顔を貼り付けた。そんな自分の気持ちを、祈女であるお前にわかるのか、蝶よ花よと育てられたお前にわかるのか。ただ、両親を殺した妖魔に敵討ちをするためだけに生きてきた自分の目の前に、ついに仇が現れた今、同じことが言えるのかと。
そう、あの妖魔は結鶴の両親を殺した妖魔だったのだ。
怒号を浴びせる結鶴を見て、主人公は自然と彼を抱きしめた。もう、一人じゃないと。私はずっとそばにいると。
すると結鶴は驚き、そして大声で泣き続けた。
その後、いったん村へ戻った二人だったが、そのことがきっかけで二人の関係は変わった。
主人公は結鶴がそばにいないと寂しいことに気づき、淡い恋心を抱いていた。結鶴も優しい心を持つ主人公に救われ、恋をした。
結鶴が見つけた秘密の場所である、彼岸花の咲く丘。そこに主人公を連れて行き、二人で花のそばに寝転んでお昼寝した。二人だけの世界はとても穏やかで、安心して眠ってしまった主人公だったが、やがて目覚めた夕方、真っ赤に染まる夕焼けと真っ赤な彼岸花に囲まれて、結鶴は主人公に口づけをしてくれた。夕焼け以上に真っ赤になる主人公を、愛しいと思えた。
その後、結鶴の父は泰臣の兄、そして母は魁の叔母であることがわかった。
そして、一人、門の事件の黒幕が知影であることに気づいた結鶴は魁にこのことを相談しに行くが、なんと血が繋がっている魁は結鶴よりも知影のことを信じるといい、人の血が混ざっている結鶴の話なんて信じられるかと言われてしまった。
とてつもなくショックを受ける結鶴だったが、主人公は自分だけは絶対に結鶴を傷つけないと言い、一晩中彼に抱かれながら慰めた。
しかし消沈するのもつかの間、泰臣だけは二人のことを信じてくれ、知影討伐のために準備を始めた3人。門の儀式が行われることになり、わざと知影を出し抜こうとする主人公たちは、知影がいったこととは別のことをし、知影の裏切りを暴露させることに成功した。ショックを隠しきれない魁だったが、結鶴と力を合わせ、二人は知影を討った。
結鶴が言っていたことが本当だったこともあり、魁は結鶴に謝罪してくれ、更に下働きではなく共に魂宮家で暮らそうと言ってくれたが、結鶴はそれを断り主人公と共に人の村で暮らすことを決意してくれた。
エンドロール後、結鶴が泰臣の甥であることがわかった泰臣ともなんだかんだと上手くやっており、結鶴は従者見習いとして主人公と泰臣のそばにいた。しかし飄々としている結鶴は何度もサボり、あの思い出の丘で寝転がる。主人公に膝枕をしてと甘える結鶴は、もっと甘えん坊だと言い、主人公に口づけをねだった。仕方ないと言いつつ幸せを想う主人公はそっと彼に口付けた。

(空蝉の廻)



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