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今更2012年に萌えたBL漫画ランキングを発表してみる2


昨日に引き続き発表の続きです。
今日は4位まで!



7位



木原音瀬さんのオリジナル原作と小椋ムクさんの作画!ということでcabの目玉連載として始まったこの作品も約4年の月日を経てようやく完結。
この作品が雑誌で始まった当時、わたしはBL小説ってあんまり読んだことがなくて雑誌についていた「キャッスルマンゴー」のプロローグ的な木原さんの小説「リバーズエンド」がほぼBL小説初読みでした。
懐かしい。いまはちょこちょこですが、小説も読んでいる感じになりました。

とまぁどうでもいいことはおいといて、この本とにかく分厚い!250p超えです。
1巻で十亀がゲイと知った万は弟を十亀に狙われていると勘違いして、十亀の注意を自分に引きつけるため、十亀に「酔った勢いで抱かれた」と嘘をつき、付き合い始めるのだが、次第に万自身、十亀のことを好きになっていってしまっていて……というところまでだったのですが、2巻はそんな「万が最初についた嘘」が十亀の知るところになり、同時にいろんな勘違いも重なってふたりがすれ違うエピソードを中心に展開されていきます。
すれ違いメインな上にさすが木原さんと言うべきか、ふたりの周囲に次々と「うへぇ」って思うような大変なことが起こるので、なかなか甘い雰囲気にはならないのですが、だからこそラストが美しく、特に十亀の変化がすごく愛おしく感じられるのが素敵でした。
「キャッスルマンゴー」2巻のその後のお話と十亀の過去が描かれる木原さんの小説「リバーズエンド」もとても素敵ですので、「キャッスル〜」が気に入った方はぜひこっちも。キャッスル〜のふたりがより愛おしくなること請け合いです。



6位



やーーっと新作でた!
河井さんすごく好きなのですが、もう遅筆で遅筆で……。
BL作家さんの遅筆な方のコミックスの出ない具合は冨○義博が聖人に見えるレベルです。

この作品もコミックスになるまで紆余曲折あったようで、元々はCRAFTさんで連載されていた作品を他社である新書館のDear+さんに移籍して連載続行、現在も進行形です(わたしたまたまDear+読者なのでリアルタイムで読んでいますが青春花〜が載るのは三ヶ月に一本がいいところですね…ああ、なんて遅筆なの河井さん…)

でも、面白いです(キッパリ)
繊細で美しい絵柄と、センシティブなモノローグ、何より演出力があって、物語にグッとひきつけられます。

あらすじとしては、所属していたサッカーチームから突然契約を切られたサッカー選手の竹中。
少し前に恋人とも別れ、自棄にやっていた竹中は学生時代にいろいろあった先輩・山崎に身を任せる。
未来のわからない、出口のない日々の中で竹中の脳裏に蘇るのはほろ苦く、もどかしかった懐かしい学生時代の記憶で……というお話。
現代編というべきプロサッカー選手だったが契約を切られたばかりの竹中が山崎と再会するお話は冒頭の2話のみで、そのあとはずっと学生時代編になっています。
物語は竹中と山崎先輩を中心に展開していますが、学生時代竹中が片思いをしていた同級生・古村と彼に名前も容姿もどことなく似ている竹中の元彼・吉村も今後お話に深く関わってきそうで、「過去、竹中と彼を囲む人間の間に一体何があったのか」が大変気になる展開。
こ、これを年に3回掲載されるかされないかのペースで読まされるこの鬼畜ぶり……!さすが河井さんです。
でも一生ついてく……。
気になった方はぜひぜひ!面白いことは保障しますんで!



5位



お話のあらすじとしては、流行らない探偵事務所をやっている鵜飼の事務所の隣にある日、新たに探偵事務所が開業した。しかも相手は高校時代の同級生の近道。同業者の隣に同業種の事務所を開くなんて非常識だと猛抗議した鵜飼だったが、近道にはアッサリ受け流されてしまう。高校時代の近道とのどうということもないのに今でも胸が少し痛くなる思い出と、小さい頃の鵜飼を襲った苦い過去。そして、今になって近道が鵜飼の前に現れた理由……いくつかの過去が繋がっていく再会ストーリー、といったところでしょうか。

連載をリアルタイムでおいかけていたんですが、初回は「んー、探偵もの…?」くらいの感じであまり好きなお話じゃないかなーと思いながら読んでいたんですが、3話くらいからの盛り上がりがすごく好きで。
1・2話でわけのわからんかった攻めの近道の心情が3話解き明かされるからでしょうか。
攻めがデレてようやく受けの鵜飼の可愛さも理解できて、一気に感情移入して読みました。
近道からあふれ出る「傍から見るとすげぇ出来る人なのに恋愛となると歪んでて残念ででもとにかく受けのことがすき」という一見パーフェクト中身駄目駄目ぶりが大変に好きです。

また、ギドさんの作品はどれもなんですが、ちゅーがえろくて可愛いです。
わりとさらっと、ガサっとした細い線の作画だと思うんですが、それが一瞬の表情を不安定に、だけど繊細に捉えていてものすごく萌える。
えろも同じでなんだかすごく幸せそうというか、お互いにすごく必死に、夢中になっている感じがするのがすごくいいなぁ、と思っています。

書き下ろしはそんなギドさんのえろくて必死なえろがいっぱい見られるのと同時に「このふたりにはお互いにしか埋められないものがあるんだな、だからふたりは結ばれたんだな」と実感できる素敵なエピソードになってますので、雑誌派の方も必見です!



4位



EDGEコミックスらしいオシャレな絵柄でリリカルに綴られる大学生同士の「ルームシェア」カップル話です。
読みながら「お前ら俺の家の隣に引っ越して来い!!今すぐだ!そう今すぐ!」と叫びました。
だってあんまり可愛いんだもの……。
キャラクターとしては大雑把でちょっと田舎者っぽくて世話好きで友達の多いノンケ(と思われる)の田中と、イケメンでクールで神経質でオシャレで面倒くさがりで交友関係狭めでゲイ(たぶん)の大原、という組み合わせで田中が攻めです。

作品としては「ルームシェアしてる大学生の生活・日常・些細なすれ違いと繋がりを描く」という感じで、イシノさんの漫画は線が太めで、コマも四角でキッチリ割られてることもあって、すごく淡々とした読み味なのですが、その淡々とした雰囲気がそのまま作品の空気になっていて、とても素敵です。

受けの大原はかなりツン強めの受けなのですが、1話に1回くらい「うわぁぁぁぁ」って叫びそうになるようなデレがあって、そこがもう転がるくらいに萌えます。
一見田中が大原のことが好きだから続いてるように見える関係が、実はずっと大原のほうの気持ちのほうが重いんだな、ってことがデレる大原の姿から伝わってくるんです。
あ、でもデレるって言っても大原が直接田中に頬染めて「好き」っていうとかそんなんじゃなくて、もっと間接的なデレです。
その愛を!田中に伝えてやれよぉぉぉって転がること何度目か……。
不器用な大原かわいいなぁ。気づいてない田中も可愛いです。要するにどっちもかわいい。

大学生のふたりはお互いにいろんなところが穴ぼこだらけで、駄目駄目で、でも、そういうふたりが穴だらけのまんまで一緒に小さな「家族みたいなもの」をやっているのがとても愛しい。

男の子ってなんていとしいの!と思える素敵なオムニバスです。丸々一冊ふたりのお話ですので、1話は短いですがかなり満足感があります。オススメ!


ものすごく今さら発表する2012年の萌えたBL漫画TOP10

こんにちは! ものすごくお久しぶりです。このブログを書いてる人、ゆきおです。
あけましておめでとうございますを言う暇もなく新年明けて3ヶ月が経過してしまいました。
アレ? こんなはずでは…。入学やら就職やらで環境がガラっと変わった皆様も、わたしみたいになんにも変わんない人も、今年も一年張り切っていきましょう(と言いつつもう一年の四分の一過ぎ去ってるけどね!)


では本題!恒例行事になっていた2012年に読んだもので面白かったBL漫画ランキング大発表です。
去年は殆どレビューできなかったので、もう語りたいことがいっぱいあってランキング自体はちゃんと去年に作っていたんです… 嗚呼、言い訳。



ドラマティックな感じで10位!




去年西田東さんは結構な冊数出て、どれも面白かったのですが個人的にはこれがダントツ良かった!
今回はブラックな西田さんです。ので、ギャグは薄め。

高校教師の城田には高校時代からの付き合いのヤクザの友人・姫野がいる。
姫野は時折城田の家にやってきては、何ということもなく帰っていく。お互いの間にある「何か」をまるで避けるように……

というような導入のお話。
攻め×攻めっぽい雰囲気でブラックで、やるせなくて、「善悪って? 愛って何?」といろんなことを考えました。
どうやっても「悪い」世界から抜け出せない、一生「いい子」「普通の人」にはなれない、悲しい「業」を背負った姫野をどうしようもなく愛した城田が、姫野のために何を決断するのか……そこがお話のキモになっています。

西田さんの作品は決して言葉で多くを語らないのですが、キャラクターの表情が、切り取られたシーンが、描かれた風景が、いろんなものを語って、胸にせまるんですよね。
そこがすごく好きです。作風としてはすごく地味で、絵柄も若い子中心にあんまり好かれない感じだと思うのですが、西田さんの作品はどこまでも「恋愛」であることに真摯な作品なのでぜひ一度お試しアレ!
邪道に見えて、どこまでも正統派の作風だと個人的には思っています。
わたしはカップルのどっちかが駄目人間なパターンに大変弱いのでこのお話と「ディヴィジョン」が大変お気に入りです。「LIFE,LOVE」もオススメ。




9位



石原さんも去年は珍しく多めにコミックス出て嬉しかったなぁ!
石原さんはちっとも完結しない現在進行形の長編と初期のガチサイバーファンタジーと単発系が作品リストにグチャグチャに並んでいて手を出しにくい作家の一人だと思いますが、個人的にこの「LOVE的」は石原入門にピッタリの作品だと思いました。
お話はなんてことありません。
フツーに格好いい、ちょっと悪いところのある高校生の親友同士の片方がある日突然「俺お前のことが好きで好きでたまんねぇんだけど、このカンジってお前をやっちまいてぇってことかな?」と言う……というところから始まるラブコメディ。
BLにはよくあるお話で、王道中の王道と言うべきシチュエーションじゃないかな。
もー今まで何百という作家さんが自分なりの「親友が突然おれを好きと言った」という話を書いていると思うのですが、やはりそこは石原さんですね。
男の子がクソ格好いい。
でも、「なにこのスーパー攻め様…?」みたいなあまりにスペック高すぎてこっちが引くような格好良さではなくて、人間味のある、「なんか探したらこんな二人いるかもしれない!」と思うくらいのリアルさと「いてくれたらいいな」という理想が程よく、しかも絶妙にブレンドされているんですよね。
ふたりの会話や距離感も「好き」といわれた瞬間に乙女思考になるのではなくて、あくまでバカを一緒にやっている親友同士の距離感を保ちつつ、「恋愛」という要素がときどき見え隠れする。
「ああ男の子ってこうでなくっちゃ!!」って思うわけです。
男の子同士の恋愛でなくてはならない理由のすべてがここにある。
BLって、素晴らしいものですね。これは決して少女漫画では描けないお話です。
石原入門にも、BLの原点に立ち返る意味でもぜひぜひ!



8位



去年鮮烈にBL業界に現れた少女漫画からの刺客・緒川さん。
なんでも元々は花ゆめ系で活躍されてた作家さんだそうで(別名義ですが)
しかもご本人は双子の姉妹で姉妹も花ゆめで描かれている漫画家さんらしいです。
二重にビックリ。
(単なる噂なので真偽のほどは知りません。でもおそらく本当、かな?)

去年の暮れに出たリブレの18禁アンソロでも鮮烈な作品を描かれていて(これも大変よかったです。もはやバッドエンドレベルの痛々しさ。世界中に大切なものは相手しかいない系破滅BL)、痛い系のお話がお得意なのかなー?と思っていたのですが、先日出た2冊目の単行本「このおれがおまえなんか好きなわけない」はガッチリコメディで、こっちもすごく面白かったです。
いろんな作風を描けるマルチ作家さんでした。今後も要注目だと思います。

で、本題の「王子と箱庭」ですが、このお話は世話係がいるほどのお金持ちの子どもだった譲はある日、父の会社の倒産でお金持ちから一転、住む家もないその日暮らしのホームレスに成り果てる。
詐欺の片棒を担いだりして日々を暮らしていたのだが、ある時昔住んでいた豪邸を譲の世話係をしていた岩瀬という男が買い取って暮らしていると知る。
岩瀬を騙して金を盗もうとする譲だが、逆に岩瀬に捕らえられてしまい…?というお話。

監禁×主従×騙し騙され というなかなかハードな要素を詰めつつも全体としてはそこまで暗くなりすぎず、とても読みやすくまとまっているのが印象的なお話です。
どこまでも暗く陰鬱に描くこともできるテーマだと思うのですが、元々緒川さんの絵柄がかなり繊細でせつなげな雰囲気なのであんまり悲惨なことを描くとちょっとコワイくらいになってしまうので、とてもバランスがいいなぁ、と感心しました。
だからといってお話がナイヨーな雰囲気漫画ではなくて、ちゃんとキャラクターの心情を追って繊細にお話が展開していく構成は見事。
岩瀬の愛なのか執着なのかわからないけど、とにかく自分しか見ていない盲目にとろかされて、甘やかされて「期待」していく譲の感情の変遷には胸が痛くなります。

さすが他のジャンルで描いていた人だな、という感じでとにかく変形ゴマや時間のとり方、モノローグの挿入の方法がすごく上手くて、とにかく読ませる漫画。

また、同時収録の「断熱線上の鼓動」という前後編もものすごく良かった!
高校生同士のヒリヒリした感情を「境界線」というモチーフを上手く使って印象的に描いておられました。
緒川さんはすごくセンスがよくて、出てくる小道具とかキャラの履いてる靴とか、オシャレで好きです。

攻めがどっちもヤンデレチックなのもほの暗い雰囲気に一役買っていて、良かったなぁ。

ちょっと痛いくらいのお話が好きな方にオススメです。




長くなってきたので続きはまた今度!



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