真夏日。今日は35度を超える猛暑日らしい。そんな中、博麗神社から声が聞こえてくる。
「あー今日も暑い暑い。あの氷の妖精とやらはどこへ行ったのかしらね。」
一人声を震えさせ、バタッと倒れる霊夢に、もう一人の少女が寄ってくる。
「なにしてるんだよこんなとこで。今日も賽銭箱はからっぽなんだぜ?何かしようと考えないのかよ?」
白黒の魔法使い魔理沙は、霊夢を馬鹿にするように話しかける。
…ただ、いまの霊夢には言い返す気力もない。
「ちょっなんか言ってくれよ!!」
そんな叫び声を魔理沙があげる。
「分かった。わかったからちょっと黙ってくれないかしら?」
「どうしたんだ?なんか予感でも…。」
霊夢は顔をあげて魔理沙に言う。
「まぁ、気のせいよ。何もないわ。」
「どうしたんだよ霊夢?なんか変だぜ」
魔理沙が少し心配そうに言うと霊夢がいきなりこんなことを言い出した。
「…っ!?やっ…なんで!?忘れた筈なのに…!」
「おい、どうしたんだぜ霊夢!!」
そこに、一人の月の住人。
「あら、騒がしいわね。どうしたの?」
「霊夢が…霊夢がおかしいんだ!」
月の頭脳と言われる八意永琳は、すぐさま霊夢の元に駆け寄る。
永琳によると、霊夢は忘れたはずの記憶をすべて思い出し、発狂したらしい。
「魔理沙、分かってる?異変…今回は魔理沙達だけよ。解決できるのは…。」
魔理沙は、大きく頷いた。
「私が解決してみせるぜ!霊夢の分!」
そう言って、魔理沙は博麗神社を後にした。