奥さんが,子供(こども)を抱(だ)いて,表(おもて)でひなたぼっこをしていますと,道(みち)を通る(とおる)人が,子供を指差し(ゆびさし),ニューバランス996「ほんとに,この子(こ)は,東西南(とうざいなん)じゃなあ。」といって通ってゆきました。 奥さんは,誉(ほ)められたと思い,嬉(うれ)しそうに家(いえ)に入ると,ご亭主(ていしゅ)に言いました。  「のうのう,おまえさん。どこの人か知らないが,この子のことを,東西南じゃと,とても誉めていかれましたぞ。」というと,ご亭主,「風呂(ふろ)にでも入れて,表へつれてでな。東西南とは,北(きた)ないということだぞ。」 一人のどけち者が、道中、水かさの増した川に出くわし、渡し舟の料金を出し惜しんだ。それで懸命に川を歩いて渡ろうとして、川中で流れが激しくて、倒れてしまい、半里ぐらい流された。息子が川岸で舟を探して、父を救助しようとした。舟主はお金を請求し、一銭出してくれれば舟を出そうと言う。息子は五分(五分は一銭の半分にあたる)だけなら出すと言う。こうしてなかなか決まらないでいる内に、父親は死に際(しにぎわ)に、ニューバランス1400息子のほうに向いて大声で叫んだ、「おいおい、五分なら助けてくれ、一銭なら助けなくてよいぞ!」