カテゴライズ

話題:ライトノベル


ライトノベルのカテゴライズってどうなってるのかなあ。と思って話題書き。

確か
ライトノベル
→少年少女向けヤングアダルト小説カテゴリ。表紙や挿絵にイラストレーターや漫画家を使用することで読書へのハードルを下げる。キャラクター中心に展開させるためキャラクター小説とも。
みたいな認識なんですが大丈夫でしょうか。


最近まとめブログなんかを見ていると「ライトノベルの劣化がひどい」みたいなものを時々見るのですが、その傾向を見ていると「劣化しているライトノベル」というのはラノベカテゴリの中の電撃、ガガガなどのレーベル、しかもその内一部のように思われます。


ここで気になるのは、ライトノベルというカテゴリが特定レーベルに限定されて全体を語られていることについてです。


ライトノベルというのは何も電撃やガガガやスニーカーといったレーベルのみを指すものではないはずです。イラストレーターを表紙や挿絵に起用したいわゆるラノベというのは、角川ビーンズやコバルトなど少女小説や、講談社ノベルスなどもライトノベルに当たります。また最近では電撃発行元のメディアワークスからは表紙のみイラストレーター起用で挿絵なしのメディアワークス文庫が発行されました。これは電撃文庫から卒業して、一般図書に移行する世代をターゲットにしているようです。このメディアワークス文庫からは本屋大賞ノミネート作品も出たようですね。


とまあこのようなライトノベルレーベルはいくつもあるにもかかわらず、実際に「劣化」として語られるのはごく一部のレーベルの更に一部だけです。その一部を取り上げ「ライトノベルは小説ではない」と言う。
ちょっと視野が狭い感じは否めないですね。


さて話はちょっと変わってしまいますが、最近映画化もされた有川浩さんの図書館戦争について。
あの図書館戦争シリーズも発行されたのはメディアワークスでした。文庫化されたのは角川でしたが。そもそも有川さんのデビュー作「塩の街」は電撃文庫の作品ですね。その塩の街も現在では角川で文庫化され一般に受け入れられています。
同様に乙一さんの作品。乙一さんも元々はジャンプ小説大賞からデビューしたラノベ出身者です。スニーカー文庫でもいくつか作品を出していて、私もその文庫から乙一さんを知りました。その後乙一さんは角川文庫などいわゆる一般カテゴリからも本を出していきます。いくつか映画化もされましたね。
これらは一例に過ぎませんが、「劣化している」ラノベの中から一般図書への進出や映画化があるというのもまた事実です。そしてその本が実際に評価されているというのも事実です。
そもそも一般小説の中にも大衆文学(エンタメ小説)と純文学という大きな括りがあり、ライトノベルは大衆文学の一カテゴリです。そのため大衆文学を好む一般読者がライトノベルで評価されたものを評価するのはある種必然でもあると思います。ライトノベルなんてものは基本的にエンターテイメントの固まりのようなものですし。


実際に私がライトノベルレーベルで読んでいた物がいくつも一般文庫に形態を変えて販売されているところを見ると、劣化というよりはむしろライトノベルが一般に近づいてすらいるのではないかと考えます。
まあまた別の見方をすれば読者のレベルが下がった(こういう言い方もアレなんですが)とも取れるので一概には言い難いものがありますが。


それでも、ライトノベルの一部を見て「劣化」と取るのは些か早計であり、また「小説ではない」と断じるのは一般図書として販売されているものも増えてきている点から傲慢な考え方であると思います。


以上、最近ラノベは作家買いしかしてないのですが、過去電撃のキノ旅やMissingを愛読していた立場からの一私見でした。