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頼むから黙って、ただ愛させてくれ


話題:名言


「頼むから黙って、ただ愛させてくれ」
という言葉を時々目にしていて、懇願する感じが片恋のようでいいなあと常々思っていた言葉だったんですが、ついさっき「元ネタはなんだ?」と検索してみたところ、意味合いは全然違う言葉でした。
とりあえず参照したURLを貼っておきます。
chie.mobile.yahoo.co.jp

この言葉はジョン・ダンという詩人の言葉で、実際の訳は「どうか後生だから、黙ってぼくに恋をさせてくれ」だったようです。これだけならまだ恋愛っぽいですが、実際には「きみは世俗の富を追い求めていろ、自分は恋人とその愛の奇跡ゆえに聖人として列っせられる(知恵袋より引用)」と歌っている詩、だそうです。えらい違いですね。


同じような勘違いを検索で正されたもう一つのケースは
「時よ止まれ!汝はかくも美しい!」
ですね。かの有名なファウストの一節です。お断りしておきますと私はファウスト未読です。内容は大体把握していますが。
この台詞も初めて見た時は恋愛の格言の一つかと勘違いしていたのですが、実際にはファウスト自身が理想とする国家の中の彼らと共に過ごしたい、その瞬間に向かってならばこう言えるだろう「時よ止まれ、汝はかくも美しい」と。という流れで言う言葉である上に、ファウストの中ではこれを言わせるためにメフィストフェレスが様々な画策をする物語でもあります(※要約と粗筋は未読者が書いたので適当です)
まあ自分の知識不足が原因ですが思い込みって怖いなあと思いました。


一つの物語に組み込まれていれば前後の関係から正しい意味に捕らえられていた言葉が、一文だけを取り出して読むことによって全く別の物語を生み出していく姿はちょっと興味深いですね。
そうやって一文から派生して作られていく思い込みの物語は、その人自身の鏡の役割を果たしているのかもとも思います。外部情報がないからこそ、その一文に情報を付加していくのはその一文を拾い上げた人そのものです。だからこそ、その人自身の内面をその一文に投影して読ませるんじゃないかと。
だからこそ、その一文が勝手に独り歩きしていくのではないか、なんて根拠のないことを考えてしまいました。
言葉って難しいですね、はい。


あ、今更感溢れていますが、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
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