「移民」と日本人

クルド人経営者「日本人がやらない仕事」 フェラーリ投稿で炎上も

解体資材置き場が集中する地区。重機が休みなく動いていた=8月10日、埼玉県川口市
解体資材置き場が集中する地区。重機が休みなく動いていた=8月10日、埼玉県川口市

埼玉県川口市の在日外国人らが運営する解体資材置き場周辺で地域住民との軋轢が生じている問題で、解体工事会社を実質経営する30代のトルコ国籍のクルド人男性が取材に応じ、「日本人がやらない仕事をやっている」などと流暢な日本語で語った。男性は難民認定を5回申請中で住民票や在留カードもない事実上の「不法滞在」の立場だという。

妻が代表、自身は会長

男性の会社は資材置き場の集中地区にあり、高い鋼板の壁に囲まれて中の様子はうかがえない。事務所は黄色い平屋の建物で、壁には「解体工事おまかせください!」と日本語で書かれた看板があった。

日系ブラジル人で正規の在留資格を持つ妻が代表を務め、自身は「会長」として実質経営する。クルド人ら作業員を20人ほど雇っているほか、役員や従業員には日本人もいる。

午前6時すぎ、一帯ではトラックや大型ダンプが住宅地の狭い道を頻繁に出入りしていた。行き先は県内だけでなく、関東7都県に及ぶという。

「自分のような会社を頼ってクルド人が集まってくることは否定しない。日本人のやらない仕事を、日本人の業者から安いお金で下請けし、朝5時に起きて夜8時まで働いている」

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複雑な在留資格

平成14年、先に来日していた父親を頼って日本を訪れ、川口市内の小学校へ通ってから約20年間、同市内に在住。その間、トルコでの政治的迫害を理由に難民認定申請を4回繰り返したが、認められなかった。現在は5回目の申請中で、入管施設への収容を一時的に解かれた仮放免中の立場だ。住民票や在留カードもないという。

一方で外国人の中には「特定活動」として最長5年の在留資格が認められる人もいる。特定活動は、法務大臣が個々に認める資格で、一般的には大使館の使用人やワーキングホリデーなどが該当するが、難民申請中の就労確保にも暫定的に適用されるなど複雑だ。

川口市内で在留資格を持つクルド人の多くはこのケースとみられるが、令和2年には就労が認められていないクルド人を解体現場で働かせたとして、クルド人の代表取締役が県警に摘発される事件もあった。

男性は「仮放免中のため、数カ月に一度、東京出入国在留管理局へ出頭している。不安定な立場だが、仕事は続けられている」と話すが、法務省によると仮に「特定活動」で在留が認められている場合でも、会社役員のような雇用する側に就くことは原則認められていないという。

「移民として認めて」

川口市で暮らすクルド人をめぐっては、資材置き場周辺のトラブルのほかにも、暴走行為や窃盗、性犯罪も問題化している。

男性は「日本人も中国人もトルコ人も悪さをする人はいる。なぜクルド人だけをやり玉に挙げるのか」と憤る一方で、「まるでトルコで生活しているように振る舞うクルド人がいることも認める」とも言う。

男性は公園のごみ拾いや草取りに参加しているほか、東日本大震災や熊本地震の被災地でボランティア活動もしたと言い、その写真も見せた。

「本当は『難民』として認められたいのではない。日本への『移民』として認めてほしい。日本で家族と暮らし、日本のために役立ちたい気持ちをわかってほしい」

男性は高級車フェラーリを〝所有〟しており、今回の取材直後、時速170キロ以上で乗り回す動画を交流サイトへ投稿していたとして、「自称難民が高級車を購入」などとインターネット上で批判された。

男性は「投稿したのは3年も前の話だ」と事実を認めつつ、速度超過については「映っているのは自分ではない」と否定した。

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