話題:二次創作小説
初話題書き^^
※咎狗の血
シキアキ小説
とらあなEND
ただの妄想
時々、本当に時々ではあるが、アキラは自分を抱きしめている男が愛しくて仕方なかった。
しかしこの感情を処理する方法を、アキラは残念なことに知らなかった。
「…おい、苦しいだろ。」
「全く、少しは素直になったらどうだ?」
少しからかうような口調がアキラのお気に召さなかったらしい。またいじけて黙るという、いつもの癖が出た。本人は自覚していないらしいが。
その様子がひどくシキを喜ばせた。先程から、抱きしめる力を強くしている。
このままでは本当に苦しい。身体も、そして、何故か心も。
「本当に、苦しいんだ。」
何故か泣きそうな声色に少しギョッとしつつも、ちらっとシキのほうを見た。
そこには珍しく愕然としてこちらを見ているシキの顔があった。
何故そんなに驚いているのか、理由がわからないアキラは、どうしてもこのままだと泣いてしまうと判断して、シキの胸板に顔を押し付けた。
好きなんて知らない
(君に会うまではこんな気持ちにはならなかった)