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φ[止まらない]習作


重苦しい空気が、じわじわと神経を蝕む
或いは、既に狂っていたのか

研ぎ澄まそうとした神経は、いつの間にかぼろぼろに傷んでいた



気付かなかっただけ――否、見ない振りをしていただけ

本当は知っていた
もうどうしようもないってことくらいは



それでも、
立ち止まる訳にはいかなかったんだ

壊れたブリキのクルマのおもちゃみたいに




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φファッキン・エゴイスト


浮ついた心のファッキン・エゴイスト
体だけ繋いで

すれっからしの振りしたファッキン・エゴイスト
幾つもの心を玩ぶ

それはただの暇潰し
愛なんてそんな重たいもの、欲しくない

だから体だけでいい
心は要らない
刹那的な好意と快楽さえあればいい


どうしようもないファッキン・エゴイスト
本当は愛されたい癖に


満たされる事を知らない、ファッキン・エゴイスト


哀れなファッキン・エゴイスト




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φ少女趣味



少女は想う。
自分の心臓が最後のひと仕事をし、ことりと動きを止めるその瞬間まで、一生恋をし続けていたいと。

少女は大人になっていく。
夢見ていた恋が、幸せな笑顔が、切ない溜め息が、些細な諍いが、少女を大人へと変えていく。


嘗て少女だった大人は思う。
ずっとこいをしていられたら、
どれだけせだろう。

嘗て少女だった大人は、知っている。
そんなものは幻想でしかないと。




嘗て少女だった大人はそっと生涯に幕を下ろした。
哀しげな笑みを残して。



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φ疑心暗鬼


僕の眼に映る薄暮は
茜色と藤色

でもそれって本当なの?

僕の眼は世界を正しく映しているの?

疑い始めると地に足が着いていない様な心許なさに襲われて
立っていられなくなるの

ねえ、虹は本当に七色なの?
イチゴはあかいの?
ミルクはしろいの?
ブルーフィルムはあおいの?
雨は後悔の色をしているの?
溜め息は絶望の色をしているの?

笑顔って何色なの?



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φ吐息



吐く息が白いのは
寒さのせいなんかじゃなくて
絶望が白い色をしているからさ

僕は絶望を吐き出して
誰かが吐き出した絶望をまた吸い込む

それなのに

世界が絶望で満ちる事がないのはなんでなんだろう

君が幸せである様にと祈りながら絶望を吐き出す僕の姿は
とても滑稽で
醜くて
愚かだ



でも

それが人間だ





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