どうせ眠れないし、三井さんの誕生日だし、せっかくなのでSSを。
宮城×三井
しんどい練習を終えて部員全員で疲れた疲れたと言い合いながら練習着を脱ぐ。
最近暑くなってきたもんだから体は汗でベタベタ、Tシャツはびちょびちょだった。
新しい服を着る気になれない。
少し涼んでからにしようと宮城はそのままパイプ椅子に腰掛けた。
お疲れ様ーと着替え終わった部員が部室をあとにする。
ふと気付けば残るは自分と、着替えを済ましてバスケ雑誌を真剣に読んでいる三井だけだった。
待っててくれてんのかな。
そんなことを思いながらそろそろ着替えようかとシャツを手に取る。
「おい」
いきなり声をかけられて「ん?」と宮城は振り向いた。
「おまえ、なんか俺に言うことあんだろ」へ?と宮城は首を傾げる。
「だから俺に!!」
「…」
少し考えてみたものの何も浮かんで来そうにない。
仕方無く宮城はそのままを口にする。
「なに?三井さん」
なんの心当たりも無かったので普通にそう聞いてしまった。
「なっ…!!!」
自分の言葉に驚いたような、怒ったような顔をした三井を見てすぐにやばいと思った。
これは地雷を踏んだ。
「おまえそれ本気か!!!!」
赤い顔をして怒鳴られて本気で焦る。
この人は何をこんなに怒っているのだ。
そんなに怒られるようなことをした覚えが全く無い。
「え、三井さん?」
「もういいっ!!」
真っ赤になって出口へと向かう三井を必死に呼び止めながらふと壁にかかったカレンダーに目がいった。
22という数字に赤い丸がつけられているのを目にして思い出す。
確か数日前に三井は言っていた。
俺を祝え、と。
「あっ!!三井さんっ!!ごめん!!!」
分かったから!と三井の袖を思い切り引っ張る。
「三井さん、分かった!」
「ちょ、伸びるだろ!バカ!!」
怒鳴る三井を無視して宮城は続けた。
「誕生日、おめでとう!!」
それから気付かなくてごめんと付け足した。
一瞬空気が静まり返る。
「…わ、」
忘れてんなバカ、そう言ってふいっと顔を逸らした三井の耳は真っ赤に染まっていた。
終わり
友達以上恋人未満な感じ?
自分で書いててよく分からなくなってしまった;;
三井×木暮
本当はかなり前からそわそわしていた。
多分、一週間前くらいから気になっていた。
だけどなんでもないフリをして、全然何にも気付いてないフリをして昨日もいつもと変わらない一日を過ごした。
いつもと同じ時間に家を出て、いつもと同じやる気の無さで授業を受けて、いつもと同じ熱さでバスケをした。
家に帰って少しどきどきしながら電話を待っていたけど一向にかかってくる気配は無くて、ふてくされながらもしかしたら夜中にかかって来たりしてとか思いながら眠りについたのに普通に朝を迎えてしまってむかっとしたので学校はサボることにした。
部活の時間が近づいて来たから学校に向かって、いつもみたいに部室で着替えて、いつもみたいに体育館の扉を開けるとそこにはやっぱりいつもみたいに誰よりも早く来てモップをかける木暮がいた。
「…よう」
「あ、三井。おはよう」
今日学校サボっただろうと叱るような口調で言われたのでうるせーと返した俺になんか機嫌悪い?と木暮が聞いてきた。
誰のせいだと思ってやがる、と思ったことは口にせずに別にとだけ返しておいた。
木暮は一瞬「ふーん」と納得していない顔をしてから「あ、」と声を出した。
「三井」
呼ばれて振り返る。
「誕生日、おめでとう」
言ってなかったねと穏やかに微笑まれて少し恥ずかしくなった、と同時に、許してしまった。
「べ、別に気にしてねーし」
咄嗟にそう言った俺に、ならいいけどと言って木暮はモップを直しに倉庫へと向かった。
あの笑顔は反則だと思う。
なんか、なんつーか、あんな風に笑ってくれんだったらぜんぶもういいやって思ってしまうんだけど。
はぁ、と小さくため息を吐いてから惚れた弱みってこういうことなんだろうなと三井は思った。
終わり
こちらは付き合ってる…かな?
私は三暮が割と好きです。
三井さんのわがままを笑って受け入れる木暮くん、いいと思います。