少女七竈と七人の可愛そうな大人
角川文庫/桜庭一樹
2009-12-14 21:00
久しぶりに
最初は違和感の塊。
舞台は昭和から平成にかけて、
普通の女 川村優奈 と
美しい少女 川村七竈 の
お話。
なんというか
桜庭さんの安定した不安が好きなのか嫌いなのか分からない。
話し方も、丁寧というか一昔前な雰囲気が、狙ってるのか、と。
物語の中盤からかな
美少年(七竈の親友) 雪風の話から、私のなかで何かこの物語が変化して、
突然、七竈や雪風や北海道の広く冷たいものが、きれいにみえてきた。
読み終えた今、七竈の持つ宗教的な美しさに魅了されたというか
信者になったのかも、と思う。
タイトルの通り、七竈とせまいせまい世界の中で過ごす可愛そうな大人たち、
感情を巧みに殺して、かげで苦しんで、川村優奈を初めとして複雑な縁でからみあって、
たしかに、可愛そうだなとわたしも思いました。
桜庭一樹の作品は怖いもの見たさに読んでしまう感覚がわたしの中にあり、
不安の中読みすすめていく内に、何か壊されて気がつけば終わっていた、と言うことが多いです。
お粗末様。
今は夢野久作の少女地獄を読んでたり
森見登美彦の新訳走れメロスを読んでたり。
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