ここにはもうカートもヴィシャスもいないから
05/13 05:10
※午前五時のテンションって一体なんなんでしょうね

今、これを書きながら、【モテる洋楽】夏のドライブに聴きたい名曲たち、というつべの作業用BGMを聴いているのですが、気付いた、最近の私はどうやらドライブに行きたくて仕方がないのだ!そう……峠を下ると、木々の緑で覆われていた視界が急に明るくなり、僕は思わず目を細めた。まっすぐに伸びる長い道の先には、藍い海と蒼い空。太陽の光を浴びた海の水面は、無数の宝石を散りばめたようにキラキラと輝いている。君が車の窓を開けると、冷房が効いていた車内に磯の香りを含んだ熱風が吹き込む。僕は君を乗せて、海岸沿いの直線道路を車で走り抜ける。何もかも、どうでも良いと思った。非日常の僕を演じたいと思った。僕の体は文明によって生み出された人工的な毒で穢れている。早く、全て汗と一緒に溶けだしてしまえ、と願った。僕はカーステレオのボリュームを上げる。君は嬉しそうに僕を見て微笑んでいる。僕も横目で君に微笑む。風に靡く君の長い髪。ホワイトアスパラガスのような君の細い指。あぁでも、どうしてだろう。僕は君の事なら何でも分かるような気がしているんだけれど、どうしてだろう、僕はまだ君の名前を知らない。みたいな?※お薬二週間分お願いします
そして、落ち込んだ人を全力で応援する洋楽、という和訳字幕付きの作業用BGMも聴いていたんですが、別に私は落ち込んでなどいません(だからどうした)。が、その中のcoldplayのfix youの歌詞を読んで勝家…ってなってしまったので私多分疲れている。心が…心が…!疲れている!
今ちょっとだけ勝家に優しくしてあげたい気分。
以下感想文もどき。

人生解毒波止場/根本敬
非常にサブカル色の濃いエッセイ。
店の入り口が手書きのビラで埋め尽くされている電波喫茶。タクシー運転手から聞いたエロ話。自称三代目タイガーマスクになるはずだった男。ゴミ屋敷に住み生ゴミを食べるお婆さん。ストリートでスカウトした親父たちのファッションショー。などなど…醜悪で、凄まじい内容のオンパレード…
本編?に入る前のカラーページに、満州抗日遺跡巡り、という写真つきの漫画があるんですが、正直ここで読むのを止めそうになりました…
人間って、本当に醜い生き物なのだなと改めて辟易したんですが、だからこそ私は人が愛おしくて堪らない。人が、自分が常識人だと思っている人間が、社会が、目を逸らしたり見ないように蓋をしている世界やそこに住む人間に、根本氏はどうしようもなく惹かれるんでしょうね。差別的だとか馬鹿にしているわけではなくて、本当、どう形容していいのかわからないんですが、愛を感じたのですよ。いや、その愛情がまさしく毒なのかもしれない…
観念絵夢という日本を代表するプロのマゾヒスト(ってなに)の方がインタビューで、「人間は生きている限り常にSMだから。会社でも学校でも人間関係でもね、辛いことばっかりでしょう」と仰られているのですが私このお話でえぐえぐ汚い声を出しながら泣いてしまった…もう、すごいの…なんか、この方の、全てを受けいれるという「快感」が愛そのものというか…哲学的で、そう…!解毒された…私、解毒された……!※病院が来ません
まぁ正直言うと乙女のみなさんにあまりオススメはしたくないのですがね…

昨晩お会いしましょう/田口ランディ
読んだ時期が悪かったのでしょう。終始セックスセックスセックス…と続くとあーうんそうだね、って気持ちになってしまい(俺の必殺オブラート)、更には堕胎の描写があまりにもリアルであー、うん…って曇り空な気分にもなったんですが、あとあと考えたら読む時期が違ったら登場する女性たちに何かしらの共感を抱いたのかも知れない。「満月」とか「深く冷たい夜」とか。本当は傷つきたくないのに自分から傷つく方法を選んで傷つきたくないという心の弱さを誤魔化そうする傍から見たら完全に迷惑極まりない女。構ってちゃんというより、派手な自暴自棄。でも、読んでいて嫌悪感がじわじわと私の心に滲んできたのは、女にしかわからない、うんざりするような女の醜悪な部分が眼前に迫ってくるからどうしても目を覆いたくなる、あーうん分かるよ、分かる…でもね…!と「同じ女として」否定しなきゃいけない気がしたのです。つまり面白かったんですよ。登場する女性達が、友達とか、友達の友達とか、そういった、すごく身近にいる人間のようで。
そんな中で、最後に収録されていた「ウキタ夜話」はちょっと異色で、私はこのお話がすごく好きでした。全体のお話は非現実的な出来事なんだけど、恋愛は非現実な事じゃなくていつも現実的なものとして日常の中に常に転がっている。特別なドラマなんてない。でも女はいつも恋愛にドラマを求めている。主人公の中年女性が終盤凄く可愛いんだけど、それはあの島にいるから許される可愛さであって、元の生活に戻ったらただの痛々しい中年女になるのかも知れない…と思ったら、やっぱり海に行きたいです、君の車で、ハンドルを握る君の綺麗な横顔を眺めながら、次のカーブでハンドルを切らずに思いっきりアクセルを踏み込んで飛び降りてしまおうと心の中で叫びながら、私は無言で君に微笑むから。

午前中だけ寝ようと思います…



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