解ってる。解ってた。
ソコは砂の城なんだと。
どんな欲望も満たされる。
どんな醜態も許される。
どんな願いも受け入れられる。
ソコではワタシは躯を突き上げられ、
捻り上げられ
歓喜の汁を思い切り
迸しらせることができる。
優しい手で、器用な指で。
飽くなき探求心と好奇心とエロイズムに塗れた瞳で。
どんなに深く強く悶えて
悦びの雫を溢れこぼしても
ワタシには何の痕跡も残らない。
カレにも何も残らない。
どれだけ濃い時間を一緒に過ごし重なり繋がっていても
一歩踏み出しなら幻。
ベッドのシーツがしどどに濡れそぼっているだけ。
全て、幻。
砂の城…。