私ばかりがあいつを好きで嫌になる。あいつの事だから、付き合ってくれているのも「慈悲深い私は更に美しい」だの、そんな下らない自己愛に決まっているんだ。


「はいはい、ご馳走さま。滝ちゃん、三木ヱ門が大好きだから素直になれないんでしょ。そんなことも分からないの。」


小一時間に及ぶ愚痴を黙って聞いていた(ように見えただけで、こいつの事だからずっとプリンの事でも考えていた可能性も大いに有り得た)綾部にあっけらかんと返されて、予想外の返答に動揺した。


「三木ヱ門って、滝ちゃんのこと何一つ分かってないんだね。あんまり煮え切らないようなら、私が滝ちゃん貰うから。」


小一時間に及ぶ愚痴を黙って聞いていた(ように見えただけで、考えの計り知れぬこいつの事だから、今更ながら滝夜叉丸の事を考えていた可能性だって大いに有り得た!)綾部にあっけらかんと返されて、更に予想外の返答に動揺した。


「滝ちゃん自ら三木ヱ門を選んだから黙ってたけど、どう考えたって選択ミスだもの。…うん、私が貰う。もう決めた。」







(一難去ってまた一難)






-エムブロ-