「可哀想な子。」

やあだ。何言っちゃってるの、この女。私はたくさんのブランド品、可愛いお洋服にアクセサリー、お金を貢いでくれる何人ものパパ、骸ちゃんという恰好良いボーイフレンドまで持ってるのよ。

「可哀想ね。」

可哀想なのはアンタの方よ。安っぽい服に身を包んで、そんなダサくて経済力のない赤ん坊が愛人ですって?しかも愛なんか信じちゃってバッカみたい!世の中お金が全てで、絶対で、不変なのよ。



「本当に貴方が欲しいのは、」

「───黙りなさいよ!」



聞きたくない聞きたくない。アンタの口から次に出るであろう言葉は酷く私を傷付けるわ!分かってる、分かってるのよ。本当にこの世で一番尊いものが何なのか。私が持っていないものなのよ。

持っていないから気付かない振りをしてたのよ。それを認めたらきっと私、膨大な虚無感に潰されて壊れてしまうわ。与えられた事も与えた事もないから、私、それについて何一つ分からないの!



『amore』







-エムブロ-