「私、ベルになら殺されてもいいと思ってるわ。」

「王子もパンテーラになら殺されてもいいかな。」

「その時は純白のドレスを着るわ。愛する人に殺された血で染まったドレスなんて素敵!」

「ドレス?死ぬ人間が着飾る必要なんかねーじゃん。」

「死ぬからこそ綺麗でいたいのよ。ベルったら女の子の気持ちが分からないのね。」

「分かりたくもないよ。ね、パンテーラ。もし王子を殺したら、喰べてよ。」

「嫌よ。綺麗なまま遺して、ずっと側に居るの。私たち地に還るまで一緒なのよ。」

「そんなの一緒って言えないよ。喰べて、体内に取り込んで、王子をパンテーラの細胞にして。」

「なんて事を言い出すの、ベル。私には無理だわ。」

「泣かないで、パンテーラ。王子はパンテーラを殺したとしたら、喰べるよ。」

「嫌。一緒に居て。私を独りにしないで。私にはあなただけなの、ベル。」

「王子もだよ。だからパンテーラの細胞になって、パンテーラを細胞にして、一緒になりたいんだ。」

「私が欲しいのはベルとの時間だけよ。ずっと一緒に居られたらそれでいいの。」



((嗚呼、一生相容れられない私たち!))






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