なぜか家族全員家を自転車で出て、とある川で遊びながら行った。
でも12時半集合なのに出たのは12時、間に合う訳がない。

ひどい向かい風だったので川で遊ぶ家族共々、自転車を置いて走って行ったら、途中 川の増水で道がなくなってた。
これまた なぜか2年前期に同じクラスだった友達に電話して、あと何分か、そして今みんな何をしてるか尋ねる。
電話をしながら、堤防みたいなのに必死で捕まって前に進む。案外流れが速くて流されそうになりながら、でも堤防の上に乗ったら風で吹き飛ばされそうなので懸命に水に浸かりながら行く。
そこで電話をしていた友人が迎えに来てくれて、道案内をしつつ励ましてくれる。

腕の感覚が もうなくなった頃、やっと増水箇所を渡りきり、学校近くの公園に辿り着くことができた。
しかも今まで捕まっていた堤防の終わりは滑り台になっていて、なぜか その終わりが くるっと丸まって上に向いている。
友人が「この間のマラソン大会、疲れてテンション変になっちゃって ここをジャンプ台にして遊んださw」と言っていたので私も感覚のない腕で頑張ってジャンプ台にのぼってみた。
勢いが足らず跳べはしなかったが、なんとなく やり遂げた感があった。

その後 学校まで全力疾走、教室に飛び込むと担任が卒業式の説明を、その隣で副顧問が なぜか黒板に落書きをしていた。
生徒の白々しい視線から考えると、おそらく もう20分くらい落書きを続けているのであろう。そろそろ切り上げればいいのに、というか副担任とかでもないのに なぜ彼がここにいるのだろうか。
お湯に挨拶だけして、私は図書室へ向かった。

図書室の鍵は開いていて、扉を開けると案の定、司書の先生がいた。
雑談をしながら ふと図書室を見回すと、転勤したはずの前司書の先生が隅に座っていた。
え、ちょ、嘘!と固まっているうちに前司書の先生は図書室を出ていき、私も一気に金縛りをとかれたように それを追いかけた。
数秒の差であったにも関わらず どこを探しても先生の姿は見えず、諦めかけたその時。生徒ホールの辺りに、幼い男の子の手をひく先生が見えた。
たぶん その時出せた一番大きい声で先生を呼ぶと、当然ながら振り返る先生。お祝いの言葉を戴き お礼を言い、もう この時点で泣いていた。

先生に別れを告げ、ふと生徒ホールを見ると お湯がいた。
「何してるの?」と話しかければ「イチゴタルト作ってるの!」
そういや周りのみんなも せっせとイチゴタルト作りに興じている。
「え、なにこれ」「卒業ケーキ的な…あれ、机の上に時雨の分なかった?」「たぶんない」「じゃあ見てていいんじゃないかなぁケーキ入刀やるらしいよ、お湯も矯正外さなきゃ」
…様々な疑問が残りつつも、仕方なく みんなが作るイチゴタルトを眺める。同じ品とは言っても やっぱ個性出るよなぁ…と思っていた時




―――目が覚めた。

一体なんだったのだろう。
卒業までの暗示か?私の1年は こんなに向かい風なのか?
しかも なんか…ちゃんとゴールしたとは言いにくい。



…本当に なんだったのだろう。