好きだって言うならなんでこっち向いてくれないの。
ちがう
こっち向かなくて良いの
だからそんなこと言わないで
他の子に言うのと同じみたいに言わないで
そんなことで喜んじゃう自分が気持ち悪いんだよ
もう、嫌、きもちわるい。
簡単に言わないでよ、
君にとっては簡単なことなのかもしれないけど、
私は違うんだよ!
せっかく諦めようとしてるのに、なのに、だからお願いだから、邪魔しないで…
私が伸ばした手を、君はやんわりと押し退ける。そこで私は正義感と好意と厚意と義務感と嫉妬と苛立ちでごちゃまぜになった感情を手の上に持て余して、立ち竦む。君の手を掴むはずだった私の手は随分と小さくて、腕も長くない。精一杯伸ばさなければ君のもとに届かないことはわかりきっているけれど、力が入らない。気づけば心臓は止まりかけていて、沈む沈む君を見つめるしか脳のない目だというのに、顔を背けたせいで今度こそ役目がなくなってしまった。
手が届かないなら足を踏み出せばいいものを、動かない。私の足はいつから別人の所有物と化してしまったのだろうか、なんて嘘、すべて自分でやってることだ。理解はしているのに頭がそれを避けて通ろうと必死になっている。だって怖い。君の声が耳から剥がれない。ごめん、大丈夫だよ、ごめんね、大丈夫だから、ごめんね。まず最初に謝る癖がついたのはいつ頃なのだろうか。根本からおかしい。君は拒絶する。他人の厚意を拒絶する。誰よりも寂しがりな愛されたがりな癖に、他人からの好意をひどく申し訳なさそうに受け取る。もしくは、受け取ってもくれない。
きっと君は諦めてしまった、諦めかけた私を見て、諦めてしまった。諦めてしまった。諦めてしまった。
しかたないよね、と言い合ったことはあるけど、だけど少しくらい、私だってほしかった。歩がいつか離れていっても、仕方ないことだと思う、なんて、なんでもないような顔で言って、笑って、諦めるよ、と言われて、
だったら好きだなんて言うなよ、好きでいていいなんて言うなよ、抱き締めてきたりすんなよ、他の人に嫉妬して拗ねたりすんなよばか、ばか!
、
例えば君の、何でもないような横顔に傷ついたりするのです。
あの人に好きって言ってもらえたのは、嬉しかったけれど、
でもやっぱりそれだけなんだなぁ。とか。思う。
ありがとう、で終わってしまった。
あなたに困ってるとかじゃなくて。私にいらついてるだけで。
やだなぁ、
君のことばっか言ってる私は、正直とてもきもちわるい。
卒業したらすこしは忘れられるのかな。
らいんとか、ついったも全部消さなきゃ無理かな。
自信ない。
とてもつよい言葉だと思う。
よわい人の言葉のように思う。
つよい人の言葉のようにも思う。
いきものの生死というものは、ましてやそれを願う言葉は、酷く強い言葉。