23:11 ちょっとずれる





暦のうえでは秋が来て、それでもまだ目のまえには夏がいたのに。今日みたいに急に涼しくなると、あんなに気怠かった暑さがどこか恋しく、寂しくなるのは人間の性なのでしょうか


夏の終わりはいつも突然ね。過ぎたと思えばふと戻ってきたり。いつだって別れを告げられぬまま、過ぎた後に別れを知るんだ。だからひと夏に、ヒトは恋をするのかな。







つかの間のやすみはとうに去り、間も無く新学期がはじまる。タイムマシーンに乗った気分で、ふりだしに戻った気分で。どんな日々に呑み込まれるか、きっと知っていて、きっと知らないふりをして、なんの気ない素振りで、過ごすのでしょう




笑っていられないのは、余裕が無い証拠なのだ、と改めて再確認した出来事が。

どうしても目につくことばかりが気になって、苛立って、注意して、心に反して声を荒げる。だけど、いちばん彼らが覚えているのは、教えられたことじゃなくて、各々が気付けたことなんだって、そんな話をふと今日練習試合先の顧問の先生から伺って。

一学期間、きっと私は多くのものを与えすぎて、ただ与えたことに満足をして。与えることで、実は楽をしていたんだと。規律をこちらで作って、それに当てはめるように雁字搦めにしてしまえばいいのだから。

答えを与え続けていた日々は、窮屈で、忙しなくて、いつもどこか必死で、泣きたくて。いつの間にか、笑顔が消えて、それさえも忘れるほど、抜け出せずに深みにはまってゆく自分がいたことに、気付いたのです


笑顔は、強みだったはずなのに。少なくとも昨年までは、いつも笑ってる先生が好きだと、そんな素敵な勿体無いことばだって、もらっていたのに。

話をしてくださった方も仰っていたけれど、言いたいことをぐっとこらえて、待つ指導も大切なんだと。そこで余裕を見せて、いかに笑ってあげられるか。自分で気付けたことを、凄いじゃん、そうだよって、認めてあげられるか。




今日は何気ない会話から、新学期まえにこんな言葉を聞くことができて、本当に嬉しかった。忘れていたこと、更に心掛けなくちゃいけないこと、改めて胸に留めることができた。

忘れたくないから、こうやって、目に見えるように残しておくの。まえが見えなくなったら、後ろをそっと、振り返って、何度だって、確かめられるように。



まえに進め。







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