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ノクマニでダンテと勇小話

※結構前に書いた話を修正云々。ダンテが居候してる設定。










「おっさん、冷蔵庫に入ってた俺のエクレア勝手に食べただろ」

「そりゃ濡れ衣ってやつだ、少年。あんなチョコという名の衣を身に纏った甘いもんなんてオレは知らないさ」

「その中途半端な表現すげー腹が立つ。もうなんかあれ、殴るか一発」


宣言して早々、勇は自分のベッドを堂々と占領している銀髪の男に鉄拳を与えてやった。ばきょ、なんて骨に何かしら影響があるだろう音が鳴ったのは伏せておいて。悪魔だから骨にヒビが入ったところですぐに完治するだろうから問題はない。
この悪魔―ダンテのこういった癖は今に始まったことではない。勇が学校で授業中、居眠りに耽っている間に冷凍庫の弁当用の冷凍食品を食べたりストックしておいたお菓子を食べたり…とまあ、やたら食い意地が張っているのである。それも悪魔だからかとか、そんな程度に考えてこれまで見てみぬフリをしていた。が、さすがに楽しみにしていたエクレアまで食されては腹の居所が悪いというもの。


「おっさん、今すぐエクレア三個買ってこい。それで許してやるからさっさと行け」

「し…少年、オレがコンビニに行ったら確実に目立つだろ。その分の代金渡すから自分で買いに…」

「い い か ら さ っ さ と 買 っ て こ い !」

「………!」

「あ、モンテールのエクレアじゃないと許さないからそのつもりで。無かったら店巡りしてでも手に入れてこい」


普段のおどけた様子の勇と異なり、殺気にも似たオーラが彼を纏っているのを感じてダンテはさっさとベッドから降りた。殴られた場所が痛いなんて言っている暇も与えず、しっかり会社まで指名して勇をびしり!と部屋のドアを指差した。さあさっさと行け、という合図であるのをなんとなく察してダンテは逃げるように部屋から走り去る。
あれ以上いたらコダマの強烈な体当たりも食らっただろう、なんて考えながら擦れ違う住民の視線を気に掛けることなく彼は近場のコンビニへ向かう。





食い物の恨みほど恐ろしいものはない、とダンテは感じた。





「だったらまだ心臓刺された方がマシだな…」





彼の感覚を理解してくれるのはやはり悪魔でしかないのかもしれない。










end
※ダンテがかなりかっこよくない件。

ゼノオマでエルザとタシャ小話

※本編前的な










「教会の戦闘ギアが欲しいとは…貴殿は相変わらずだな。前にバトラーになりたいなどと言っていたことと関係があるわけか」

「アクヴィにいると死霊<ウェルス>に襲われることだってたくさんあるし…とてもじゃないけどサルベージャーだと太刀打ちなんてできないからさ。巨大な奴にやられたらすぐ沈むよ」


海上に浮かぶ都市タムズ。その地下のギアドッグに教会からの使者であるタシャ、タムズを拠点にサルベージを行っているエルザという青年が先程から空となったコンテナの上で話し込んでいた。
内容はエルザの夢について、と表現しても過言ではないくらい"ギア"という単語が出てくる。エルザがつい最近、タシャに向かって理不尽だと申し出た。
それは教会の司教という身でありながら武装ギアに搭乗しているということ。司教にそんな大層なギアは必要なのかと問いかけたところ、"エトーンの仕事を引き受けることが多いため"とあっさり返されてしまった。その場でエルザは大人しく退いたものの、負けじとギアをくれ!なんて言ってきた。それなりの前金を払えば考えてやらんこともないが、とは言ったもののそんな金額を用意できるような身ではないことくらいはタシャも理解はしているのだ。


「手に入れたとしても修理費だって馬鹿にならん。燃料費だって掛かることを承知で言っているのか」

「修理費や燃料費くらいなら俺だって払える範囲だよ。そこはちゃんと勉強したんだって」

「ならばパーツ代はどうする。パーツひとつで貴殿の給与三ヶ月分は楽に消えるが」

「さ…三ヶ月…?!」


具体的な金額にエルザは度肝を抜かれ、げんなりとしながらもやはり諦めきれないのか思い悩み始めた。ここまでくると愚かなのかもしれない、なんて印象を抱きながらコンテナから飛び降りるとタシャは本来の目的の為にギアのパーツを取り扱う従業員と話し始めてしまった。

タシャのギアは見てくれもかっこいいし、実際起動している姿を見てしまうと惚れ込んでしまうくらいかなり機敏な動きを披露してくれる。どこの国のパーツを使用しているのかは教会が明かすことはなく、機密事項として定められているのだ。ただ、言えるのはイグニス大陸のアヴェ製ギアには確実に勝っているということ。あまりギアに関しては発達していないようで、一体一体のギアの装甲が脆く移動速度もお世辞が言えないほど鈍足なのである。


(そもそも、どうして教会がギアパーツ管理しているのかよくわからない…)


信仰を深める教会こそギアとは無縁であるはずが、世界の中心と言える。いつか戦争でも引き起こすつもりなのか、なんて思ったところで関係者の前でそんなこと言えるはずもなくエルザはただ黙りした。
エルザが目指すはバトラー。アヴェと確執し、今もなお戦争を続けているキスレブ内に建造された会場でバトリングという競技を行う。それに参加するのがバトラーであり、ギアを所持していなければ参加するのは不可である。タシャがやめておけ、というのは競技そのものより治安の悪さに問題があるからだ。なにせバトラーには免罪目的で参加する犯罪者が非常に多い。D区画、と称された謂わば犯罪者ばかりが隔離された街がキスレブにはあるのだから。
それでも、どうしてもエルザはギアは欲している。自分自身、どうしてこんなにもギアに固執しているのか断定できないのだが。戦いたい、という欲があるのも否定はしないがそれでは死に急ぐようであまり良い心地にはなれないのだ。





(タシャのギア乗せてもらえないかなぁ…)





波に揺られて夢物語を考えながら青年は今日もまた、サルベージを行う準備をするわけで。



サボっていたことがタムズの艦長にバレてぶっ飛ばされてしまうのはもう少し後の話。










※エルザのキャラがおかしいn(ry

無双で元親と了佐小話

※何気にガラシャを気にしている発言ありな元親さんがいる←





天地は 広しといへど 吾が為は 狭くやなぬる 日月は 明しといへど










「父母は 枕の方に 妻子どもは 足の方に 囲み居て 憂へ吟ひ……」

「問いかけ、応えるのは己自身…か。人の歌よりも自分の歌でも詠んだらどうだ」

「そう言ってくれるなら元親さん、詠んでくれると嬉しいなぁー…」

「断る」


心地の良い三本弦の音色が旋律を奏で、それに合わせて長歌を詠む。ゆらゆらと船の揺らぎとそれに酔いつつあったところ、元親は撥の動きをぴたりと止めてしまった。少々不貞腐れながら、了佐は甲板の上にごろんと寝ころぶ。
先の戦に備えて仕合を行う、ということで長宗我部当主の元親を誘うためにわざわざ了佐は土佐に足を運んだ。秀吉からの使いであるとは敢えて言わずに。
元親と秀吉の仲が犬猿、というわけではないのだが了佐個人の意として長宗我部元親という人物に興味があった。結果以上、として歌や音などで意気投合してしまったわけだが。


(あっさり自嘲しながらいやらしさを感じさせないのってすごいな…光秀さんと仲良いのはなんとなくわかる気がする)

優しいのだ、彼は。秀吉や光秀とは異なる優しさを持っている。悪く言ってしまうと大名としてかなり不向きな慈愛すらも持ち合わせているんじゃないか、と了佐は思う。このような人物が織田軍に属しているなど到底思えず、顔を合わせた時は表には出さないものの内心焦りが芽生えてしまった。この優しさが、敵として向けられた時―互いに傷つくのが明白なのだから。
できるならそうにはなりたくないな、と晴天を眺めながらぼんやりと考える。ふと視線を向けると、渡した書状に目を通す元親の姿があった。我ながら目の前で己の文字列を人に晒すのは恥ずかしいわけだが、そこは大人の威厳として黙りを続ける。

不意に視線が合ってしまい、逸らすこともできずにいると元親は笑みを浮かべた。海に見合ったような、さわやかな笑みを。


「あんたの字には意志がある。生を感じ、優しさすらも…読み取れてくる」

「……元親さん」

「これには人の心を動かすものがある。…珠にも見せてやりたい代物だ…」

(……敵同士になったらやりにくいなぁ、絶対…)

元親の優しさが辛い。彼の笑みを見ていると瞳の奥に熱を帯びてくる。その笑みが歪んで消し去るのは自分たちなのかもしれない可能性は否定できないのだ。この太平の海で奏でる彼を奪うのは、どこかの誰そ―ではなく織田の誰そ―なのだろうと。
こんなことを考えているのは自分の甘えゆえだ。自分もまた大名には不向きな人間であるのは違いない。いっそ秀吉様と意気投合してくれたらいいのに、と口走りそうにもなる。
きっと彼は笑い飛ばすだろう。自前の反骨精神が駆り立てるのだ、彼が権力や勢力に屈することはない。





「泰平や戦どうこうの前にそもそも争いがなければそんな言葉生まれなかったんじゃないかって思えてくるんだよ」

「人が人である限り過ちは繰り返される。俺たちが死んだ後も、おそらく」

「一時の泰平のために、かぁ。手前は前線に出ないけど…仲間が死ぬのは嫌だなやっぱり」

「甘いな、おまえも。光秀も」

「敵とはいえ村人のために兵糧を奪取せずに去った元親さんも相当甘いと思うよ」

「どこで聞いた。その話」

「光秀さん」





返答の代わりにべんっ!という音を鳴らして元親さんは分が悪そうに表情を僅かに歪めた。
嗚呼、ここで歪めてしまったからこの先大丈夫かなとも思えた了佐は大層笑った。










end
※元親さんの喋り難しすぎて表現できませn

無双で官兵衛+了佐小話(了佐オリジナル)

※了佐とか知ってる人少ないだろうけど名だけでも広めたいと考えt(ry





こんな時代だ。薄情であることが正しい世論。

それを拒むのは恐らく愚か、だと思う。










(字が…思った通りに書けない。つもりはなくても無意識下の中で弛んでるのかなぁ、やっぱり)


自分の室内に、ましてや自分の目の前に黒田官兵衛がこうして座しているというのは怪奇的な現象であると安威城の城主である安威了佐は思った。こうしている今、了佐は官兵衛に長歌を綴っているわけだが、自分が思った以上に文字列に緩さを感じてしまう。つい先日、越前和紙を調達したというのにあまりにも紙に対し無礼だと自責の念に駆られた。
彼が城に訪れたのは二刻ほど前だ。正直、竹中半兵衛を介さずに官兵衛と交流する機会がなかったため、来客の珍しさに城内が騒いだのは言うまでもない。訪れて早々、"歌を書いてはもらえないか"と頼んでくる客も滅多にないだろう。了佐からしたらそれは嬉しいのが事実であるが。


「…シメオンさんは、何をしにこの城へ訪れたのでしょうか」

「切支丹の名で呼ぶのは控えよ、シモン。その嫌味な言葉遣いも気に障る」

「あ…ひどいな官兵衛さん。でもその名で返す――と、いうことは伴天蓮関係の話になるのか。コエリョさんの件ならまだ…」

「否、それだけではない」


官兵衛の言葉に思わず"は?"なんて間抜けな声を出してしまい、うら恥ずかしさから慌てて口許を隠しても時既に遅し。特に気に掛けた様子もなく表情も変わり映えしないことに、了佐は安堵してすぐに自分の口許を解放した。
ぼたり、と筆の毛先から墨が落ちた。白色が黒を侵食するように、じわじわと広がっていく様を了佐は気にも留めずただ傍観する。見え透いた嘘など吐いてもこの人には通じない、虚勢を張ったところでお得意の鋭い指摘で貫通されるのだと改めて感じ取った。

半兵衛が亡き者となり、また了佐が仕えていた秀吉もこの世から去ってしまった。それが右筆としての了佐の腕を鈍らせている原因であるのは、周囲はおろか本人も理解している。官兵衛は城に足を踏み入れた時点でそれを読みとったのだ。
自分が慕う者は皆、土に還っていく。元右筆であり、また元奏者である了佐ができることは限られていて、それも一つの原因となっている。
字を生み、歌を生み、時には音を奏でる程度しか成せないことに無力さを感じてしまう。だから、秀吉亡き後に契りを捨てた伴天蓮コエリョを自らの手で斬ろうと考えた。自分が切支丹であるがゆえに下した決断のはずが、最近になって感傷を抱き始めてしまったのだ。了佐自身、そのことに非常に驚いた。


「確か、官兵衛さんは半兵衛さんを看取ったんだっけね」

「そうだ。笑いながら寝ているようで不気味だった」

「笑いながら亡くなるなんて半兵衛さんらしいというか…手前、ちゃんと挨拶したかったな…」

「…卿は秀吉殿を看取ったのだろう」

「手前の主で、手前はその右筆だから…かな。傍にいるのは当たり前だったから…奥方様より傍にいたのは事実だけど…」

「…………」

「なんか、こうしてると官兵衛さんも手前より先に逝っちゃいそうで怖いな。コエリョさんも斬らないといけないから……あーなんだろ、官兵衛さんの嫌いな感傷ってやつだなこれ」


あはは、なんて空笑いして筆を無造作に和紙の上に置けば後ろにごろんと倒れた。ふ、という官兵衛の溜息が耳に届いたことで僅かな安堵と正体不明の恐怖心からまた了佐は笑った。
これ以上、こんな話をしていても終わりはないと二人は判断した。笑い声は自然と嗚咽へと変わり、視界を塞ぐように手を添えながら声を抑えては堪えた。自分の中で一線を越えぬように。





「年甲斐ないな、了佐」

「城の人には内密にしてくれないかな、官兵衛さん。これ以上威厳無くなったら手前…城主としていろいろ問題が…」

「卿の信頼性など興味ない」

「相変わらず性格悪いなぁもう。だから若い人と上手くいかないんだよ。斬られちゃうよそのうち、いやたぶん明日とか清正さんあたりにぐっさりと!」

「上等だ」

(本気で心配してるんだけどなぁ)










立ち直って歌を書き直すからさ、それまで生きてよ。


生きてまた、その顔見せてほしいんだ。官兵衛さん。


慕ってる人がいなくなって生き続けるの、苦労するんだからさ。










end



※官兵衛さんは優しい。ただそれを見せないすごく不器用な人っていう。

BSRで三成×お市っぽい小話

※考えがまとまってないためにちょいちょいいろんなものをこれから書いていきそうです。










"痛い、痛いの。怪我したの。助けて、闇色さん…闇色さん…"


刑部が第五天魔王と讃えられている織田家の生き残り、お市を連れてから既に数日が経過している。三成はさほど気に掛けてはいなかったものの、毎度戦を終える度に寄ってきては"助けて"とお市が懇願してくることに苛立ちすら芽生えていた。
いっそこのまま斬首してしまった方がこの娘のためでもあると思えた。"使えないものは切り捨てる"―刑部は市を脅している。恐怖で第五天魔王を利用しているのだ。遠目からでも三成はそれを理解した、しかしそれも刑部の策なのだと簡単に割り切ることができてしまった。

制圧した敵陣地に敵兵の気配はない。黒煙が舞い、へし折れた軍旗が風を揺らしているのみだ。その中で立ち尽くしている三成に、あどけない足取りで市は歩み寄っていく。今にも倒れてしまいそうなほど、その肢体はゆらゆらと不安定に。

「痛い…痛い、闇色さん…怪我したの、市…怪我して…血が出てて…痛い」

(……いつまでこんなことを…させるつもりなのか)


泣いていた。怪我の痛みからではない、悲しくて彼女は涙をぽろぽろと零している。心から、苦しんでいる。否、彼女の言う"――様"とやらが苦しみを与えているのだ。それに気付くことは、この先あるとは到底思えなかった。彼女が向き合わないかぎり。
それを利用しているのが刑部であるという現実。市の姿を見ていると、心の奥底で自分も利用されているのだろうと三成は考え始めていた。深く思えば思うだけ、口の中に苦みが走った。

普段、彼女を加護するように纏っている不気味な"手"の姿はない。縋るように腕に抱きついて、痛い痛いと唱える彼女の腕を三成は引いた。
てっきり腕だと思っていたが、どうやら足のようで脛や太腿に斬り傷を負っている。鮮血が透明な肌を伝い、地を汚して痛ましかった。これでよく力無く痛い痛いと吐き、歩いているものだと三成は呆れかえる。
愚か、だと思えた。

「今は血拭きの布のしかない…しばらく我慢しろ。手当ては無事に帰還してからだ」

「……うん…うん…」

「世話の掛かる女だ。刑部もいい加減、手放せばいいものを…」

「……市…迷惑……いらない…?」


彼女の言葉"悲観的な女め"、と罵りながら三成は腕を離す。膝を地に着かせ、たまたま使用する機会のなかった清潔な血拭きの布を取り出した。薄く伸ばし、出血がひどいであろう箇所にそれを巻いてはきつく結んでやった。市に反応はなく、どうやらちょっとやそっとの痛みでは呻きすら出さないらしいと思った。
ただ、"ありがと…闇色さん…"という言葉が儚げに囁かれ腰を上げるとバツが悪そうに三成は表情を歪めた。市を視界に入れると、珍しく微笑を浮かべてこちらを見ている。兵が戦慄くような笑みではなく、これが素の笑みだと感じた。
第五天魔王という名には不似合いなくらい、とても綺麗な笑みであると。





「次の戦、あまり前へ出るなよ。目障りだからな」

「でも…そしたら蝶々さんに……怒られる…」

「その前に戦が終わればいいだけのことだ。貴様は本陣でおとなしく待機していろ」










私と違っておまえは泣くことのできる人間なのだから。

これ以上、汚濁に染まってほしくない人間なのだから。










end
※三成さんが別人すぎました。誰だこいt(ry←
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