スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

青年淑女少女

 
「お母様!」
 
 薔薇の咲く庭にて、若い女の叫び声が聞こえた。鍔の広い帽子に、白いワンピース。どれもレースの刺繍が施されていて、身分の良さをうかがわせている。
 
 風がそよぐ中、若い女が足早に歩いているのは、手帳を開いて朗読する女を追いかけているからだ。
 先程「お母様」と呼ばれた女は若い女と違い、軽やかにステップを踏むように庭を歩いている。
 
「あら、少しぐらい良いじゃない。娘の詩を詠めるなんて素敵な事よ」
 
「だからって声に出さなくても!」
 
「ウフフ」
 
 
 
 魔女の守護する都市『スクロワ』の東区。古くからその執政に携わってきた名門グレナンズ家の屋敷に、今日も騒がしい声が響き渡る。
 
 
 
 
 
‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
 
 
 
 
 
「ガノーゼル、正気か!?」
 
「家族の命と地位と名誉、天秤に架けるまでもない事よ」
 
「お前にはやらねばならぬ事が――」
 
 片眼鏡の男が二人、荘厳な回廊の隅で言い合っていた。一人はガノーゼルと呼ばれた体格の良い男、もう一人は顔が隠れるほどの長い髪の男。
 
「ヒューリ、あの日の約束は違えようぞ!」
 
 両肩を強く掴まれたヒューリは、歯を食いしばりながらガノーゼルを睨み返す。二人の首元には同じデザインのペンダントがあり、ヒューリはそれを強く握りしめている。
 
「お前は、愚か者だ……」
 
「すまない」
 
「妖魔の巣に独りで向かうならば、そう命を与えられたのならば、力を、お前に渡すしかない」
 
「これは……?」
 
 ヒューリが懐から取り出した翠緑の石は、ペンダントに触れると瞬く間に霧散し、二人のペンダントに淡く深緑の輝きを与えた。
 
「私とお前の術式を共有し、そしてお前の魔力を高める『まじない』だ」
 
「いつの間にこんな物を!?」
 
「黙れ! 文句は帰ってきてから言え!」
 
「……」
 
 魔女から与えられた『力』は触れてはならない領域であり、これが知れればヒューリの命は無事ではない。
 
「さよならだ、ガノーゼル」
 
「ああ」
 
 
 
‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
 
 
 
「お父様……!」
 
「フレール、すぐ帰る。シェンナ、後は頼んだぞ」
 
「いってらっしゃい、あなた」
 
 薔薇の咲くグレナンズ家の庭で夫婦と娘は別れを告げる。
 父親を行かすまいとしがみつく娘。泣きじゃくる娘の頭を撫でる母親。
 昨夜からペンダントの輝きは霞むことなく、男の旅立ちの際も、決して揺らぐことはなかった。
 
 
 
「本当に、馬鹿な奴だ……」
 
 荘厳な回廊の隅で、ヒューリはペンダントを握りしめている。長い髪が俯いた顔を覆い、その表情は伺い知れない。












登場人物

ガノーゼル・グレナンズ
壮年
白髪交じりの短髪、頬に傷
階級:5=6
展開速度:速
展開規模:中
魔力総量:二日は余裕
術式:千里眼(遠視・透視)


フレール・グレナンズ
淑女
黒髪、巻き毛の長髪、
詩人、恋する乙女


シェンナ・グレナンズ
良妻賢母
ブロンド、巻き毛のセミロング
波瀾万丈の恋愛結婚、お転婆


ヒューリ・G・ハイライト
壮年
茶髪の長髪、痩身、白衣
中枢院・執政者
展開速度:速
展開規模:自
魔力総量:底尽きたことが無い
術式:瞬間移動



でけた!!


24日は1ヶ月記念

嫁(!?)と私の誕生日も前後しているという事で

プレゼントを作ってみた

真ん中の黄色はアンバー(琥珀)です













まだまだ精進せなあかんわ……

青年淑女少女も書きたいし!!

てかエロエロで、ドロドロな物語が頭の中で渦巻いています。

それなんてエリュシオン


つい先刻


社員寮に戻るときに
畦道を歩いていたら急に小ハエとトンボが群がってきた。

うぜーとか思って歩いてたんだけど、通りの民家の玄関先でロウソクと線香を焚いてるのを見て気が付いた。



今日、沖縄ではウンケーです。
沖縄では旧暦をもとに年中行事の日取りを決めるのですが、今年は西暦も旧暦もぴったり重なっていました。

ウンケーとは方言で『お迎え』の事。
お盆の間、帰ってきたご先祖様を家に招き入れます。
そしてお盆の終わりにはご先祖様をウークイ『お送り』します。





しかし、ご先祖様も道に迷うことがあるらしく、そう言った童話や言い伝えも幾つか存在します。

で、トンボは人の霊魂を運ぶという言い伝えもあるのです。







背筋ゾクゾクしたし



鳥肌も立ったし




……縋り憑かれちゃった!?






てな訳で、自分の部屋に帰る前に売店でお供え用の饅頭を買って、

「貴方の帰る人や家は此処ではありません。この饅頭で空腹を満たして、今一度帰途にお戻り下さい」

と拝んで、饅頭を食って祓いました。









危ない危ない。


先日の黒い神鳥といい、油断は禁物ですねー。






青年淑女少女

 
 魔女の統べる都市、『スクロワ』。
 荒廃した惑星に存在する唯一つの国家。魔女の術式によって滅びを退ける、最期の人間達。
 
「イシュレ、昨晩は御苦労だったな」
 
「旦那様、お早う御座います」
 
「今日は休暇を与えよう。ゆっくりするといい」
 
「はい」
 
 『スクロワ』には孤児が多い。人は滅びの最中でも、肌を重ね合い、愛を囁き、子を成していく。
 行為のみが目的で、子は、要らぬ副産物なのだろう。
 
 イシュレも、誕生を願われなかった孤児だった。『イシュレ・ローレフト』が彼の名であり、『ローレフト』はこの都市に幾つかある孤児院の名称である。『イシュレ』は彼が孤児院に入る際に魔女によって与えられた名だった。
 
「ローレフトの皆は元気にしているか?」
 
「ええ、ケンカは絶えませんが」
 
 イシュレは困ったように笑い、恭しく頭を下げる。
 
「火急の際には必ず駆けつけますので、しばし屋敷を後に致します」
 
 この惑星に滅びを与えたのは、突如として現れた妖魔達だった。一見、人と変わらないが、体のどこかが欠損しており、言葉も理解せずに本能のままに他の生物を襲い始めた。
 
 妖魔達は知能こそ低けれど、炎や雷をまるで己の手足のように操った。
 
「我らが西区にはアブレアもコリアンダーも居る。余程の事がない限り安泰だ」
 
 炎や雷はまるで天災の如く人々や木々を焼き払い、この惑星を思う様蹂躙した。
 そして荒廃する世界に残されたのが、魔女の術式によって炎や雷を退ける一つの都市と、そこで終焉を待つだけの人々だった。
 
「頼もしい限りです。では私はこれで」

 しかし、いつの世も運命に抗う者達が存在する。
 イシュレ・ローレフトもその一人。
 魔女から『力』を授かり、妖魔を根絶やしにするために結成された組織『ウイッカ』の一員である。
 














登場人物

イシュレ・ローレフト
青年
赤髪、短髪
階級:4=7
展開速度:即
展開規模:小
魔力総量:半日戦えるぐらい
術式:感覚増大と武具の具現化

アナサン・N・コアドア
老獪
白髪、オールバック、髭
階級:6=5
展開速度:速
展開規模:大
魔力総量:1日戦えるぐらい
術式:物理法則等の変化


山羊


山羊が喋ったらシュール。

京都で鹿が喋るなら

沖縄で山羊が喋ってもイイじゃない。





前の記事へ 次の記事へ